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菅原隆一騎手にジョッキーになるまでの苦労を聞きました
2010.9.2

先週に引き続き、北海道で2歳未勝利をドリームルパンが勝ち上がりまして、我が尾関厩舎が今季11勝目を挙げることができました。

ドリームルパンには北海道に行く前に美浦で何度か跨っていたのですが、早々と勝つことができて良かったです。

先週、今週と連勝することとなったわけですが、両方とも北海道組ということで、残された美浦組としても、頑張らなければなりません。

暑い日が相変わらず続き、一向に涼しくなる気配すら感じることができませんが、あと1週間でローカル開催も終わります。札幌以外は中山、阪神へと移り、いよいよ秋競馬モードに突入していきますので、改めて気合いを入れて頑張っていきたいと思います。

では、今週は、菅原隆一騎手との対談の2回目をお送りします。それではどうぞ。

西塚信人調教助手(以下、西)毎日暑くて調教に乗っただけでやせてしまいそうですが、菅原君とかは、もう体重がなくなってしまいそうですよね。49キロとかは乗れるの?

菅原隆一騎手(以下、菅) はい。この前、49キロに乗せていただく時に検量したら48.5キロでした。あと、500グラム落とせば48キロにも乗れます。

[西]500グラムくらいなら、すぐに落ちる感じですか?

[菅]1キロくらいまでなら大丈夫ですね。あと、500グラムくらいなら、服や鞍を調節することで対応できます。

[西]48.5キロというのは服とか着ていての状態ということですか?

[菅]日によって違いますが、あの日は服を着て46キロとちょっとでした。裸ですと、45キロとちょっとです。

[西]そうなんだ。お父さん(菅原隆明元騎手)が騎手だったということもあるし、体とかも大きくないから、そういう面では苦労はなかった?

[菅]いえ、我慢していました。生きていくために必要な最低限度のエネルギーだけを採るという感じで、食事をしていましたから。

[西]でも、両親から受け継ぐ遺伝子という部分もあったんじゃないかな。馬じゃないけれど、親の遺伝子という部分はあると思う。

[菅]ウチも両親は大きくはありませんからね。でも、普通に食べていたら、成長期には大きくなるらしいです。だから、僕は1日の食事は豆腐ひとつとかでした。

[西]えっ、本当に!?

[菅]はい。中学1~2年生の時にはよくやっていました。昼は給食ですので牛乳だけで、他のおかずとかは友達にあげてしまっていましたし、本当に食べないようにしていたのです。

[西]それって、もの凄い精神力だよ。

[菅]足のサイズが26センチなのですよね。だから、たぶん、普通に食べていたら、大きくなってしまっていたはずです。そういう可能性があることを言われたりしていたので、必死に節制していました。

[西]俺には絶対に無理だ(笑)。

[菅]ただ、よく思っていたのですが、豆腐ひとつ食べるなら、食べない方が良いです。

[西]なるほどね(笑)。

[菅]豆腐ひとつでも食べることで、余計に空腹を感じてしまったりするのですよね。ただ、1年間それだけということではありませんでした。何週間か続けて、体重とか様子を見て、増やしたりもしました。ただ、それでも1日で必要とされる消費カロリー以上を食べることは、ほとんどなかったです。

[西]競馬学校の基準は大丈夫だったんだろうけど、入学してからは苦労しなかったの?

[菅]入ってから、何回かギリギリということがありました。

[西]そうなんだ。

[菅]やはり初外出の時は食べたい衝動が抑えられなかったのです。


[西]そうだよな。

[菅]お菓子も食べたいですし、うどんとラーメンとか、とにかく食べたいと思いました(笑)。

[西]食べれば、やはり重くなるよな。

[菅]でも、体重のことよりも、食べたら苦しくなってしまって…。

[西]急に食べるとそうなるよね。でも、その後はまた禁欲の生活になるわけだよね。

[菅]その時に、食べたいモノを食べて体重が重くなってしまって減量するなら、食べない方が良いと思いました。

[西]それにしても、我慢できるから凄いよ。いまは、どんな感じで食べているの?

[菅]いまは2食です。朝3時に起きて、寮に戻るのが10時過ぎで、そこで食べますよね。あとは夜ですから、逆に楽です。

[西]僕は夜に飲むからあまり食べないけど、菅原君は飲めないから食べるわけだよね。

[菅]でも、僕はおつまみみたいな感じのモノが好きなんですよね。

[西]じゃあ、サラミとか買ってきて、ゲームをやるわけだ。

[菅]レバサシとか買ってきます(笑)。

[西]そりゃ酒飲みだよ(笑)。でも、(競馬)学校は厳しいと思った。俺たちは半年だし、制限とかがないし、牧場と比べたら楽で仕方がなかったけど、騎手は3年だしね。

[菅]さすがに、もう一度やれと言われても、無理です(笑)。

[西]騎手は「お菓子ルール」とかもあるからね。

[菅]僕らが1年生だった時には、「1週間で900カロリー」という決まりがありました。

[西]1週間分のお菓子として、900カロリー分は買ってきてもいいんだ。

[菅]でも、ポテトチップス3個で終わります(笑)。

[西]あっ、そうなんだ。じゃあ、カロリーの低いモノとかだったら、いっぱい食べられたりしないの?

[菅]いまはゼロカロリーの商品とかが流行っていますが、そういうタイプのモノは「何個まで」と制限されていました。

[西]敵もなかなかだね(笑)。


[菅]狙われていますからね(笑)。ゼロカロリーのコーラとかが出た時、10本くらいをまとめて買ってきました。そうしたら、「2本まで」と決められてしまったんです。

[西]ローカロリーでオススメのお菓子は、どのようなモノがありますか?

[菅]そうですね、寒天ゼリーとかを食べている人もいましたし、飲み物に入れると寒天になるというモノがあって、ジュースに入れている人もいました。でも、2年生になって制限がなくなったのですよ。

[西]あっ、そうなんだ。じゃあ、そこからはみんなバンバン食べていたんだ?

[菅]それが逆なんですよ。いくらでも食べて良いですよ、と言われると、逆に、誰も買って来なくなりました。

[西]ああ、そういうものなんだね。

[菅]好きなモノを目の前に山積みにされたら、やはり食べきれないでしょうね。いまでは笑えますが、あの当時はあの当時でやはり必死でした。

今週はここまでとさせていただきます。

今週は、複数の読者の方から裁決について取り上げてほしいというリクエストをいただきました。

個人的には、乗っている人にしか分からない感覚というものが絶対にあると思っています。例えば、画面で見ているとスペースがあるように感じても、実際はないというようなことが珍しくないはずで、見るのとやるのとでは大違いであると思っています。

ですから、僕たちが説明できない部分もあると思っていますので、今度、騎手たちとの対談でそういう部分の話も聞いてみましょう。その機会をお待ちください。

ということで、最後はいつもの通り『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。