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中央と地方の騎手の追い方の違いを柴山騎手に聞いてみました
2010.3.18

先週の尾関厩舎は、日曜日中山8R(4歳上500万円下、ダート1800m)に出走したアクロスザボードの6着が最高という結果に終わりました。

最近、馬の故障やアクシデントが続いていて、先週、立ち上がって倒れたという話をしたミヤビリュウオーが命を落としてしまったのです。

馬頭観音にお坊さんに来てもらい、人間で言う葬儀を行い供養しました。人間と同じように、塔婆を立てて、お経を読んでもらうのです。

供養することで、馬も成仏できるのでしょうし、我々人間も気持ちに踏ん切りが付けられるので、するべきだと思いました。

さて、今週は柴山騎手との対談の4回目です。それではどうぞ!

[西塚信人調教助手(以下、西)]勝負服は、すべてプリントされているエアロと、エアロの刺繍のタイプ、それとサテンがありますよね。(編集部注・詳しくは文末を参照してください) コウシ柄の勝負服だと重かったりしませんか?

[柴山雄一騎手(以下、柴)]重いです。3分(300g)くらいある。それがプリントだと1分(100g)だから、2分(200g)違うということになるね。

[西]200gは大きいでしょう。

[柴]大きいですよ。

[西]ということは、装飾の少ない勝負服の方がありがたかったりするわけですよね?

[柴]持った感覚でわかりますよ。

[西]ヤバイですって(笑)。

[柴]これで53kgなら、下を一枚脱ごうかなぁと考えるわけですよ(笑)。


[西]そういえば、西塚厩舎時代は、大庭が53~54kgで乗る時のために、軽いプリントタイプを作りました。ある馬主さんの勝負服は星が10個あるわけですよ。『いただきましたぁ、星3つ』じゃないけど、10個は重い。

[柴]それはありますね(笑)。

[西]エアロの刺繍、サテン、エアロのプリントとあって、それぞれ重さが違いますよね。

[柴]そうですね。

[西]エアロの刺繍とサテンだと、どっちの方が軽いんですか。

[柴]サテンの方が軽いかな。

[西]ただ、サテンは暑いらしいですね。

[柴]夏のサテンは、確かに暑い。

[西]実は、僕にとって柴山さんのベストライドは、ロックドゥカンブで勝ったラジオNIKKEI賞なんですよね。こんなに人って変わるんだと思わせられましたから。

[柴]それ、ライドじゃないでしょう(笑)。ただ単にゲッソリしていただけですよ。

[西]怒られちゃいますけど、あの時は驚きのあまり笑ってしまいましたよ。あの時は何kgだったでしたか?

[柴]52kgですよ。

[西]そうだ。南半球産馬ですからね。普段で52kgくらいですか?

[柴]54、55kgかな。

[西]ということは…

[柴]4kgくらい落として、50kgくらいにしたはずですよ。

[西]これで負けたら、柴山さん倒れちゃうと思いましたよ。あの時、北海道へ行っていらっしゃったはずですが、美浦にも「柴山がいまから絞っているぞ」という情報が聞こえてきていました。

[柴]なんでそんな情報が流れるの(笑)。

[西]本当ですよ(笑)。あの時は何週間前から絞り始めたのですか?

[柴]2週間前くらいから本格的に始めたと思う。

[西]計画的な減量をされていましたよね。

[柴]マイクロダイエットも使いました。

[西]マイクロダイエットって何ですか?

[柴]飲料タイプのモノで必要な栄養補給を行って、食事を抑えるというダイエット方法です。

[西]効果はどうなのですか。

[柴]僕の場合は、結構な効果があった。普段よりも楽に体重を落としていくことができましたからね。

[西]朝晩、馬場をひたすら走ったりしなかったのですか?

[柴]マイクロダイエットだけ。

[西]あっ、マイクロダイエットがご飯なわけですね。

[柴]そう。マイクロダイエットを飲んで、汗取りをするという感じでしたね。水分だから汗になりやすく、楽に汗取りができました。やはり固形物で胃に入ると、どうしても取りづらかったりしますからね。

[西]柴山さんにとって汗取りは、もう趣味ですよね。

[柴]以前、函館だったかな、藤岡佑介に『どんだけストイックなんですか!?』と言われたことがあった。競馬で9頭か10頭乗った後に、自分に腹が立って、納得できなかったので、汗取りしていてね。

[西]なぜ?

