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ケイティラブに近いのはメイショウカイドウ? アイルラヴァゲイン?
文/編集部

1番人気のメリッサの単勝が5.8倍で、11番人気のエーシンエフダンズ(17.3倍)までが単勝20倍未満で続くという、かなり混戦ムードが漂うオッズ。結果的にも、1番人気のメリッサがなんと最下位の敗戦となり、8→3→16番人気の順の①~③着で、3連単は84万馬券の波乱決着となった。

しかも、①着のケイティラブ、②着のジェイケイセラヴィはともに、昨年までのアイビスサマーダッシュで[0.0.0.20]と、③着すらなかった父ミスプロ系。そんなデータを前もって調べていた血統好きからすると、一見、波乱決着の印象をなおさら強く感じるような結果だった。

ただし、時計面などを見ると、波乱決着だからと言っても決して低レベルではなかったから、判断が難しい。勝ち時計53秒9は、コースレコードより0秒2遅いだけで、同レース史上で2位タイという速さになる。

しかも、ケイティラブ(54kg)は逃げ切りでの勝利だったが、過去に逃げ切った馬は、02年カルストンライトオ(56kg)、04年カルストンライトオ(56kg)、05年テイエムチュラサン(51kg)、06年サチノスイーティー(51kg)。

カッコ内は斤量だが、05年と06年は3歳牝馬が軽量の51kgを利して逃げ切ったような印象も強く、同じ逃げ切りでも、54kgのケイティラブをその2頭と同様に考えるのは違和感を覚える。どちらかと言えば、カルストンライトオ寄りといった印象の逃げ切りだろう。

カルストンライトオは、02年が53秒7、04年が53秒9での勝利。ケイティラブは時計的にもそれと遜色ないし、カルストンライトオほどではないにせよ、今回見せたスタート・ダッシュもなかなかのものだった。

とはいえ、カルストンライトオが04年のアイビスサマーダッシュを勝った後、スプリンターズSも制したことなどから、ケイティラブ「今後の芝短距離路線で主役の1頭になる!」といった論理を展開するのは、さすがに強引だろう。

なにせケイティラブは、今回が重賞初制覇。初の重賞挑戦でいきなりチャンスをものにした点は評価に値するが、芝成績[4.0.2.3]のうち、良績が現時点で[4.0.1.1]の新潟芝1000mに偏りすぎているのは、どうしても引っかかりを感じてしまう。

ケイティラブは今回の勝利内容などを見ても、「活躍の場は新潟芝1000mだけ」というタイプにも思えないのだが、だからと言って今後、どんな活躍をして、馬券的にはどういった時に買いなのかは、なかなかイメージするのが難しい。何か良いサンプル・ホースはいないものだろうか。

同じ父スキャンということで、思い出されるのはメイショウカイドウだろう。04~05年に小倉記念を連覇したのをはじめ、芝成績[10.5.4.14]のうち、小倉で[8.1.2.5]と抜群の成績を収めた馬だ。あるコースで成績の偏りが見られるという意味では、イメージ的に近い。

ただし、メイショウカイドウは中距離型だった。同じ短距離型で、血統的にもある程度近い面があるということでは、アイルラヴァゲインを挙げることができるかもしれない。

アイルラヴァゲインは父がミスプロ系のエルコンドルパサーで、母父はメドウレイク。ケイティラブの母父はムーンマッドネスで、一見、近くもなんともないが、メドウレイクもムーンマッドネスも血統をかなりさかのぼっていくと、プリンスローズに辿り着く。

もう少し近い血統の馬がいるといいのだが、90年以降に芝1600m以下の重賞を勝った父ミスプロ系の中で、母父がプリンスローズに辿り着く馬が他にはいなかったので、ご容赦いただきたい(笑)。

アイルラヴァゲインは、3歳時にNHKマイルCで③着などの好走はあったが、重賞初制覇は5歳3月のオーシャンSと比較的遅めだった。この点もなんとなくケイティラブに近いものを感じるし、5歳の夏にはアイビスサマーダッシュに出走して0秒2差の④着だった。ある程度、新潟芝1000mの適性も備えていたのだろう。

そして、5歳春にオーシャンSを制した後はしばらく連外が続いたが、6歳秋にOP特別の福島民友Cで復活の勝利を挙げて、さらに再びしばらく未勝利が続いた後、今度は8歳春に、ダートのOP特別の京葉Sで復活の勝利を挙げた。

こうして勝利例を挙げるとOP特別が多いが、5歳秋にはG1のスプリンターズでの③着といった成績もある。OP特別でもG1でも、芝でもダートでも、3歳でも8歳でも好走があり、「幅広い領域で、渋太く長い間の活躍」といった戦績イメージと言えるだろう。

ケイティラブは果たして、このアイルラヴァゲインに近いイメージのタイプになっていくのか。もしくは同じ父のメイショウカイドウのように、特定の得意分野で光り輝くような成績を残していくのか。まだ重賞キャリアが少ないだけに、こういう想像はしているだけでも楽しい。

また、近年は比較的、高齢馬の活躍が目立ち、今年6月にCBC賞を制したヘッドライナーなども6歳での重賞初制覇だった。ケイティラブ「6歳夏で重賞初挑戦にして重賞初制覇」という珍しいケースでもあり、こういった重賞勝ち馬がその後にどういう活躍を見せるのか、といった広い意味でも今後を楽しみにしたいと思う。