どうにかしようとしちゃいけない馬だったのかも!?
文/編集部
ドモナラズ。馬名の意味:
どうにもならず、腕白者(丹後弁)。
京都府の丹後地方では、どうにもならない腕白者を
「どもならず」と言うらしい。小田切有一氏らしい命名ですね。
小田切氏は、牧場であっちこっちに飛び跳ねる仔馬を見て、競走馬になってからその馬に
「ラグビーボール」という名を与えた方。きっと
ドモナラズも、腕白者の武勇伝がある馬なのだろう。
その成績を見ると、腕白者というか、一筋縄ではいかない馬であることがよく分かる。
今回の七夕賞の前までに5勝を挙げ、2着を1回記録しているが、2戦続けて馬券に絡んだ経験は一度もない。その一方、前走でふた桁着順に敗れた後でも3勝をマークしている。だからこそ、いつ一変しても不思議ないと観察を続けていたのだが……またもすり抜けられて、私の馬券がどうにもならない結果になってしまった。
今になって振り返ってみれば、先入観が邪魔をしたのだろうとは思う。
アフリート×ナリタハヤブサという配合なので、どうしても
「ダート>芝」向きだろうと思い込んでしまっていた。
アフリートはダートの上級馬を多数輩出しているミスプロ系種牡馬だし、ナリタハヤブサは、現役時に帝王賞やフェブラリーハンデを制した馬。92年の武蔵野S(東京ダ1600m)では、他馬より4kg以上も重いトップハンデの60.5kgを背負って、直線一気で突き抜けたものだ。
ドモナラズ自身は、初勝利をダートで挙げたものの、500万クラス以上の勝利は芝で記録している。しかし、芝で勝ち鞍を重ねても、血統の先入観が邪魔をして、
「いや、そんなはずはない」と自己肯定をしようとしていた。
芝で勝ち鞍を挙げられたのには、何か理由があるはず。そう思って、
ドモナラズの戦績を振り返ってみると、1000万以上の3勝はすべて
10~11頭立ての少頭数競馬だった。
これを見て、我が意を得たり、との心境に達した。
OPクラスのレースでも、少頭数の時が狙い目だ、と思って、多頭数では見くびっていた。それが見事にひっくり返されたわけだ。
今回の七夕賞制覇は、開催最終週の荒れ馬場で、時計を要する形も良かったのだろうとは思う。
調べてみると、アフリート牡セン馬は芝重賞が今回が2勝目で、通算では[2.2.8.95]という成績になっている。勝ち鞍を挙げたのは、今回の
ドモナラズと
リキアイタイカン(01年CBC賞)で、②着の2回は
ケイアイフウジン(04年小倉2歳S)と
リキアイタイカン(02年スワンS)。
この4連対はすべて開催7~8日目で、いわゆる
最終週の平坦の芝重賞という共通点がある。
これを見ても、やはり今回は最終週での荒れ馬場が向いた面があると思うのだが…………いや、こういうことで納得しようとするから、
ドモナラズにハードパンチを喰らわされることになるのだろう。
ドモナラズは、
どもならずなのである。これは、もしかしたら、命名者である小田切さんからのメッセージでもあるのかもしれない。
どもならず、ですから、どうにかしようとしちゃいけませんよ、と。
今後、
ドモナラズの出走してくるレースでは、どう対処すればいいのだろうか。全戦買うか? いや、全戦消すか?
ちなみに、
ドモナラズは2戦続けての③着以内が一度もないと前述したが、②着に入った
アルコセニョーラも、古馬になってからは2戦続けての馬券圏内が一度もない。こちらも、全戦買うか? 全戦消すか?
同着の③着となった
サンライズベガは、馬券圏外→圏内となると、その後も③着以内を数戦続ける傾向が見られる。馬券を買う側がどうにかしようとするなら、こういったタイプの馬なのかもしれませんね。