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トラックマンの取材と予想の大変さを黒津さんに伺いました
2011.7.7

現在、函館開催が行われていて、尾関厩舎も4頭が遠征しているため、美浦では16頭に対して調教助手2人という状況になっています。

調教厩務員や騎手の方々も騎乗して、3組に分けて調教が行われているのですが、競馬がある土日は本当に猫の手も借りたいくらい壮絶です。

騎手の方々の多くは競馬でいませんし、競馬に出走する馬たちがいると、厩務員さんたちがいなくなるので、仕事が増えることになります。

時間をかければ終わりますので問題はないのですが、集団で調教をしたいということからすると、不自由さを感じることは否めません。

しかも、暑さが続いているということで、本当に良い汗をかかせてもらってます。

土日の状況から思う厩舎の人員などについては、また機会を改めてお話しさせていただきたいと思います。

今週は、『日刊競馬』の黒津紳一記者との対談の2回目になります。それではどうぞ。

西塚信人調教助手(以下、西)専門紙の記者の方々による各厩舎への取材があって、だからこそ、我々厩舎側によって大切な「想定」が存在するわけですよね。いまの時代、想定がなかったら何もできないに等しいです。

黒津紳一氏(以下、黒)いまはそういう時代ですね。

[西]読者の方々にもう一度説明させていただきますと、「想定」とは、その週末の競馬で予想されるメンバー表のことです。どの馬が、どのレースに、どの騎手で出走する予定かということが、だいたい分かるのですが、昔のように抽選ではなく、いまは着順や間隔で出走が決まってくるので、想定がより重要になってくるのです。想定は、各社、それぞれに出していますが、独自に作成しているのですか?

[黒]各社で出していますが、ひとりでは聞き切れませんので、コメントと同じように、想定についても協力しています。6時調教開始なら、調教が終わった9時30分に南スタンドの3階に集合して、一旦想定をまとめます。いまでは死語と言われてしまうかもしれませんが、僕で言えば昔でいう府中系の調教師さんたちの担当が多いので、中山系の担当とだいたいのところで合わせるのです。

[西]そうやって、作られているのですね。

[黒]地方競馬のように、最初から決められるシステムもありなんじゃないかと、個人的には思います。ただ、想定も含めて取材していくことで、顔を覚えてもらって、声をかけてもらえるようになって、そうやってつながりができていく面もあるわけですよ。


[西]黒津さんくらいになると、たくさんの人たちから声をかけられていますよね。

[黒]正直、みなさんに声をかけてもらえるというのは、トラックマン冥利に尽きますよね。自分なりにしっかりと取材してきたつもりですし、たとえ担当ではなくても、そういう接し方をしてきたつもりなのです。

[西]僕も取材されたことがありましたよ。


[黒]えっ!? ないでしょう。

[西]「どう?」って聞かれたことがあります(笑)。

[黒]それくらいはあるでしょう(笑)。

[西]でも、ギブアンドテイクという部分も少なくないでしょうからね。

[黒]そのあたりはどうでしょうかね。ただ、調教師からの依頼は、このレースで誰が空いているのか、あるいはアイツはここで何か騎乗馬がいるのか調べてほしい、というようなものがほとんどです。

[西]読者の方に分かりやすく説明すると、例えば、いまリーディングの上位を走る関西の川須騎手が関東圏の競馬で騎乗するとします。調教師が彼を乗せたいと思った時に、ここで空いているのか調べて、騎乗依頼をかけるということですよね。

[黒]簡単に言うとそうですね。

[西]ただ、出走予定馬を聞いて、コメントを聞いて、原稿を書いている、というだけではないですよね?

[黒]それを受けるので、ちゃんと情報をいただきますよ、ということになるわけですよ。

[西]頼む方からすれば、それは黒津さんの人柄にもよると思いますよ。

[黒]でも、正直に言うと、面倒なことを頼まれるケースも少なくないんですよね(苦笑)。

[西]そうでしょうね。でもそれは、黒津さんに言えば、何とかなると思われているからじゃないですかね。

[黒]それでも限界はあります(笑)。

[西]そうですよね(笑)。黒津さんは予想をしていて、いちばん大変なことって何ですか?

