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柴山さん曰く、中央と地方の調整ルームはずいぶん違うようです
2010.3.11

先週、我が尾関厩舎の話で言えば、単勝1.8倍という圧倒的な支持を受けたノボプロジェクトでしょう。

残念ながら3着に敗れてしまい、期待に応えることはできませんでしたが、前走と同じような状態にあるという感触でした。

負けてしまったわけですが、競馬の内容、さらには成長段階であることなどを考慮すると、このクラスは卒業できるでしょうし、先々が楽しみだと思っています。

さて、今週は、柴山騎手との対談の3回目になります。それではどうぞ。

[西塚信人調教助手(以下、西)]柴山さんは、地方騎手として何回か(中央に)乗りに来ていらっしゃいましたよね?

[柴山雄一騎手(以下、柴)]何回か乗せていただきました。

[西]笠松だと、やはり中京ということになるのでしょうね。

[柴]そうですね。ただ、シーズンオフの競馬場というのもありますし、様々な面で、なかなか挑戦するのが難しいということもありますよ。

[西]地方所属の騎手の方々は、あくまで地方所属の馬がJRAに出走する時に限られるわけで、そういう部分もあるですか。

[柴]あるだろうね。僕の時でも、着に入らなければ、たとえ出走する権利を持っていたとしても、輸送代などを含めると赤字になってしまう可能性があるために、行きたがらない傾向はあった。

[西]地方騎手として中央に乗りに来た時は、『うおぉ、中央だぁ』みたいな感覚を覚えたりしましたか?

[柴]本当に全然違う。とにかく凄いなぁと思いましたよ。


[西]具体的にどのあたりにそういう感覚を覚えたのでしょうか?

[柴]まずは調整ルームでしたね。確か、最初に行ったのは中京競馬場だったのですが、入った瞬間にホテルだと思いましたよ。

[西]あっ、そうですか。中京、中京……そうでしたっけ?

[柴]ムチャクチャ、綺麗でしょう。

[西]そこまで言うほど綺麗でしたか。

[柴]笠松は3人で1部屋だから。

[西]えっ、マジっすか!? でも、地方競馬って、連続開催ですよね。

[柴]そうだね。だから、僕がいた時で言えば、6日間開催だったら、6日間、3人一緒ということです。

[西]つまり、6日間はそこに缶詰状態ということですよね。

[柴]一緒に寝泊まりするわけですよ。

[西]部屋は広いのですか。

[柴]そうだね、10畳くらいの部屋にベッドが3つ置いてあって、先輩と後輩という感じで、各部屋に振り分けられる。

[西]学生の運動部の寮みたいですね。そこで、アンミツさん、アンカツさん、あともうひとりベテラン、みたいな構成にはならないわけですね。

[柴]ならない、ならない(笑)。でも、必ず先輩が一緒にいる感じになっていたから、夜遅くとかに汗取りへ出ていく時は、もの凄く気を遣いましたよ。コッソリとドアを開けて出て行って、物音を立てないように戻るようにしたりしてね。

[西]まさに寮みたいですね。でも、地方の競馬場は、どこも同じように1部屋に何人というスタイルですか?

[柴]いや、大井競馬場とかは、中央と同じようにひとり1部屋でしょう。

[西]大井競馬場とかは、自宅にいなければならなくて、それを主催者が確認するというスタイルじゃありませんでしたっけ?

[柴]いや、大井競馬の時には調整ルームに入らなければならなかったはずだよ。

[西]大井競馬に乗る船橋所属の騎手も、入らなければならないのですか?

[柴]あっ、船橋とかの騎手は自宅だね。そうだ、そうだ。

[西]自宅に確認の電話が掛かってくると聞いたことがあるんですよ。

[柴]笠松も、名古屋に乗りに行く時には、調整ルームではなく自宅でした。僕の場合で言えば、もし名古屋に行って調整ルームに入らなければならないことになると、人数が極端に足りなくなって、攻め馬ができなくなってしまうという状況でしたからね。

[西]中央でも、トレセンの調整ルームに入って、朝に攻め馬をしてから競馬会が用意したタクシーで競馬場へ向かう若手もいます。柴山さんも、やはり攻め馬を終えてから名古屋に向かっていたのですか。

[柴]ジャンボタクシーというのが出て、8、9人とかで、朝8時にみんなで揃って出発とかしていたかな。

[西]中央だと、当日の朝はJRAからタクシーが出ますが、前日に競馬場の調整ルームに入る場合には、何人かで乗り合って向かうことって多いらしいですよね。当日の朝、何人かで1台にという感じにはならなかったのですか。

[柴]なかったね。ただ、帰りには、調教師の先生の車を運転して帰ってくることはあった。タクシーは、みんなが終わるのを待って、一緒に帰ってくることになるから、早いレースで終わってしまう時は、待っていなければならないわけですよ。

[西]なるほど。そのような状況だったのが、ひとり部屋で、ホテルみたいに綺麗で、前日に車で移動して、調整ルームに入って調整できるようになったわけですね。


[柴]ひとり部屋でトイレ付きもそうですし、中には風呂付きという部屋もあるわけですから。

[西]風呂付きですか。それは初めて聞きました。どこですか?

