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今週は、飼い葉について解説してみたいと思います
2010.4.29

今週は対談をお休みさせてもらい、みなさんから届いている質問に答えさせていただくことにしますので、よろしくお願いいたします。

このような形で進めるのは久しぶりとなりますので、感覚が戻らないというか、なんか緊張してしまいますね(苦笑)。

みなさんから届いている質問の中で、意外と多いのが飼い葉についてでした。ちょうどいま、僕は尾関厩舎でフィードマンという、飼い葉の管理をする役割を任されていますので、今回は写真とともにお話しさせていただきます。

ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、基本的な点からお話ししますと、一般的には飼い葉は「燕麦」と「配合飼料」を合わせる形が多く、必要に応じてサプリメントなどの添加物などが加えられたりするのです。

ただ、我が厩舎でも使用しているように、燕麦、配合飼料ともに、ひと種類ではありません。特に配合飼料は、たくさんの種類があります。

まず、燕麦について説明をしますと、人間で言えば、お米でしょうか、主食的な存在だとされています。

殻が付いたままの燕麦(写真1)と裸燕麦(写真2)、あとは写真にはないのですが潰していない燕麦ですか。

↑燕麦(写真1)※写真クリックで拡大

↑裸燕麦(写真2)※写真クリックで拡大

他では、厩舎によっては、燕麦を蒸したブランというものを用いるところもありますが、一般的にはあっぺん燕麦と言われる、潰してあるモノが用いられることが多いです。

なぜかと言いますと、燕麦というのは基本的にそのままの状態ですと、消化があまり良くはないので、潰してあげることで消化が良くなるということと、そのままだと与え過ぎになってしまいやすい側面があるのです。

同じカサでも、潰すことで殻の部分が増えたりしますので、カロリーをコントロールしやすい面があるのです。

馬にもよりますし、当然、調教内容によっても変えます。牧場で与えられているということで、例えば裸燕麦に慣れている馬たちというのもいます。

配合飼料については、ここでは一般的な配合飼料(写真3)と大豆が主成分となる大豆カス(写真4)をお見せしますが、おそらく何百種類という数の製品が発売されているはずです。数えきれないほどの種類が、世界中で流通しているでしょう。

↑一般的な配合飼料(写真3)※写真クリックで拡大

↑大豆カス(写真4)※写真クリックで拡大

↑ペレット状の配合飼料(写真5)※写真クリックで拡大

燕麦では補えない栄養素を与えるイメージなのですが、外国などでは、燕麦を与えず、配合飼料だけというケースもあると聞きます。

ただ、基本的に燕麦も含めてどの種類を与えるかというよりも、消費カロリーに対して、どれだけの量を与えるかということが大切だと思うのです。

フィードマンとしては、燕麦や配合飼料に加えて、草というのも重要な栄養のひとつであることを強調したいと思います。

草というのは、どんなに飼い葉を食べない馬でも食べてくれるので助かるのですが、一方で馬の腸に残り、水分を吸収するので、与え過ぎると体重の急激な増加の要因になったりします。ですから、注意が必要なのです。

ルーサンとチモシー(写真6)を馬房に投げ入れるのですが、その量には注意しなければならないのです。


↑手前がチモシー、奥の緑色の濃い草がルーサン(写真6)※写真クリックで拡大

もうひとつ、草に関して言えば、チャフェージ(写真7)という種類のものがあります。

↑チャフェージ(写真7)※写真クリックで拡大

写真なので、残念ながら香りは伝わりませんが、発酵しているということで少し酸っぱい香りがするものなのです。

消化を助けるとされる以外にも、食べると甘みがあり、嗜好性が良いとされていて、好きな馬は多いです。その一方で、これが混ざっているとまったく食べない馬もいますので、好みが分かれるところです。

好みで言えば、よく食べる馬というのは、あまり好き嫌いがないのですが、食べない馬というのは、ある一種類の添加物が入っていると食べなかったりします。

僕の少ない経験上ですが、配合飼料に対しては慣れという部分もあるのでしょう、種類に関わらず、馬によっては抵抗を見せるケースがあるのです。

ですから、厩舎によっては、オリジナルの製品を発注して、育成牧場の段階からそれを与えるようにしているところも増えてきているようです。

馬と言えばニンジンやリンゴが好きというイメージを持っていらっしゃるかもしれませんが、ニンジンやリンゴが嫌いという馬も中にはいるのです。

栄養学的にはニンジンを必要としないというか、配合飼料は栄養のバランスが計算されていますので、ニンジンを与える必要がないのですが、ニンジンを好まない馬もいるのです。

ということで、今回は飼い葉について話をさせていただきましたが、いかがだったでしょうか?

来週からは、また対談に戻ります。調教師として初の登場となる、尊敬する小島茂之先生との対談をお送りする予定ですので、どうぞお楽しみに。

今後も対談の合間に、このような形でお送りしていきたいと思っていますので、みなさんからのメールもお待ちしております。

最後はいつもの通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。