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「スローペースの前残り」という評価で片づけていいのだろうか
文/編集部(M)、写真/森鷹史

3連単配当が123万円にもなり、大波乱の結果となった今年のマイラーズCだが、「まさかこんな結末が待っていようとは!?」という人は、意外に少ないのではないだろうか。

なんとなく不安を感じつつ馬券を買い、実際に恐れていたような結末になり、微妙な納得感を感じつつハズレ馬券を見つめる…。そんな人が多いような気がする。

自分自身がそうだからということかもしれないが、実は自分は②着に入ったクレバートウショウを穴ぐさ💨に指名し、その指名をシルポートと迷っていた。その2頭がワンツーをしたというのに、当たり馬券が手の中にないのである。どんだけ「持ってない」んだ(笑)。

まあ、ただ、以前から「穴ぐさ💨予想のプロセスを知りたい」という要望をいただいており、今回は題材として非常に良い気がするので、そのプロセスを開示しつつ、レースを振り返ってみたい。

レースの予想(穴ぐさ💨の選定)を行う際、まずやるべきことはふたつある。上位人気になりそうな馬のピックアップと、出走各馬の脚質の分類だ。

前日発売が行われるレースでは、前者は機械的に決められる。後者についても、それまでのレースぶりや競馬新聞の脚質表示を参考にすれば、悩まずに作業できるだろう。

実は、この作業には私情を挟まないことが重要だと思っている。「●●●が実は逃げるんじゃないか?」とか「▲▲▲は今回は控えるのでは?」とか考え始めると、冷静な分析をするはずが「こうなってほしい」という願望にすり替わるケースが多々あるから。これは気を付けたい。

上位人気馬の選別と脚質の分類を行ったら、それを俯瞰してみる。すると、先行脚質が多いか少ないか、上位人気馬の脚質に偏りがあるかどうかが分かる。

先行馬が少なくてもそれが上位人気馬だったら前掛かりのレースになることがあるし、逆に、上位人気馬が差し脚質ばかりだったら、当然、先行しそうな馬が何かをチェックすべきだ。

今回のマイラーズCの場合、人気は割れていたものの前日売り段階で単勝オッズが10倍を切っていたのは5頭で、10~15倍だったのが1頭。その6頭は、私が持っていた新聞では脚質分類が4段階評価での3~4(差し~追い込み)が多く、先行する可能性があるのはスマイルジャックだけだった。

7番人気以下の馬が穴ぐさ💨候補と思われたが、脚質を考えれば、中団から前目に行けそうなタイプがいいだろうと思われた。それらを踏まえつつ、穴ぐさ💨選びに入った。

脚質のことはひとまず置いておき、7番人気以下の12頭を1頭1頭洗い出していくと、正直、今回は、穴の臭いがもうもうとしてきて頭がクラクラした(笑)。馬券圏内に入る可能性がありそうな馬に△印を打っていったら、印が付いていない馬が2頭だけ。さすがにこんなレースは今年初めてだった。

こういう時は、「このレースにとっていちばん重要なのは何か?」をもう一度考えて、それと脚質を考慮して合致する馬を探し出すようにしている。今回のマイラーズCの場合は、マイルよりも長めの距離での実績、次いで別定G2という敷居の高さに重きを置くことにした。

この2点を重要視したのは、『メインレースの考え方』に記してある通り。過去の傾向からそのように判断し、今開催の阪神芝を見ても、マイルより長めの距離で好走歴があった方がいいという感触を持っていたからだ。

そう考えて改めて穴馬候補を見ると、△を付けた馬たちにもポツポツと不安な点が出始めてきた。ライブコンサートフラガラッハガルボロードバリオスコスモセンサーアブソリュートの近走の好走はほとんどがマイル以下。残ったのはシルポートキングストリートショウワモダンキョウエイストームクレバートウショウダンツホウテイの6頭だった。

このうち、キョウエイストームダンツホウテイのOPでの好走はいずれもハンデ戦で、今回はどちらも斤量増だった。ダンツホウテイの好走はほとんどがひと桁馬番でもあり、外枠がどうか?という印象もあった。

このようにすると残るのがシルポートキングストリートショウワモダンクレバートウショウの4頭で、自分としては先行する2頭(シルポートクレバートウショウ)が気になった。

この2頭(シルポートクレバートウショウ)は1000万クラス以上での1800mで勝ち鞍があり、それを逃げ・先行で記録していた。マイル以上の距離をこなすようなスタミナを求められる展開になったら、これらの馬の粘り込みがあるかもしれないと思ったわけだ。

それでも気がかりな点はあり、シルポートは近走をずっと逃げていて、外枠で逃げられなかったら、逃げられても早めに来られる形だときつくなるんじゃないかと思った。脚質的には、逃げなくても競馬のできるクレバートウショウの方がいいと感じたが、何より同馬には重賞実績がない。果たして別定G2の壁をクリアできるのかと考えたのだ。

最終的には脚質の安心感と枠、鞍上(岩田騎手)の3~4月の好成績を加味してクレバートウショウを挙げたわけだが、最後は地力と経験の差が出たような感じの①~②着の着差(1馬身3/4差)だった。ただ、クレバートウショウ自身、芝1600mの持ち時計を1秒2も縮めて②着に粘ったのだから、かなり力があると言えるだろう。

これだけ予想がハマッたというのに当たり馬券がないのは、軸馬を間違えたからである。自分は3連系の馬券しか買わず、1~3番人気のどれかが③着以内には来るだろうと考えながら、チョイスしたのがゴールスキーリーチザクラウンの2頭だったのだ(ダノンヨーヨーダンスの休み明けだったから…)。

というわけで、ここまでを読んでいただければ、穴馬の抽出方法の一端が理解でき、賢明な方は、それを失敗せずに当たり馬券につなげる方法も見つけられるのではないだろうか。もし後者について良い方法を見つけられた方は編集部までご一報ください(笑)。

最後にレース内容についても振り返っておくと、今回のレースは、おそらく「スローペースの前残り」という評価がされるのだろう。しかし、シルポート1分32秒3という時計で逃げ切っているのである。「タイムが速くて捕まえられませんでした」というのが正直な敗戦の弁ではないか。

この時計はコンゴウリキシオー07年のマイラーズCで逃げ切った時と0秒1差で、同馬は次走の安田記念ダイワメジャーとクビ差の接戦(②着)をしている。

シルポートは同じ父ノーザンダンサー系の逃げ馬として、安田記念で好走するだけの資質を備えていると思われる。好走歴のない斤量58kgを今度こそクリアできるかどうかに掛かっているのではないか。

敗れた馬たちからは、今回のマイラーズCはG1に向けての前哨戦で、ペースも合わなかった、という声が多く聞こえてきそうだが、それだけで片づけるのもどうかという気がしている。

安田記念を例に取ると、86年以降の勝ち馬25頭のうち、前走で掲示板外だった馬は1頭(04年ツルマルボーイ、前走⑥着)だけだ。ある程度の着順でフィニッシュできていないと、G1タイトルを手中にするのは難しいという歴史がある

次こそは差し馬にチャンスが巡ってくるだろうと思っていると、また先行馬が粘り込むことがあるので、次走以降のレース予想をする際も、各馬の脚質と勢いには十分に注意を払うべきだろう。