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今週からは飼い葉についてディープな対談を行います!
2010.11.11

先週の土曜日、東京1レース(2歳未勝利戦)でフラワーロックが勝ちまして、我が尾関厩舎が今年14勝目を挙げることができました。

状態が良かっただけに、良いレースはしてくれるだろうとは思っていたのですが、まさかあそこまで強い競馬で勝つとは、正直思わなかったのです。

いやぁ、勝つことを目指して毎日頑張っているので、勝てたことは何より。今年もあと2ヶ月を切りましたが、最後まで頑張り通します。

さて、今週からは、JRAファシリテーズの佐久間洋也さんをお迎えしての対談が始まります。

普段から飼い葉を担当するフィードマンとして、佐久間さんには相談に乗っていただいたり、また、注文をさせていただいたりしていて、お世話になっているのです。

伊藤工真騎手の対談からの振れ幅が大きいと感じられるかもしれませんが、そこはこの対談の良いところということで。飼い葉について解説した以前の回と合わせてお読みいただければと思います。それではどうぞ。

西塚信人調教助手(以下、西)今回は、JRAファシリテーズの佐久間洋也さんをお迎えして、「飼い葉」を中心にして話を伺いたいと思います。今日はよろしくお願いいたします。

佐久間洋也氏(以下、佐)よろしくお願いいたします。


[西]以前、飼い葉については触り程度を読者のみなさんに説明したことがあるのですが、今回は対談を行いたいということで、牧場時代から僕を知っている佐久間さんにご登場をお願いしました。さっそくですが、いま美浦では飼料会社がいくつありましたか。

[佐]うちを含めて6社ですね。

[西]飼料そのものは、輸入品が増えていると聞いていますが、実際はどうなのでしょうか。

[佐]ほとんどが輸入に頼っているというのが現実です。

[西]燕麦(えんばく)などはどのように輸入されているのでしょうか。

[佐]ウチの場合には、加工施設がありまして、コンテナに20トンの燕麦がバラの状態で入っているものを、ダンプでサイロに入れて貯蔵しています。そこで圧ペンをしたりしています。

[西]読者のみなさんには、以前に飼い葉を説明した時に掲載した写真をご覧いただきたいのですが、燕麦には圧ペンとそうではないモノがありますよね。圧ペンは、まずは、消化率を良くするためですよね。

[佐]あとは、量増しということもありますよね。

[西]それらの目的のために、丸い燕麦を潰すわけですよね。

[佐]ウチでは、一度加熱して、お米を蒸したような状態にしてから圧ペンしているのですよね。

[西]どのような効果を狙ってですか。

[佐]生のお米を食べるよりも、でんぷんをアルファー化させるというのですが、熱を加えて、糊状というか、柔らかくすることによって、炭水化物をより吸収しやすくする、ということです。あと、圧ペンした時に、硬いままだと粉々になってしまう部分が出てしまい、ロスが生まれてしまいます。燕麦の表皮の部分であっても、大切な繊維質を含んでいますので粉で出てしまうとロスになってしまいますので、それを防ぐ目的もあって、加熱してから圧ペンしています。


[西]なるほど。他社でも、同じように独自に燕麦を輸入して、手を加えて販売しているのですか?

[佐]その作業を行っているのは、うちともう1社だけですね。

[西]燕麦というのは、農協で普通に購入できるとも聞いたことがありますが…。

[佐]購入することはできますよ。

[西]農協で購入した方が格段に安いという話も聞いたのですよね。

[佐]安いものもあるでしょう。というのは、比重が軽い、つまりは中身が薄いものもありますからね。ウチの製品については、西塚さんは毎日見て、触っていただいているので、分かっていただけるのではないですか。

[西]はい。ホコリはないですし、異物もないですし、身も詰まっていて、良い品物です。

[佐]飼い葉に関しては、以前に西塚さんがこのコーナーで話をされていた時に読ませていただきましたが、しっかりとした説明で、十分でしょう。

[西]ありがとうございます。読者のみなさんには、あの回と合わせて読んでいただきたいですね。燕麦以外では、配合飼料もありますよね。

[佐]牧草などの粗飼料もありますね。

[西]あっ、そういう説明の仕方がありましたね。エサには、大きくわけて粗飼料と濃厚飼料というふたつがありますよね。


[佐]燕麦などは濃厚飼料にあたるのですが、その字の通り、濃くて、1キロあたりのエネルギーが高くて、どちらかというとご飯などにあたるものです。それに対して、粗飼料というのは、元々、馬が食してきたものというのでしょうか、自然の環境の中で生きていくなかで食するものにあたります。野生の馬は、草だけ食べていれば十分生活できるのでしょうが、競走馬の場合は維持エネルギーだけではなく、代謝が大きいので、濃厚飼料で補充する必要があるということなのです。

[西]燕麦や配合飼料、あるいは草類を混ぜて、さらにはサプリメント的なミネラルが入ったペレットなども加えて与えているのですよね。ニンジンはいまも与えていますが、大根などは、他の厩舎ではどうなのですか?

