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今週は「見舞金」について解説したいと思います
2010.7.8

先週、話をしていたノボチャンが4着に頑張ってくれました。久しぶりとなる上の方(松岡騎手)との仕事だったのですが、次はもっと良い形で引き渡せるように頑張ります。

それと、どうしても話をしたいのが、オグリキャップが亡くなってしまったことです。

アイちゃん(ミンナノアイドル)の父親ということもあるのですが、個人的に大好きだったんですよ。形容するのが難しいのですが……そうですね、中学生など多感な時期に聞いた曲であったりアルバムが、自分の中の名盤になるのと同じ感覚だと思うのです。あくまでひとりのファンとしては、仕事抜きで言えば、オグリキャップ以上に魅力を感じる馬は出てこないでしょうね。

最後の産駒という表現をされるアイちゃんですが、僕の中では最後だとは思っていませんでした。ブッチャけさせていただくと、シャクだったりするのです。

編集部の方にも言われたのですが、種牡馬登録を抹消しない限り、最後の産駒にはならないということで、アイちゃんが頑張ってくれれば、もう一度種付けをされる生産者の方がいらっしゃって、産駒が続くのではないかと密かに期待していましたし、そういう思いで頑張っていたのですよね。そして、携わりたいと。

ブログだからというわけではなく、掛け値、お世辞なしに、悲報は本当にショックでした。

もう一度ブッチャけてしまいますが、携わった馬以外で、こういう気持ちになることはあまりありません。

休み明けだろうが、連闘、しかもG1というもっともレベルが高いとされるレースにおいてだろうが、人知を超える走りを見せてくれてきたように、何かをやってくれると思わせられました。

そういう存在に魅力を感じますし、一度は傍で見てみたいという思いがありました。昔、父親に連れられて競馬場に行った時に、パドックですれ違ったというか、チラっと見たことがあるだけなのですよね。

ファンの皆さんにも、そういう存在があると思うのですが、僕にとってはそれがオグリキャップでした。

この世界に入った時、崖っぷちにあった西塚厩舎を何とか良い方向に、逆境をひっくり返したいという思いは、オグリキャップへの思いと通ずるモノであったのですよ。

あっ、長くなってしまいましたね。すいませんでした。実は、対談の谷間に当たる今回は、今週と来週に渡って「見舞金」という制度についてお話をしたいと思っています。

見舞金というのは、簡単な言い方をしますと、JRAの関連団体の中央競馬馬主相互会というところから、JRAに所属している馬たちに対して、競走中、あるいはJRAの施設内で事故、あるいは故障を発症した場合に、お金が支払われるシステムです。

このシステムは、一般ファンの方々にはあまり知られていないと思いますが、馬主さんはもちろん、我々厩舎関係者にとって、身近な存在と言えるものです。

支給額は、基本的には、安楽死という処置をはじめ、命を落とした場合にもっとも高くなり、その次は、競走の用に供することができなくなるという、いわゆる能力喪失のケースになります。

それ以外については後述するとして、命を落としてしまう、あるいは能力喪失という事態に対して、実は、支給される金額というのは、その事故が起きた状況によって違ってきます。

まずは死亡というケースでは、競走中がもっとも高額となり、次が調教中または輸送中となります。それぞれの状況で、支給額は560万円、550万円となります。この差は以前はもっとあったのですが、現在は10万円までに縮小しました。

あとは、死亡ということで言うと、レアケースになりますが、競馬会の施設内において、法定伝染病以外の疾病または負傷により死亡、または安楽死の処分となった場合と、施設内において法定伝染病または天災地変、火災、落雷、暴動により、死亡、安楽死の処分となった場合には、ともに545万円が支給されることになります。

もうひとつ、馬特有の疾病である馬伝染貧血、通称・デンピンにより死亡または殺処分されたケースでは460万円が支給されることになります。

話は逸れますが、口蹄疫がそうであるように、法律で定められている伝染病に感染してしまった場合、殺処分しなければならないと決まっているので、競走馬の場合、それに対しての補償もなされるということなのです。

続いては、競走の用に供することができなくなったという、いわゆる能力を喪失してしまうというケースについて。

我々は「能失」と呼ぶのですが、こちらは競走中の事故による場合で470万円、調教中または輸送中の事故による場合は460万円と、やはり死亡の場合と同様に10万円の差が存在します。

ここまでが、死亡、あるいは能失に関する見舞金についてです。それ以外では、12ヵ月から3ヵ月に分かれているケガについて、その発症場所(レース中か調教中や輸送中かなど)などによって細かく分類されているのですが、すみません、長くなってしまいますので、こちらについては来週とさせていただきます。

死亡のケースに比べて能失の方が金額が低くなっていることに気づいたと思いますが、見舞金は内容によって金額が変わり、さらには、細かい規則というのも存在します。そのあたりについても、来週にお話をさせていただきたいと思っています。

読者のみなさんの中で、見舞金など制度についてご質問があれば、どうぞお送りください。お待ちしています。

あっ、あと、ノビーズのライヴに『行きます!』というメールを何人かの方からいただきました。「お見送りをしてほしい」というリクエストがありましたが、もちろんさせていただきたいと思います! まだ間に合いますので、お時間のある方はぜひよろしくお願いいたします。

ということで、最後はいつも通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。