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ゲートは、手間暇がかかっていて、深い部分があるのですよ
2010.11.04

今週も先週に引き続き、ゲートについてお話をさせていただきます。

いまの時代、入厩してくる新馬たちのほとんどは、ゲートという存在を知っています。育成場において、程度の差こそあれ、練習をしてきているからなのですが、ブッチャけさせていただきますと、ゲートを知っているのと知らない馬とでは、どちらがやりやすいかと聞かれれば、後者です。

ゲートを分かり過ぎている馬たちの中には、ゲートだと構える馬もいますし、何よりゲートが苦しいという意識を持っている馬がいるのです。そうなると、入らないケースはもちろん、近づこうとしない馬もいるのですよ。

誤解していただきたくないのは、先週にお話をした手順をしっかりと踏んで、ゲートをしっかりとやってきている馬たちも多いのですよ。ただ、いろいろな都合もあって、中途半端にゲートをやってきている馬も現実としていますので、そういうケースはかなり大変だったりします。

少ない僕の経験でお話しするのも失礼かもしれませんが、ゲート再試験になるなど、後々に問題を抱えるようになる馬たちというのは、何かしらの兆しを見せているように思うのです。

中にはうるさいところがある馬とか、近寄らない馬などいろいろいますが、じゃあ時間をかけてじっくりやっていこうということになれば、先週にお話をしたように、肉体的な負担が大きくなってしまう面があります。ですから、この程度のうるささなら大丈夫、というように、どこかでOKのラインを引かなければならないのが現実でしょう。

寄らない馬というのは難しいというか、時間をかけなければならないと感じますね。そういう馬の多くは、ゲートだけではなく、ステッキの効きが悪いというか、理解していなかったりするのです。

どういうことかと言いますと、極端な言い方をすれば、人間と馬との間では、どんな苦しい状況においても、脚、またはステッキで人間が「行け」と指示したことに対して、行かなければならないのが決まりとなっているのです。たとえどんなにゲートが嫌だとしても、人間に行けと言われれば前へ出ていかなければならないものなのです。

あと、発進について言えば、ゲートの中では、停止した状態からダッシュするわけですので、角馬場などでゆっくりしたダグから発進ができない馬というのは、当然、ゲートから出ていくことはなかなか難しいですよね。

それと、後退ができない馬というのも、実は問題を抱える可能性があると思います。後退ができるということは、ハミ受けを理解しているということなのです。

逆に言えば、後退ができない馬というのはハミ受けを理解できていないことになります。あえて説明させていただきますと、ハミ受けというのは、手綱を通してハミに送られる人間の指示を理解するということです。

馬との関係というと、精神的な結び付きのようなものを想像する方もいらっしゃると思いますが、あくまでハミをはじめ、脚、あるいはステッキなどの道具によるシステマティックな約束事の上での関係なのです。

どんなに苦しくても、「前へ行け」と人間に指示されたならば、行かなければいけない、というのが人間と馬との関係なのです。

だからこそ、苦しさを見せた時に、何がそうさせているのか、肉体的な苦しさなのか、あるいはただのわがままなのか、ということを観察するのは非常に大切なことだと思っています。

大袈裟に言うつもりはないのですが、簡単に見えるゲートは、実はそこまでになるには手間暇がかかっていて、深い部分があるのですよ。

個人的には、尾関厩舎になって、ゲート試験を担当させていただくようになってからというもの、先週にお話しした段階を踏んで確実に進めていくことの大切さを感じています。

今週も長くなってしまいまして、どうもすみません。

最後に、先週のライヴに来ていただいた皆様、ありがとうございました。上の方(松岡騎手)は競馬が延期になったために参加できなかったのですが、僕たちとしては楽しい時間を過ごさせていただきまして、本当に感謝しております。

今回は他のバンドとの共演ということでしたが、11月22日(月)にはノビーズ単独のライヴを予定しています。後日、詳細をお知らせさせていただこうと思っていますので、またよろしくお願いいたします。今度は台風も来ないはずですので(苦笑)。

ということで、最後はいつも通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。