バーディバーディは、どれだけのG1を手に入れるだろうか
文/編集部
08年から始まった
「JRAプレミアム」は、先週までに31レースが行われた。その中で、1番人気の単勝オッズが1倍台だったことは、4度しかない。
「JRAプレミアム」は、売り上げの5%相当を上乗せして払い戻すため、多少ではあるがオッズは通常よりも上がりやすい。
それでも単勝オッズが1倍台になるのは、よっぽどの支持を集めたことの表れと言える。
過去の
「JRAプレミアム」で、もっとも人気を集めたのは、09年札幌記念での
ブエナビスタだった。その単勝オッズは1.5倍。今回の
バーディバーディは単勝1.6倍だったので、その人気の集中度は札幌記念の
ブエナビスタに匹敵するほどだった。
しかし、札幌記念の
ブエナビスタ(②着)の例を挙げるまでもなく、断然の人気を集めても、実際のレースで勝利を収めるのは容易なことではない。
「JRAプレミアム」で単勝オッズが1倍台だった馬は過去に4頭いたと前述したが、実は、その4頭の中で勝ったのは1頭だけである(08年フェアウェルSの
ウォータクティクス)。
バーディバーディは断然人気に応えられるのだろうか。今年のユニコーンSの焦点は、その一点と言えた。
好スタートを切った
バーディバーディは、外枠ということもあってスムーズに流れに乗れていた。直線では鞍上の松岡騎手が余裕を持っているようにも見えたが、カラ馬が前にいて、ちょっと追い出しにくそうにも感じられた。
それでも②着の
バトードールに2馬身半差を付けたのだから、快勝というか、ここでは力が違ったのだろう。
この勝利で、ダート界での現3歳世代の頂点に立ったと言っても過言ではないはずだ。
バーディバーディは5勝目で、これまでに阪神、中京、東京、園田で勝ち鞍を挙げている。平坦の小回りでも、決め手を求められる東京でも、地方のダートでも文句のない勝利を収めているのだから、ダートでの奥の深さは相当なものだろう。
96年に創設されたユニコーンSで、単勝1倍台で勝利を収めた馬は過去に2頭いる。05年の
カネヒキリ(単勝1.1倍)と03年の
ユートピア(単勝1.8倍)だ。
これに続くのは、98年の
ウイングアローなどの単勝2.1倍で、
バーディバーディはこれらの馬の中に名を連ねる形になった。
過去の馬たちの名前を見ていると、
バーディバーディはこの後、いったいどれだけのG1タイトルを手に入れるのだろうかという思いがしてくる。早くも古馬勢との対戦が楽しみになってくるほどだ。
先週までの
「JRAプレミアム」(31レース)では、3連単の平均配当が22万円にもなっていた。非常に荒れやすいので、今週もそうなるかと思ったら、なんとユニコーンSの3連単配当は
4050円だった。驚くべきことに、
過去の「JRAプレミアム」での3連単最低配当(5910円・08年ホープフルS)をも下回る結果になった。
レース後、東京競馬場に行っていた友人から、
「ユニコーンSは、全然プレミアムじゃなかったよ」とのメールが届いた。
「配当はプレミアムじゃなかったかもしれないが、バーディバーディは相当な器で、その強い姿を見られたのはプレミアムなことかもしれないぞ」とリメールしたら、すぐにこんな返事が届いた。
「同情するなら金をくれ」バーディバーディは次走以降も好走してくれるだろうから、お金はそちらで回収してください(笑)。