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小回り独特の乱ペースでも、自分の走りを崩さなかった
文/編集部

今年のラジオNIKKEI賞は、なんだか「ぐわんぐわん」としたペースだった。

1000mの通過タイムを昨年と比べると、昨年が60秒1で、今年は60秒4。ほとんど変わらないのだが、1F12秒0前後で平均的にラップが刻まれた昨年に対して、今年のラップは、12秒6-11秒5-11秒4-12秒6-12秒3-11秒5-11秒6-11秒7-12秒1というもの。道中で急に速くなったり遅くなったりしている。流れに乗りにくそうにしている馬が何頭も見られたのも、その影響があったのではないか。

序盤を後方にいながら向こう正面で掛かり気味に先頭集団まで取り付き、最後に伸びを欠いたトゥザグローリーも、初の小回りコースが合わなかった印象が残った。

トゥザグローリーは出走16頭の中で、唯一の500kgオーバー(520kg)。父や母よりもひと回り大きく、もう一度広いコースでその走りを見たい気がした。今回の一戦だけで評価を落とす必要はないのだろう。

最後に外から差して2着に食い込んだクォークスターも、どちらかと言えば広いコースの方が合うのかもしれない。

同馬は今回の16頭の中で3番目に大きく(496kg)、後方で我慢を重ねて直線勝負に徹してきた。上がり3Fは34秒5で、これは他馬よりも0秒5以上速いもの。しかし、いかんせん、この馬にとっては福島の直線は短すぎた。

元来、このレースでは、メンバー中最速の上がりを使った馬が差し届かないケースが多い。昨年はストロングリターンが3着、一昨年はスマートギアが4着、07年と06年はトーセンアーチャーとマイネサンサンがそれぞれ5着だった。

メンバー中最速の上がりを使う馬が差し届かないレースであることを考えれば、クビ差まで詰め寄ったクォークスターの評価の仕方も、また変わってくるのではないだろうか。

他馬よりも早めに動く形で馬券圏内に入ったアロマカフェレトは、456kg(アロマカフェ)と436kg(レト)で、比較的小柄なタイプ。その器用さが福島コースで活きた感じもしたが、乱ペースでも自分の走りを崩さなかった辺りは立派だ。

特にアロマカフェは、前走の青葉賞で悔しい負け方をしていて(勝負所で下がってきた他馬を捌ききれずに位置取りを悪くして、差し届かなかった)、それもあってか、不利を受けないように終始外を回る形だったが、きっちり押し切ってみせた。

4コーナーで4番手以内に位置したのはデビュー戦(中山芝1600mで3着)以来で、距離短縮での重賞でそのような形ができるのも、器用な脚があるからこそだろう。

前述したように青葉賞の4着は力負けではないのだろうが、ひとまずこれでアロマカフェの3勝は中山&福島で記録されることとなった。

中山芝での2勝はともに不良馬場で、レース上がりが36秒2&37秒0。今回が35秒4なので、今後は広いコースに替わって究極の切れ味を求められた時に、どれだけ対応できるかがカギとなってくるのではないだろうか。

なお、今回のアロマカフェの勝利で、マンハッタンカフェ産駒の中央重賞勝利は17回目となった。ジョーカプチーノが2勝を挙げていて、16頭目の中央重賞ウイナーになるが、またも日高の生産牧場から重賞勝ち馬が誕生する形になった。

マンハッタンカフェ産駒の中央重賞ウイナー(16頭)を生産地別で表記すると、次のようになる。

新冠
アロマカフェ
アントニオバローズ
イコピコ
ゲシュタルト
セラフィックロンプ
ベストメンバー
マンハッタンスカイ


浦河
サンディエゴシチー
ジョーカプチーノ
メイショウクオリア
レッドアゲート


千歳
アーバニティ
レッドディザイア


三石
オリエンタルロック

様似
ガルボ

苫小牧
ハンソデバンド

いわゆる社台グループ以外の生産牧場が大半を占めている。これは近年では珍しいケースだろう。

日高(浦河)の生産馬であるジョーカプチーノは、母のジョープシケがフサイチコンコルド×トウショウボーイ×フォルティノという配合で、これはアロマカフェの母カリーノカフェとよく似ている。

ジョープシケとカリーノカフェは、どちらも父がノーザンダンサー系で、母父がテスコボーイ系、母母父がグレイソヴリン系だ(カリーノカフェはハートレイク×サンシャインボーイ×スパニッシュイクスプレス)。

ジョーカプチーノに続いて、アロマカフェもG1ウイナーとなれるだろうか。今後は、日高の生産者の中でも注目度が高くなることだろう。