[柴]汗取りしていると、しんどくて忘れられるからですよ。

[西]マジっすか(笑)。

[柴]疲れて、ボーっとしてくると、意識から消えていくんだよ。競馬が終わって、ほとんどの人たちが夜の街に繰り出していく日曜日の夕方、しかも出張先の函館で汗取りしていたら、「どうしたのですか!?」ということになるよね。

[西]ストイックですね。僕も走ったりして、ほんのチョット、痩せてきてはいるんですよ。

[柴]本当にほんの少しですね(笑)。

[西]それは置いておいて、走るとかそういう行動を始めると、やめられなくなったりしませんか。不安になりますよね。

[柴]不安になりますね。以前は、毎日汗取りをしていたのですが、そうすると落ちなくなっていったのです。体が全部吸収しようとしてしまって、代謝が悪くなるのか、明らかに落ちが悪い。なので、最近は月、火、あと水曜日もほとんど汗取りせずに、毛穴だけを広げる程度で、木曜日に備えるようなサイクルにしているのです。

[西]飲みに行ったりはしないんですか?

[柴]ほとんど行きません。夜寝るのが早いんですよ。

[西]何時くらいですか?

[柴]家にいたら、9時とか、早い時には8時半とかには寝ちゃいます。

[西]昔からそんな感じですか?

[柴]昔はよく飲みに行きましたし、それこそ寝ないで飲んでいたこともありました。以前に、落馬したというか、逸走してラチに激突してしまって、そのまま救急車で運ばれてしまったことがあったのですよ。救急車の中でイビキをかき始めて…。

[西]あっ、ヤバイですね。

[柴]そう思うでしょ。ところがそうじゃなくて、寝ていなかったために、寝ちゃっていただけなんですよ。

[西]マジですか!? 読者の方に説明させていただくと、落馬をした時などにイビキをかくというのは、生命が危ないシグナルのひとつとされているのです。話を戻しますと、その時に周囲にいたみなさんは、焦ったんじゃないですか?

[柴]後から聞いた話では、『柴山、ヤバイぞ』という雰囲気になったようです。落馬した時は、痛みを感じて一度起き上ったのですが、あまりにも痛くて騎乗を取りやめて、検査を受けたのですが、そこで寝てしまったんですね。全部終わってから起きましたが、まさか「寝ていなかっただけです」とは言いづらかったぁ(苦笑)。

[西]そりゃ、言いづらいですわね(笑)。そういえば、読者の方から質問が来ているので、それに答えてもらってもいいですか。よく地方出身の方の追い方と、中央の騎手の追い方について、比較されたりしますが、柴山さんの中ではどんな感覚なのですか?

[柴]中央の人たちのように乗りたいなぁという意識はありますよ。

[西]そういう感覚があるのですか。

[柴]前目のポジションに乗って、サッ、サッと格好良く乗りたいという意識はあります。ただ、やろうと思ってもなかなかできないのですよね。

[西]そういうものなんだぁ。

[柴]上手く腰が入らないというか、空追いみたいな感じになってしまって、手だけ動かしているような追い方になってしまうんですよね。一度試みたのですが、できなくて、むしろバラバラになってしまって、できませんでした。

[西]それほど違うものなんですね。

[柴]僕の場合はずっと笠松で乗っていたので、深いダートだと、どれだけ持たせるかという感覚がどうしても強くなってしまう面があるんだと思いますよ。4角先頭で、あとはどこまで持たせられるかという感じですからね。

[西]なるほど。

[柴]4角から残り1ハロンだからね。重心を後ろにして、ハミを掛けて、起こしながら追うという感覚で乗ってきていましたから、そういう感覚が染みついていますよ。

[西]芝で乗った時に違和感みたいなものを感じたことはありましたか?

[柴]まだ笠松所属だった時、遠征してきた地方馬に芝のレースで騎乗して、確か新潟だったと思うけど、直線でステッキが3回空振りしましたからね。

今週はここまでとさせていただきます。

西塚厩舎から引き継ぐ形で尾関厩舎でお預かりする予定となったオグリキャップ産駒、ミンナノアイドルに、先日、久しぶりに会ってきました。

美浦トレセン近郊の育成牧場でトレーニングに励んでいる段階なのですが、人懐っこいところは相変わらずですが、体も大きくなり、順調に成長しているようです。

まだ正式には決まっておりませんが、そう遠くない時期にトレセンに入ってくるはずで、いまから楽しみです。

それと、今回の対談の冒頭で話が出た勝負服の種類について、写真を掲載します。エアロフォルムとサテン、あとは縫い付けたタイプのエアロです。

↑上から順に、サテン、エアロの刺繍、エアロのプリントです

重さは、エアロの刺繍>サテン>エアロのプリントの順番になります。

ということで、最後はいつも通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。