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膝は何も症状が出てないのに骨折してることがあるのです
2010.2.4

月曜日から火曜日にかけて、関東地方で積雪があるなど、まさに真冬の真っただ中でありますが、毎朝調教に乗っていても本当に寒い。

この時期、貼るタイプのカイロは必需品で、仲間内では背中に貼るのがもっとも暖かさを感じることができるとされています。あと、ヒートテック等の温感衣類などもデフォルト設定なのですが、それでもどうにもならないくらい寒いのが、つま先なのですよ。もうその痛さと言ったら、言葉にできません。本当に大袈裟じゃないですから。

馬に乗る時に履くチョーカーという靴が、つま先がまた薄くできているんですよ(笑)。チョーカーの上からカイロを貼り付けたり、カイロを貼って靴下を履いたり、あるいはチョーカーの中にカイロを忍ばせたりと、いろいろ試しましたが、ほとんど全滅。

いまのところ、運動の時には先が厚くできているブーツを履いて、調教だけチョーカーというのがいちばん良い感じです。

この時期の防寒対策は必要不可欠なのですが、みなさん何か良い方法をご存じでしたら、メールをいただければと思います。

それでは山嵜獣医との対談3回目をお送りします。どうぞ。

[西塚信人調教助手(以下、西)]JRAの獣医さんと開業獣医さんでは、業務内容がまったくと言っていいほどに違いますよね。

[山嵜将彦獣医師(以下、山)]基本的にJRAはオフィシャルという立場であって、いま米国をはじめとして世界中で、オフィシャルの獣医師が直接馬を診断し治療するケースはレアになっています。

[西]オフィシャルというのは、出走して問題ないかなどを装鞍所などで判断する立場にあるということですよね。

[山]もっと簡単に言えば、主催者ということです。主催者として、出走させて問題ないかどうかの判断を求められるということです。

[西]先生は覚えていらっしゃるかどうかわかりませんが、ハ行はしていないものの、膝が腫れた馬がいたんですよね。Aって馬、覚えてますか?

[山]覚えていますよ。

[西]腫れたまま、走っていたんです。それでも、ハ行も含めて、痛みも見せませんでした。それで放牧の際に必要とされる診断をすると、JRAの獣医さんは『肩ハ行』という診断だったのです。膝には問題はないということだったのですが、いちおうレントゲンを撮るようにと言われていたので、念のために撮ったら骨折が判明しましたからね。もし、あのままレントゲンを撮影しないで放牧に出ていたら、見舞金はもらえなかったということになってしまうんですよ。

[山]あの馬は確か、膝の下の段(第3手根骨)でしたよね。専門的なお話をさせていただくと、膝の下の段は特に難しいのです。


[西]読者の方に説明をすると、馬の膝というのは骨が上と下に分かれて構成されているんです。そうですよね?

[山]端的に言うとそうです。

[西]下の段が難しいということですが、それはどういうことですか?

[山]下の段というのは、触診であまり反応を見せない傾向にあるのです。あの馬のケースではハ行ではなく、熱感でしたが、ハ行を見せているけれど、どこにも原因が見あたらない、という時にレントゲンを撮ると出るということもあるのです。

[西]僕らのレベルでも、膝は触った感じだけじゃわからないという感覚はあります。他の箇所は獣医さんの触診とレントゲンの結果が一致するんですが、膝はそうではなくて、何も症状がないのに骨折をしているというようなことがありますよね。


[山]それで走れてしまいますからね。ほぐれてきて不思議と走ることができてしまうのです。

[西]どうしてなんですか?

[山]おそらく、関節面に骨が触れる状態にならなければ、痛みを感じることがないのかもしれませんね。

[西]分かり難い部分であるのは間違いないのでしょうね。膝も含めて、いちばん分かり難く、難しい部分というのはどこですか?

[山]うう~ん……蹄かなぁ。蹄は本当に深いですよね。

[西]そう言われれば、そうかもしれませんね。

[山]ハ行ということで言えば、分からない状況の中で、原因が蹄というケースはかなり多いと思いますね。

[西]実は蹄だったということですよね。

[山]装蹄師の方々の見解もありますので、すべてがそうだということではないのですが、そういうケースもあると思うのですよね。

[西]装蹄師さんとハ行について話をしたりすることはありますか?

[山]ありますよ。

[西]僕にはあまり話をするイメージがなかったんですが…。

[山]しますよ。ただ、意見が一致することもありますが、正直、しないこともあります。また結果も、それぞれの時があります。

[西]僕は、本来は、コンディションを調整する上でも、獣医さんに入ってもらった方が良いと思うのですよ。

[山]個人的にはそう思いますし、そうであって良いと思っています。

[西]一緒に仕上げていっている感というのはありますよね。

[山]ありますね。

[西]例えば、獣医さんの診断に基づいて、こちらが調教メニューを決めて、1週間やってみて、またみせて、『良くなっている』、あるいは『変わらない』という答えをもらって、また調整を進めていくというやり取りのなかで、良い結果が生まれてくると思うのですよ。

[山]同感です。重要なことだと思います。

[西]その馬に関わっている人たち全員で考えた方が良いと思うのですよ。こういう言い方をしたら語弊があるかもしれませんが、みんな完璧じゃないはずですから、みんなで考えて、話し合いながら進めていった方が、良い方向に向いていく可能性が高いと思うのです。山嵜先生と一緒にやらせていただいて、おおよそこの程度になると先生はこう判断するだろうと、予想がつくようになりました(笑)。

[山]そうかもしれません(笑)。箇所もそうでしたし、程度についても、あまり違っていることはなくなっていましたね。

[西]いま、尾関厩舎になって新しい獣医さんと一緒にやっているのですが、ぶっちゃけ、まだ掴み切れていません。

[山]それぞれの感覚的な部分がありますからね。

[西]でも、自分が思ったところと先生の診断が当たるというか、一致するかどうか、というのが楽しみだったりするんですよね。

[山]それはとても良いことだと思います。

[西]先生が、師匠である松永先生に対して抱いていた気持ちに近いのかもしれませんね。

[山]もし独立するなら、チームドクター的な存在になることができれば面白いと思うのですよ。調教師の先生と深く話をしながら、それぞれの馬に携わってみたい。

[西]ただ、時代の流れでお金の問題とかありますからね。

[山]難しい部分がありますよね。こちらとしては、何とか良くなってほしい、良くなるようにという思いで頑張っているのです。

[西]ただ、それを高いと言う馬主さんがいらっしゃるのも現実ですからね。

[山]そうですよね。ちょっと残念です。

[西]でも、西塚ではけっこう高価とされる薬を注射してもらっていましたけど、1回も言われたことはないんですよ。なぜかというと、馬主さんに対して、その馬にとってその注射がいかに必要かということを必ず説明していましたから。

[山]やはり、そうでしたか。

[西]説明しても分かってもらえないことって、それほどないですから。

今週はここまでとさせていただきます。

来週は注射について、いろいろな話が出てきます。以前話題となった筋注についても出てきますので、どうぞご期待ください。

あっ、あと、練習こそ毎週続けてきていたものの、ライヴという具体的な目標を立てていない状態のノビーズですが、上の方(松岡騎手)が新しい曲にチャレンジしようと言い出しまして、ある曲を練習し始めたのですが、これがムチャクチャ難しい。

演奏できるようになるのかと考えると、気が遠くなりそうなのですが、でもやり始めたからには、何とかモノにして、ライヴで披露できるように、練習に励みます。

ということで、最後はいつも通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。