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ついに京成杯から皐月賞馬が?と思える勝ちっぷりだった
文/編集部

昨年、このレースを勝ったエイシンフラッシュダービーを制した。グレード制導入後にこのレースの勝ち馬がクラシックを勝つのは初めてのことで、その前となると81年テンモン(オークス)まで遡る。実に30年近く、このレースからクラシック勝ち馬が出ていなかったのだ。

そのようなイメージもあってか、「クラシックに直結しない」などと言われていた京成杯は、99年に距離が2000mに延長されてから様相が変わりつつある。99年以降の勝ち馬の中からは、昨年のエイシンフラッシュをはじめ、サンツェッペリン(07年皐月賞②着)、アドマイヤジャパン(05年菊花賞②着)、オースミブライト(99年皐月賞②着)と、4頭のクラシック連対馬が出ているのだ。

02年は東京開催だったので、中山芝2000mでの勝ち馬延べ11頭からクラシック連対馬が4頭というのは、率としては悪くないだろう。それは、同じ関東開催の重賞で、近10年でクラシック連対馬ジャングルポケット1頭の共同通信杯と比べても分かる。

では、今年の勝ち馬フェイトフルウォーは、そんな先輩たちの系譜に続けるのだろうか。結論から言うと、十分面白い存在だと思える今日の勝ちっぷりだった。ダービーはもちろんだが、特に皐月賞で。断言してしまってもよろしいでしょうか(笑)。

皐月賞と同じ条件で11回も行われていながら、この京成杯の勝ち馬から皐月賞馬はまだ出ていない。それでもそう思える理由は、今回の勝ち方が近年の皐月賞で求められる傾向とよく似ていたからだ。

まずはレースぶり。中団より後ろから差して③着だった近2戦とは違って、1枠2番の好枠を活かして内を通り、コーナーワークで好位置をキープ。そのままインでジッとして、直線で1頭分だけ外に出して逃げ馬を交わして押し切った。よく言われる「中山小回りの皐月賞向きの器用さ」は、十分証明できたのではないか。

血統もそれを後押しする。父ステイゴールド、母父メジロマックイーンの組み合わせは、09年のグランプリ2勝馬ドリームジャーニーと同じ。母父は違うが、昨年の宝塚記念勝ち馬ナカヤマフェスタもステイゴールド産駒。この2頭の共通点は、内回りの芝コースでG1を勝っていること。もちろん皐月賞も同じ内回りである。

次は時計面。勝ち時計の2分0秒9は、99年以降にこのコースで行われた中で、04年の1分59秒2に次ぐ歴代2位の好タイム。良馬場だと少なくとも1分59秒台が求められる皐月賞と比べるとまだまだだが、良馬場とはいえ、朝から雪が降って若干湿っていたはずの馬場としては、なかなかの好タイムだったと言える。

さらにラップタイムを見ると、3ハロン目以降は11秒9~12秒4のタイムがゴールまで続いている。近年の皐月賞は、このような平均的な脚を求められる展開になることも多く、その点でも期待できるのではないか。

フェイトフルウォーの今回の上がり3ハロンは36秒3で、この馬自身の最速は東京スポーツ杯2歳S(③着)で記録した34秒0。上がり勝負となった時にどうかは未知数だが、近5年の皐月賞勝ち馬でもっとも速い上がり3ハロンは、09年アンライバルドの34秒6だった。これならば、十分太刀打ちできるだろう。

以上が、今年の皐月賞が近年の傾向通りとなったならば、この京成杯と同じようにフェイトフルウォーがスルスル抜け出す場面の再現もあるのではないか……と思えた理由。傾向はあくまで傾向で、その通りにいかないことも多々あるが、さて、本番はどうなるでしょうか。

また、②着デボネアは前走未勝利勝ちからの参戦で、いきなり重賞で連対。ローカルの小倉とはいえ、前走のレコード勝ちは伊達ではなかった、ということだろう。

この馬は、説明不要の世界的大馬主であるモハメド殿下の持ち馬。日本参戦2世代目となる今年の3歳世代が、ついにクラシックに参戦することになるだろうか。まだ賞金面で心許ないが、次走以降でクラシックの権利を確定させたいところだろう。

出走16頭中13頭が父サンデー系だったこのレースは、やはり父サンデー系の馬がワンツーで賞金を加算した。今年のクラシック戦線は、このまま父サンデー系の寡占状態で進んでいくのだろうか。他系統の反撃を含め、今後が注目される。