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ダートでも時計が速くなると、芝の持ち時計も重要になるのか?
文/編集部

カペラSの過去2回の勝ち時計は、08年が1分8秒7(レコード、勝ち馬ビクトリーテツニー)、09年が1分9秒6(勝ち馬ミリオンディスク)で、今年は1分9秒7(勝ち馬セイクリムズン)だった。

これだけを見ると、今年は時計が遅いように感じるかもしれないが、過去2回は重馬場だった。今年は良馬場でこの時計が出ているのだから、馬場コンディションを考えれば、かなり速い

86年以降、良馬場の中山ダ1200mで勝ち時計が1分9秒台になったことは4度あり、そのうち3回が1分9秒9。もっとも速いのが01年ガーネットS(勝ち馬ビーマイナカヤマ)での1分9秒5で、今年のカペラSはこれに次ぐタイムということになる。

時計の速い決着になった要因は、やはりハイペースにあるだろう。ジーエスライカーヘッドライナーによって引っ張られ、前半3Fは33秒0を記録した

前日(11日)のラピスラズリS(OP、中山芝1200m)で逃げ切り勝ちを決めたジョーカプチーノでさえも前半3Fは33秒2だったので、それをも上回っていたことになる。

これだけペースが速ければ、後方差しの脚質の馬、今回で言えばシルクフォーチュンに絶好の流れだったように思えたが、同馬は外を回る形で④着までだった。

おそらくレースを観ていた人は「弾けなかったなあ」と思ったことだろう。ただ、走破時計は1分10秒0で、これは2走前(中山オータムプレミアム①着、中山ダ1200m、良)での1分10秒4より速い。ダ1200mでの自己ベストで走ったことになる。

準OPでは楽に差し切れても、OPや重賞になると、もっと速い時計で前で踏ん張る馬が出てくる。これが「重賞の壁」ということか…。

優勝したセイクリムズンは、2走前の室町S(OP、京都ダ1200m、③着)の時に記録した1分10秒5がダ1200mのベストだったので、これを0秒8も更新した

ただ、1200mということなら1分9秒4という持ち時計があった。デビュー直後は芝の1200mを走っていて、秋の京都芝1200mの未勝利戦で、その時計で0秒1差の②着になったことがあるのだ。

ダートは、もちろん全然違うわけだから、関係ない話かもしれない。

でも、今回の出走馬16頭の中で、芝1200m1分8~9秒台を出したことがある馬は6頭いて、そのうち3頭が上位入線を果たしている(①着セイクリムズン、③着エノク、④着シルクフォーチュン)。これだけ時計が速くなると、芝の持ち時計もあながち無関係でもないのかもしれない

セイクリムズンが芝でデビューをしたことについては、その血統を考えると、頷ける思いがする。

父のエイシンサンディは、初年度産駒からミツアキサイレンスというダートの大物を輩出したが、中央競馬では芝の活躍馬が多く、牝駒ではエイシンテンダーチューリップ賞を勝ち、牡駒からはベンチャーナイントップオブピーコイなど芝のOP特別を制する馬が出ている。

中央のダートでは、1000万クラス以上で7勝をマークしているが、そのうち5勝はセイクリムズンによるもの。セイクリムズンは、これまでのエイシンサンディ産駒とは、タイプが異なると言ってもいいのではないか。

同父の大先輩で、同じダートの猛者であるミツアキサイレンスセイクリムズンの血統を見比べると、面白いことにどちらも母系にリボーの血を持っている。

ミツアキサイレンス母母父がラディガ(その祖父がリボー)で、セイクリムズン母父の母父がリボー

リボーの血はG1で要注目と言われるように、大舞台、すなわちG1のような厳しいレースで底力を発揮することが多い。今回のカペラSも、G1並みの厳しい展開となり、リボーの血が騒いだ面があったのではないか。

ちなみに、01年のガーネットS(良馬場の中山ダ1200mで1分9秒5という時計になったレース)で優勝したビーマイナカヤマは、母母母父がリボーだった。

同レースで②着になったブロードアピール父母父がリボー系で、③着のサウスヴィグラス父系にリボーの血を持っていた。

今回のカペラSで僅差の②着となったティアップワイルドは、父母父がリボー系で、母父の母父もリボー系リボー祭りだったんですね。

同じリボー内包馬でも、マルカベンチャー(母父がリボー系)やスーニ(母父がリボー系)、ジーエスライカー(母父と母母母父がリボー系)を買っていて、ティアップワイルドが抜けているとは……なんとも切なくて言葉がありません(笑)。