[佐]大根は少なくなってきていますね。おそらく、大根に含まれているアミラーゼなどの酵素などが消化に有効ということで用いられてきたのでしょうが、いまは少なくなってきています。

[西]実際に飼い葉を管理している者としては、どうしても生ものが入ってくると、臭いを含めて管理という部分が気になる面もあります。そういう部分も含めて、水分を入れなくなってきているんじゃないでしょうか。乾飼い葉の方が多くなってきていませんか。

[佐]多くなってきていますね。

[西]昔の飼い葉というのは、どうだったのですか?

[佐]私が入社した25年前から15年前くらいまでは、燕麦、切り草、ふすま、塩、ニンジンという感じでした。

[西]そこに大豆粕が入るくらいですか。

[佐]関東ではあまり大豆粕というのは使われていませんでした。

[西]そうですか。そこに「エースレーション」という存在が出てきたのですか。

[佐]日本においては、配合飼料の先駆け的な存在ですね。

[西]ひまわりの種が入っていてみたりする、いわゆる配合飼料は、やはり外国から入ってきたのですよね。

[佐]画期的ということで言えば、いまでも販売されていて、根強く人気のある「グランプリ」という商品でしょう。「スイートフィード」と言われるもので、糖蜜が混ざっていて、嗜好性が高いと言われている商品なのですが、最初は驚きましたし、凄いと思いました。

[西]藤沢厩舎が使っていると評判になった「マイタバイト」が出てきたのも、その頃でしたよね。

[佐]「マイタバイト」はもう少し後だったと記憶しております。

[西]でも、凄く人気があった時期がありましたよね。

[佐]ありました。15年から10年前くらいに、オーストラリアから輸入されて、売り上げが伸びました。

[西]他にもいろいろあって、世界中で発売されていますよね。オーストラリアは「マイタバイト」と「ハイゲイン」、アイルランドが「レッドミルズ」という感じだと思うのですが、アメリカの製品というのはあるのですか?

[佐]アメリカの商品もありますよ。「ホルウェイズ」という商品の「レース13」というものがあって、アメリカのナンバーワンブランドなのですが、美浦でも栗東でもいまひとつ人気とは言い難いです。

[西]なるほど。あっ、よく「13」とか「20」とか名前についていますよね。あれはタンパク質ですよね。

[佐]多くはタンパク質の含有量ですね。「13」なら13%、「20」なら20%ということになる製品が多いです。

[西]ひとつのブランドでも、いくつかのパーセンテージに分かれていたりしますよね。

[佐]いままでの考え方ですと、例えばケガをしていて舎飼なら1升だけで草を与えようということになるのですが、それだとお腹が満たされず、逆にイライラしてしまう馬もいます。そこでカロリーを低くして、2升と草を与える、というようなコンセプトの製品なのです。

[西]コズミやすい馬やスクミやすい馬もいますので、あくまで馬によりますが、攻めに行くにしたがってタンパク質もより必要になっていきますからね。でも、燕麦を食べさせるという意識は日本人には強いようです。あれは、米を主食とする文化だからではないかと思うのですよね。

[佐]おっしゃる通りだと思います。燕麦についての意識は、人間で言うお米という感覚からくるものでしょう。それに対して、配合飼料はおかずというイメージですかね。

今週はここまでとさせていただきます。

ノビーズのライヴの案内を『サラブレモバイル』のニュース欄にも掲載していただいていますが(11月22日に行います)、実はブッチャけさせていただきますと、チケットがあまり売れていません(苦笑)。定員に対して1/3程度ということなのです。

今回は、祝日の前日の夜ですので(僕らは次の日は仕事ですが)、どうか皆さん、足を運んでいただきたいとお願いをさせていただきます。

ライヴをやらない方が良いという話にもなりかねませんし、今回のようにキチンとしたライヴハウスでライヴをやるということは、もうないかもしれません。

もっと言えば、まだそういう話は出ていませんが、これが解散ライヴになってしまう可能性だってないわけではないのです。

今回もみなさんのために、素敵な企画を用意しております。名前は言えませんが、超大物ゲストが登場します。

「またぁ、大物と言って田辺とかじゃねぇのか」という声が聞こえてきそうですが、違うことをお約束しますよ。

もっと言えば、ムラーモこと村田さんや勝浦さんでもありません。もちろん、銀シャリ(伊藤工騎手)でもないですからね。みなさんが聞いたら、「えっ、マジ!?」と驚くことは間違いありません。

だから、お願いですから、来てください。本当にお願いいたします。できることは頑張ってやりますので、よろしくお願いいたします。

ということで、最後はいつもの通り『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞよろしくお願いいたします』。