今週は「進上金」について説明したいと思います
2010.9.23
西塚厩舎の生き残り組の1頭、フリーソウルが、月曜日(20日)に札幌6R(3歳500万円下、芝1200m)で勝ち、我が尾関厩舎の今年12勝目を挙げることができました。
間隔が開いていましたし、実績のない芝、そして前走で勝っていたのが地方交流レースだったこともあるのですが、単勝6690円の14番人気というのは、個人的にはあまりにも人気がなさ過ぎだと感じたのですよね。
実はフリーソウルの名付け親でありまして、嬉しさもひとしおなのですが、普段から調教を手伝ってくれているマユちゃん(黛騎手)で勝てたことが、またさらに嬉しかったわけです。
同じ1勝ですし、勝つことを目指しているわけなのですが、やはり人として、毎日一緒に仕事をしている騎手で勝ったらより嬉しいと感じるのは、自然なことだと僕は思うのですよ。
今週以降も、13勝目を目指して、頑張ります。
さて、今週は、先週にお話をさせていただいたように「進上金」というものについて、説明をさせていただきたいと思います。
現在JRAでは、原則として、G1から未勝利戦まで、1着から8着までに支給されるすべての賞金の80%を馬主の方々が受け取り、残り20%を調教師、騎手、そして厩務員に分配されることになっています。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、20%のうち調教師が10%、騎手と厩務員が5%ずつという比率になっています。
例えば1億円の賞金だったとすると、まずは8000万円が馬主さんへ。そして1000万円が調教師で、騎手と厩務員が500万円ずつということになります。
厩舎によっては、厩務員さんたちの5%の一部を厩舎全体で分配するシステム、いわゆる「プール制」を導入しているところもあります。基本的には、給与に加えて進上金を手にすることができるということです。
では、我々調教助手はどうなのかと言うと、関東では原則的に、給与に加えて約8万円の調教手当がプラスされます。
あとは、1走につき500円が支給されます。一般的に厩舎には3人の調教助手がいますので、1走毎に1厩舎に1500円が支払われるということです。ウチの厩舎では、年末にまとめて支払われるシステムになっています。
持ち乗り調教助手という制度がある関西に対して、関東の調教助手は担当馬を持つことが許されておらず、厩務員さんたちが手にすることができる進上金はないのですよ。調教手当がその代わりということなのかもしれません。
また、厩舎によっては、調教助手が歩合と言われるお金をいただけるところもあるのですが、これはあくまで調教師から個人的に支払われるもので、決まっているものではありません。
みなさんからいただくメールにも時々書かれていますし、結構たくさんのお金をもらっているような印象を持たれている方が多いと思いますが、ブッチャケさせていただくと、思われているほどもらってはいませんよ。
給与にしても、勤続年数を基準に金額が決められていて、若いうちは本当に安かったりします。僕で言えば、結婚して、子供が1人ということですが、お小遣いということで言えばサラリーマンの方々の平均と同じくらいですから。ちなみにそのお小遣いも、いまはバンドの練習代に消えてしまっています。
さらに、当たり前ですが朝は早く、週休1.5日で、日曜祭日は当然のこと、年末年始も連休があるわけではありません。有給休暇はありますけれど、いわゆる一般の方々のようにはいかないという部分がどうしてもあります。
誤解してほしくないのは、僕はそういう環境が嫌だとは思っていませんし、恵まれていると思っています。ただ、みなさんから届くメールや世間で言われるほど、楽で恵まれているというわけではないので、そのことだけは言わせていただきたいと思うのですよ。
次週からは、また対談に戻ります。次回のゲストは、伊藤工真騎手になります。楽しみにお待ちください。
あっ、あと、ノビーズの次回ライヴも決まりました。秋の天皇賞が行われる10月31日、東京・府中にあるライヴハウス『フライト』で行われるイベントに出演します。
チケットはノビーズのオフィシャル・ホームページ( http://www.uman-4u.com/Nobbys/ )で予約していただけますので、ぜひ足を運んでいただけますよう、よろしくお願いいたします。
ということで、最後はいつもの通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。