[黒]取材のところでもお話をしましたが、時間がないことですね。(予想をするのが)凄く速い方もいますが、どうしても時間が足りなくなってしまうんです。いまは木曜日の16時に出馬が出てすぐに予想ができれば良いのですが、調教時間が早い時間になると、原稿を書いて、送ったら、1時間でも寝たいのが本音。ただ、そこで電話が鳴るわけですよ。『除外になりそうだから、違うレースに行くことにするけど、ジョッキーは誰が空いているか調べてくれ』という連絡がくるんです。そういう意味では、「6時攻め馬」がいちばんつらいかな。

[西]6時ですか。

[黒]コメントを打ち終わるのが、だいたい午後1時。そこから少し寝ようと思うわけですよ。まあ、ほうっておいても寝てしまうのですが、その合間にも電話が掛かってくるので、結局は起きちゃっているわけです。そうしているうちに、出馬が出て、一方で除外になった馬の予定について『ここは誰が空いているか調べてほしい』ということになり、結局、予想が始められるのが7時くらいになるのです。

[西]そんなに遅くなるんだぁ。

[黒]真面目な話をさせていただきますと、いまのトラックマンとして自分を築いてくれたのは裏開催、いわゆる3場開催への出張なのですよ。入社1年目の秋からG1レースの時期になると、秋の福島、春の新潟に出張していたので。そこで取材していくなかで、いろいろな人たちと知り合いになりましたからね。関西で調教師さんになった人たちもいますし、いろいろな方々と、いまでもやり取りをさせてもらえているのです。そこで、裏開催というのは下級条件が多いわけですが、特に秋の福島は大好きなのです。極論を言えば、昔は未勝利しかやっていない感覚ですよ。

[西]まあ、いまでも500万に未勝利馬が多く出ていたりしますからね。

[黒]だから、どうしても未勝利を予想するのが好きなんですよ。1レースに1時間くらいかかってしまいます。

[西]えっ!? そんなにかかるんですか。

[黒]本当はそこまでかけてはいけないのですよ。だって12レースあれば、単純に言えば12時間もかかってしまうわけですから。

[西]そうですよね。1日が終わっちゃうじゃないですか。

[黒]仰る通り。だから、時間をかけたいから好きなことから先にやるので、後半にしわ寄せがいくことになってしまうのです。まあ、仕事が遅いということなのですが、どうしても時間は足りないですよね。

[西]未勝利が単純に好きなのですか?

[黒]ある意味簡単で、ある意味難しいのですが、極端な言い方をするとスタートした瞬間に半分程度はスタートしていないのです。

[西]言っている意味はわかります。

[黒]その半分を省くわけですよ。それまでの競馬を見ていますので、あの時はこうだったというように記憶を呼び起こしながら、映像でも確認したりして、様々な要素を考えていると、1時間くらいはすぐに経ってしまいます。

[西]そうなんだぁ。

[黒]でも、時間をかけることは惜しくないです。あとで必ず跳ね返ってきますからね。

今週はここまでとさせていただきます。

我々は馬券を購入することはできませんが、個人的に毎週楽しみにしているのがWIN5の配当なのですよね。

先々週に、ついに2億円の配当が出て、キャリーオーバーも発生したということで、先週はどのような配当になるのかと思っていたのですが、WIN5では最低配当になり、少しガッカリしました。キャリーオーバーの時こそ、高配当になることを想像していたものですから。

今週で中山の開催が終了しますが、中山だからなのか、あっという間の1ヵ月に感じました。来週からは新潟です。新潟というと夏本番と感じるのは僕だけでしょうか? 夏競馬でも、ぜひWIN5で楽しんでください。個人的には、WIN5はかなり気になっています(笑)。

先週は、掲示板にこそ載りましたが、勝つことができませんでした。田辺の勝ち星は止まることなく、勢いそのままに好調をキープしています。このまま突っ走ってもらいたいですね。

こちらも負けないように、いや、一緒に勢いに乗って、後半戦に向けて、我が尾関厩舎の勝ち星をペースアップしていけるように、頑張っていきます。

ということで、最後はいつも通り『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。