[柴]福島競馬場だね。

[西]柴山さん、汗取り放題じゃないですか。

[柴]そこでは取りませんよ。広い風呂が下にあるんですから(笑)。

[西]ひとり部屋ですから、先輩に気を遣わなくて良いですしね(笑)。それにしても、3人1部屋という調整ルームがあるとは知りませんでした。

[柴]笠松とか、ひとり1部屋じゃない方が少ないと思いますよ。

[西]道営競馬とかはどうなのですか。道営競馬の調整ルームには行かれたことがありますか?

[柴]ありますよ。確かひとり部屋だったはずです。

[西]交流の時は、入らなくてもいいんですよね?

[柴]大丈夫ですが、当日でも早めに行ってお風呂に入らなければなりませんので(笑)。

[西]あっ、なるほど(笑)。僕と一緒で、お風呂趣味ですからね。

[柴]そう、僕も同じくひとつの趣味です(笑)。ただ、道営のお風呂は恐ろしい。

[西]何かヤバイのですか?

[柴]言葉にできないくらい熱い。

[西]そんなに熱いんですか(笑)。

[柴]笑うけど、本当に物凄い。熱過ぎて息をするのも難しいんだから。

[西]読者の人たちの中で知らない人もいると思うので説明すると、サウナと言っても騎手の人たちが入るのは、ドライタイプではなく、スチームタイプなんですよね。

[柴]そのスチームが物凄く熱いわけですよ。たぶん、わざと熱くしているのでしょう。

[西]そうですか。話が逸れますけど、笠松でデビューした時って3kg減だったのですか?

[柴]もちろん。

[西]ということは、53kgなら50kgですよね。こちらで言えば53kgとなる3歳未勝利の牝馬は大変じゃなかったですか?

[柴]大変でしたよ。

[西]柴山さんの場合、デビューが20歳だから、なおさらだったんじゃないですか。

[柴]しかも、前の年までは2kg減だったのが、僕がデビューした年にJRAに合わせるという理由で、3kg減にしていただいたお陰で、苦労しました。僕が悪いだけなんですけどね(笑)。

[西]中央だと、減量を取るには100勝か3年間という規定がありますが、地方も同じですか。

[柴]同じで、3年間か勝ち星です。

[西]『うわぁ、早く減量消えてくれぇ』と思いませんでしたか?

[柴]正直、思いましたね。

[西]その当時、50kgに乗るとしたら、鞍とか装具は何kgくらいのモノを使用していたのですか。1kgくらいですか?

[柴]1kgないくらいですね。

[西]大庭が使っている0.8kgというセットですか。

[柴]そう、そうです。

[西]いまはどうですか?

[柴]いま、大庭と一緒じゃないかな。

[西]0.8kgですか。

[柴]いや、0.9か1kgだね。

[西]200g違うわけですね。

[柴]200gというのは、乗り役にとっては大きな数字ですから。

[西]もしかして、いまの時期とか、下着を来ていない感じで、いわゆる保護ベストに勝負服スタイルですか?

[柴]いや、着てます。

[西]大庭は、着ていないのですよね。この前、装鞍所にベストだけの姿でいました。相当汗取っているから、冬でも寒くないのかもしれませんけど、そういう感じって、分かっていただけますか。東京競馬場は装鞍所近いしいいやみたいな(笑)。

[柴]そりゃ、わかりますけど、僕はその格好では恥ずかしくて歩けません(笑)。

今週はここまでとさせていただきます。

対談とは話が変わりますが、先日、一緒に働く厩務員さんがケガをしてしまいました。全身打撲という診断を受けたものの、命に別状はなかったことが不幸中の幸いです。

我々厩舎関係者たちが言うところのいわゆるうるさい馬で、定年した後に臨時で働いている65歳のヘルパーさんだったので、「乗り運動は控えてください」という話をしていたところだったのです。

そうしたら、馬が立ちあがり、そのままひっくり返ってしまい、下敷きになってしまったのです。

安全確保ということで言うと、馬に対して消極的というか、控えざるを得ない部分が出てくるのは確かでしょう。

それでも、今回の事故を目の当たりにして、安全が優先されるべきだと改めて痛感しましたし、毎日馬に乗るなかで、自分自身も気を付けなければと改めて思いました。

ということで、最後はいつも通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。