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さまざまな蹄鉄を写真とともに解説します
2010.6.24

先週、お話をした北海道シリーズがいよいよ開幕しました。我が尾関厩舎は5着が最高という結果だったのですが、一方の福島では、先週、2頭がタイムショック(タイムオーバー)をもらってしまうという事態となってしまいました。

レース展開、あるいはメンバーなど、様々な要因もあるのでしょうが、個人的には責任を痛感するばかり。反省せずにはいられません。

そんな中で、今週は函館でドリームルパンとコスモセクシーという2頭の新馬がデビューする予定となっております。両馬ともに良い動きを見せていますので、楽しみだと思います。ぜひ、応援していただければ幸いです。

それでは、今週は、佐藤雅人装蹄師との対談3回目になります。どうぞ。

[西塚信人調教助手(以下、西)]蹄鉄と言ってもたくさんの種類があるので、説明してもらえますか。

[佐藤雅人装蹄師(以下、佐)]分かりました。

[西]まずはノーマルなもの(写真1)を見せてもらって、後尾鉄(こうびてつ・写真2)から説明していただきましょうか。

↑ノーマルな蹄鉄(写真1)※写真クリックで拡大

↑ノーマルな蹄鉄(左)と後尾鉄(右)。後尾鉄の方が後方にいくに従って厚くなっている(写真2)※写真クリックで拡大

[佐]後尾鉄は蹄がねている傾向が強い馬、あるいは前と前で蹄をぶつけるような馬に、蹄が返るタイミングを変えるために使用したりします。

[西]次はどれにしましょうか。

[佐]では、三本鉄唇となっているモノ(写真3)にしましょう。この蹄鉄の用途としては、蹴っ飛ばしてズレてしまわないように、3つの鉄唇(てっしん)で固定する形となっているモノです。

↑側鉄唇(そくてっしん)(写真3)※写真クリックで拡大

[西]他では、エッグバー(写真4)なども丸く、切れめがないので形としては珍しいよね。どんな馬に使用するのでしょうか?

↑エッグバー(写真4)※写真クリックで拡大

[佐]屈腱炎などの休養期間に装着することが主です。重心を後方にずらすことで、屈腱、浅屈腱への負重を軽減することを目的としています。

[西]重心を後ろにすることで、屈腱の部分の緊張が緩みますからね。あとは、前がないモノについても説明してください。

↑フォーポイントシューズ(写真5)※写真クリックで拡大

[佐]呼び方としては、フォーポイントシューズ(写真5)でいいと思います。鉄唇が付いていない形状で、蹄の半回を良くなるようにという目的で使用されています。人間で言えば、下駄をイメージしてもらえば分かりやすいかもしれません。

[西]なるほど。

[佐]ちなみに、これは競馬では使用できません。

[西]あっ、そうだったの?

[佐]はい。あるG1馬が装着していたことで注目を浴びて、それ以降、頻繁に使用されることになりました。

[西]蹄の回転を良くすることで、腱への負担が減少すると言われて、屈腱炎の馬に効果があると言われているよね。

[佐]そうですね。

[西]あとはハイベスト(写真6)を紹介しましょうか。

↑ハイベスト(写真6)※写真クリックで拡大

[佐]トウ骨や管骨瘤の馬に対して、衝撃を和らげることを目的として装着されるが多かったのですが、最近はあまり使われません。

[西]これもラヴァーシューズ(写真7)だよね。

↑ラヴァーシューズ(写真7)※写真クリックで拡大

[佐]そうですね。上面にクッションが付いている形です。

[西]いまでもこれは使われるよね。

[佐]はい。ただ、クッションが効いていますので、衝撃は緩和されますが、なかにはゴムにめり込んでしまう影響なのでしょう、蹄の質が悪くなってしまうことがあります。ですので、よほど痛みがある時に使用するという感覚ではありますね。あとは、ソエなどについては、先人たちは、スカスといってソエから真っ直ぐ下に降りた蹄負面(ていふめん)をエグることで負重させないようにする技術で対応したりしてきました。

[西]いわゆる装蹄療法のひとつですよね。

[佐]そうですね。ソエでは、いまでも用いられているケースもあります。

[西]あとは歯鉄ですか。これは競馬で使用できるよね。

[佐]はい。外が盛り上がっているように見えているのがトゥーアウター(写真8)というもので、もうひとつがトゥーシューズ(写真9)というものです。どちらも規定内のモノであれば使用は認められています。外縁から2ミリ以上は装鞍所で止められてしまいます。内から見るともっと出ているように見えますが、これで2ミリです。

↑トゥーアウター(写真8)※写真クリックで拡大

↑トゥーシューズ(写真9)※写真クリックで拡大

[西]こうしてみると、かなり出ているよね。

[佐]でも、これで1週間したら普通の蹄鉄になってしまいますよ。1回の競馬でも、かなり擦り減ってきます。

[西]いまは使用している厩舎もけっこうあるよね。

[佐]そうだと聞きますよね。ただ、一般的には、腰の弱い馬などは、引っ掛かりが良いので、負担が多いと言われています。

[西]走る馬は蹄鉄の減りが早いと言われたりするけど、そのあたりは本当なのかな?

[佐]減りというのは歩様によるところが大きいように思います。

[西]歩様ね。

[佐]減りが早いのは具合が良いからだと言われることがある一方、シンボリクリスエスは蹄鉄を減らさなかったと担当していた装蹄師さんから聞きました。

[西]へえ、そこまで違うんだ。

[佐]ただ、実際に担当させていただいている現在の感覚で言うと、いまは基本的に運動量が増えていますので、減りが早いように思います。普通に負重している時には蹄鉄は減りませんから。

[西]そうだよね、動くから減るんだから。いまの時代は、20年前と比べたら運動量が増えているのは間違いないよ。

[佐]減りということで言えば、あとは前掻きなどですよね。

[西]そうだ(笑)。前掻きする馬の中には、綺麗に前だけ減ってしまって、なくなる馬もいるからね。

今週はここまでとさせていただきましょう。

さて、昨年年末にライヴを行って以来、表向きの活動がなかったノビーズが、久々にライヴに出演いたします。

これまでにもジョイントコンサートを行ってきた市丸博司さんの誕生日イベントライヴにゲスト出演させていただくことになりました。7月11日(日)、場所は東京・新宿のロフトプラスワンです。

昨年末以来、ライヴこそやっていませんでしたが、練習は毎週1回、休むことなくやってきているんですよね。今回は5~6曲の演奏を行うことになりそうなので、みなさんにもぜひ足を運んでいただければと思います。

ということで、最後はいつもの通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。