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軍配は「牝馬」に上がったが「外枠」も意地を見せた
文/編集部(W)、写真/稲葉訓也

このアイビスサマーダッシュが新設されたのは01年。記憶が確かなら、自分が『サラブレ』で働き始めたのがちょうど同じ01年からで、夏の名物重賞としてすっかり定着した感のあるこのレースに親近感を持ちつつ、10年という歳月も過ぎてしまえばあっという間だなと感慨深くもあり。

ドラマ『プロポーズ大作戦』のように、過去にタイムスリップしてやり直しができるなら、いろいろとトライしてみたい過去のくだりもあるが、それを大っぴらに言うと心に鬼が棲んでいらっしゃる奥さんに怒られそうなので、とりあえず、「できた奥さんとかわいい娘に囲まれて幸せです」(オフィシャルコメント)ということで(笑)。

そんなことより、アイビスサマーダッシュ10年史を振り返ってみると、「牝馬」「外枠」重要なキーワードとして浮上してくる。

過去10年では、「牝馬」8勝していて、牡・セン馬の勝ち馬はカルストンライトオ(02・04年で勝利)だけ。カルストンライトオの02年の勝ち時計53秒7はいまもレコードとして残るもので、新潟芝直線1000mのスペシャリストぶりは年を重ねるごとに光り輝いてくる。

一方、過去10年の枠順成績を見ると、勝ち馬10頭中5頭は7~8枠から出ていて、連対圏で見ると10年中9年で6~8枠が絡んでいたアイビスサマーダッシュに限ったことではないだろうが、「外枠」が優勢であることは確かだろう。

ところが、今年はバイラオーラ(1枠1番)、エーシンヴァーゴウ(2枠3番)、アイアムマリリン(2枠4番)、サアドウゾ(3枠5番)、マヤノロシュニ(4枠8番)、セブンシークィーン(5枠9番)と牝馬が6頭出走していたが、6頭とも1~5枠

牝馬が6~8枠に1頭もなしという状況は過去10年で一度もなく、レース検討する上で、今年は重要なキーワードの「牝馬」と「外枠」のうち、どちらを選択するかを迫られているような心境だった。

レースはというと、1番人気に推されたエーシンヴァーゴウが、外ラチ沿いで横並びとなっていた外枠各馬を交わして押し切り勝ち。先行集団の馬群から抜け出してきたエーブダッチマンに接近されたところから、もうひと伸びしたあたり、実力、コース適性が一枚上という内容だった。

しかも、アイビスサマーダッシュ『メインレースの考え方』でも記した通り、過去10年、馬番1~4番は[1.0.5.34]と苦戦傾向にあり、連対馬は01年メジロダーリングだけだった。

馬番1~4番という有利とは言えない枠順をこなして勝利した点で、エーシンヴァーゴウメジロダーリングと肩を並べたと言える。メジロダーリングと言えば、そのアイビスサマーダッシュの次走・スプリンターズSでクビ差の②着に好走していた優秀なスプリンターである。

だが、エーシンヴァーゴウメジロダーリングのさらに上をいく。走破時計53秒8は、前記したカルストンライトオのレコードに0秒1差まで迫るもので、牝馬の中ではメジロダーリング(01年①着)、ケイティラブ(10年①着)の53秒9を抜いて最速となる。

枠順データの逆風を跳ね返し、牝馬最速となる好時計で駆け抜けたエーシンヴァーゴウの勝利は非の打ち所がない。全6勝はすべて平坦コースの芝で挙げているので、今後の課題は「坂の克服」となりそうだが、実績面でもメジロダーリングを超えるくらいの優秀なスプリンターに育ってほしいものだ。

というわけで、「牝馬」「外枠」のどちらに軍配が上がったかと言えば、エーシンヴァーゴウが勝利したことで「牝馬」だろう。ただ、②~⑤着はエーブダッチマン(6枠12番)、アポロフェニックス(7枠13番)、シャウトライン(7枠14番)、ジェイケイセラヴィ(8枠16番)と6~8枠が占め、「外枠」意地を見せた。

結局、「牝馬」から入っても「外枠」から入っても、的中に辿り着くことは可能で、どちらを選択しても間違いではなかったということでしょう。逆に、ヘッドライナーの1頭軸で攻めた自分の選択は間違っていたという。実力からすれば、⑪着にまで負ける馬ではないと思うのだが、これもコース適性の差が出たということなのか。

アイビスサマーダッシュ『メインレースの考え方』では、7歳以上は[0.0.0.33]とも記した。ヘッドライナーについては「外枠」に加え、前走の重賞で好走していた点を評価し、7歳という年齢に目をつむったのだが、アイビスサマーダッシュ「高齢馬」に厳しいレースのようだ。

カルストンライトオが4回目の出走で初めて馬券圏外となったのも7歳時だったし、7歳以上の4頭(シャウトライン④着、ジェイケイセラヴィ⑤着、ヘッドライナー⑪着、スピニングノアール⑮着)が揃って馬券圏外に終わったことは、来年に向けて覚えておいたほうがいいかもしれない。

過去にタイムスリップできるなら、レース検討中の自分に「内枠には目をつむって『牝馬』推しで行け!」と耳打ちしたいところ。それにしても、アイビスサマーダッシュサッカー我が家も、牝馬(女性)が強いです(笑)。