このレースはハンデ戦ではなく、「絞りやすいレース」だった!?
文/編集部(T)、写真/森鷹史
いきなり個人的な話で恐縮だが、最近、サラブレ本誌とモバイルの両方で、今月24日から発売される
WIN5(5重勝馬券)に関する記事を多く担当していて、馬券を検討する時に
「このレースは(勝ち馬を)絞りやすいかどうか」をまず考えるようになっている。
モバイルで連載中の『WIN5攻略法』をご覧の方はご存じと思うが、
選択頭数を絞りやすいレースの条件として、
①少頭数、
②古馬戦、
③ダート、
④ハンデ戦以外、を挙げている。
今回の
マーチSは、
『16頭立て、4歳以上、阪神ダート1800m、ハンデ』で、
②③の条件には合うが、
①④の条件には合わない。そこで自分は、
「3つ条件が合えば絞っても良さそうだが、2つしか合っておらず、絞るのはリスクが少し大きい」と判断した。
そしてレースの結果は、
単勝7番人気でハンデ58kgを背負った
テスタマッタが快勝し、牝馬ながらハンデ55kgだった
9番人気の
ブラボーデイジーが②着、
6番人気でハンデ57.5kgの
インバルコが③着に入り、
上位人気馬は総崩れとなった。
人気サイドが馬券圏内に来なかった事実だけを見ると、前述の考え方は間違っていなかったと思うのだが、もう一度レース結果を見直してみると、
反省するべきところもあったことに気づいた。
レース前は、自分はこのレースを
普通のハンデ戦だと考えていた。しかし、このレースで
斤量56kg以上の馬は13頭もいた。牝馬に2kgを足して考えれば、
重ハンデと言える馬は、出走馬
16頭のうち14頭を占めていたことになる。
軽ハンデ馬と言えた53kgの
ハギノリベラや54kgの
アドマイヤシャトルを有力と考えれば話は変わってくる。しかし、そうでないのなら、1番人気でOP勝ちのない
タガノジンガロが
56kg、トップハンデで昨年の
南部杯(Jpn1)勝ち馬の
オーロマイスターは
58.5kgで、牝馬で
56.5kgを背負う
ラヴェリータは重賞6勝馬。実績を考えると、
2.5kgの差なら別定戦の斤量とほとんど変わらない。となると、
ハンデ戦だと考えること自体に疑問符がつくのではないか、と思ったのだ。
それぞれの馬の調子、得意とする条件、斤量などに大きな差がないとすると、人気を形成するのは、主に
実績と
近走成績だろう。そこでこのレースのメンバーをもう一度見直してみると、過去にG2(Jpn2)以上を勝っており(=
実績)、今年に入って馬券に絡んでいた(=
近走成績)馬は、
①着の
テスタマッタ、
②着の
ブラボーデイジー、
⑭着の
ラヴェリータしかいなかった。
要するにこのレースは、近走成績が良くて実績もある馬が、ある意味
“順当に来た”レースだった。もちろんこれは結果論ではあるけれど、このレースは見方を変えれば
「絞りやすいレースだった」と言えたような気がするのだ。
『WIN5攻略法』では、どうやって選択頭数を絞るかを中心に考えており、先述のような4つの条件を挙げて、
「難しいレースは手広く」というスタンスをとっている。しかし、このレースは、
「ハンデ戦=難しい」という先入観を捨てる必要も時にはある、という教訓を与えてくれた。そんな気がする。
もちろん、
単勝7番人気の馬を頭で信頼できるかと言われると……少なくとも自分は難しい…。こういう馬券を思い切りよく買える人が、WIN5で好配当をゲットできるのだろう。
勝ち馬の
テスタマッタに話を移すと、スタート直後は後方にいたが、向正面で一気にポジションを上げて、4コーナーを回る時点で前を射程圏にとらえ、直線で外から突き抜けた。上がりもメンバー中1位の
35秒6で、
文句のつけようのない勝ちっぷりだった。
昨秋は
左回りの
日本テレビ盃と
南部杯で④⑥着と結果が出なかったが、
ダートで右回りは[3.0.1.0]。交流重賞が開催される地方競馬は左回りの競馬場が多いが、大目標になるであろう
帝王賞は右回りの大井で、Jpn1勝ちを決めた
ジャパンダートダービーと同じコースになる。それを考えると、かなり期待が持てるのではないだろうか。