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黒津さんに予想の魅力について語っていただきました
2011.7.21

先週は、一気に2勝を挙げることができました! いやぁ、嬉しいです。

土曜日、新潟6レースの新馬(芝1400m)を勝ったモンストールは、3番人気ということでしたが、正直なところ半信半疑と言いますか、果たしてどんな競馬をしてくれるのだろうという思いで、特に硬くなることもなく観戦することができました。

(田中)勝春さんには、追い切りでも乗ってもらっていて、いろいろ良い面も聞いてはいたのですが、何度も繰り返しになりますが、なにせ不確定要素がいちばん多いと言っても過言ではないのが新馬ですので、心の準備として様々な結果を想定しておかなければなりません。

ただ、終わってみれば、好位からしっかりと抜け出し、2着馬に3馬身半差を付けるという強いレースぶりを見せてくれました。

実は、我が尾関厩舎では、最近、準オープンや1000万円下などの高額条件馬たちが続々と抹消されていっているのです。つまり、厩舎の顔であったり、稼ぎ頭たちがいなくなっていっているということです。

残された馬たちに加えて、新戦力である2歳馬たちからも、次の厩舎を支えていってくれる中心的な存在がたくさん出てきてもらわなければなりません。そういうなかで、今回のモンストールの強い勝ち方はとても励みになりますし、改めて我々も毎日頑張っていかなければならないという思いを強くしました。

さて、今週は『日刊競馬』のトラックマン、黒津紳一さんとの対談が最終回を迎えます。それではどうぞ。

西塚信人調教助手(以下、西)僕は買える立場にありませんが、黒津さんから見て「WIN5」はどうですか?

黒津紳一氏(以下、黒)真面目な話をしてしまいますが、競馬にとって、最後の起爆剤かもしれませんよ。払い戻し金が高額になるので競馬場では売れないのかもしれませんが、それでも、土曜日も売るべきでしょう。


[西]それはそう思います。売れるわけですから。

[黒]「WIN5」は早い時間で締切られますよね。そうすると、「WIN5」以外に、今度は各レースごとに普通の馬券も購入してくれることになり、二重購買という形になるわけですよ。金額は小さいかもしれませんが、画期的なことだと思います。

[西]ちなみに、黒津さんは「WIN5」は購入されているのですか。

[黒]みんなで出資して買ったりということはありますが、個人では買っていません。当たる気がしないので(笑)。

[西]難しいですよね。だから、配当が高いわけですから(笑)。

[黒]10年以上になりますが、馬券は単複しか買わないんです。単勝を買っていると、1頭を当てるのがどれだけ大変かということを身にしみて分かっているので、5つも当たると考えると、無理だと思ってしまいますよ。

[西]そう言われればそうですよね。

[黒]1番人気や2番人気の単勝というのは買わないからなのですが、単勝を当てるというのは、本当に大変です。

[西]やはり人気薄からですか?

[黒]人気のある馬から買うことはあり得ませんね。単万とかがいちばん嬉しいわけですよ。でも、連勝馬券を買っていた時に、もし単万の馬が予想通りに来たにも関わらず、2着に1番人気とかが来られても嬉しくありません。だから、人気のない馬だけを買うのです。

[西]ちなみに、いちばん儲けたのはいくらですか?

[黒]配当ですか、それとも払い戻しですか?

[西]配当です。

[黒]単勝300倍というのが最高ですね。

[西]凄いですね。

[黒]でも、単複買いだとそういうことができるんですよ。何倍とか関係ないのです。例えば、この馬を1万円買おうと思った時に、比率としては3割と7割ということが多いので、単勝3000円、複勝7000円で購入します。すると、単勝はもちろん、複勝でも人気がないですから3~4倍は付きますので、来れば少しですが勝つことができますし、勝てば(1着になれば)大儲けですからね。

[西]300倍の時は自信があったのですか?

[黒]取材していても来る気がしましたし、返し馬を見ていても良かったんですよ。人気がなさ過ぎるなぁと思いながら見ていました。

[西]よくひとりだけ人気薄に二重丸を打っている人がいますが、怒られたりはしないのですか?

[黒]ウチは怒られないです。ただ、印を見て人気が分からない新聞というのは、いかがなものかとは思います。ちなみに、ウチはそういう傾向にあります。

[西]確かに新聞を開いた時に人気が分かるというのは、大切なのかもしれませんね。


[黒]ただ、難しいのですが、買いたい馬が本命ではないこともあったりするんですよ。

[西]えっ!? どういうことですか?

[黒]人気はないんだけれど、買いたい馬がいます。メンバー的にも厳しいけど、でも買いたいという馬がいることがあるんですよ。

[西]そういう時には、どうするんですか?

[黒]黒三角、ウチで言えば二重三角というのがあるのですが、それを打ちます。最近も、打った馬が穴をあけることがありました。

[西]そうですか。何が勝つかということを予想していることと、未勝利戦を予想する面白さというのは、結びつく部分はあるのでしょうか。

[黒]あるかもしれませんね。(未勝利戦は)本当に些細なことで着順が大きく変わってしまいますからね。

[西]でも、言われてみれば、黒津さんは未勝利馬について本当によく知っていますよね。

[黒]一応、生業ですから(笑)。歳を取ってきて記憶が曖昧なところはありますが、それでも何かしら覚えているものです。

[西]そうなんだぁ。競馬新聞の印の数っていうのは、決まっているものなんですか?

[黒]決まりではないけど、暗黙の了解という感じで7つかな。あくまで常識の範囲内ということですね。

[西]印がたくさん打たれている新聞というのもありますよね。人気のない馬を出走させている時には、そういう新聞を見たくなります(笑)。

[黒]社によっては10個くらい打って良いところもあったはずです。昔、アラブの300万下というレースとかがあったのですが、春の新潟とかで馬がいなかったのです。ある時、6頭立てというレースがあったのですが、一応、新聞上では印をひとつ抜けということになりました。

[西]ハハハ(笑)。印を6つ打ったら、予想じゃなくなってしまいますからね。

[黒]笑い話だけど、6頭に印を打ったら、欄が全部埋まってしまったことがありました。当時は前日投票で、いまみたいに携帯電話とかがない状況で、美浦と栗東、そして新潟で投票をしていて、何が除外になっているかが即座に分からなかったのです。そうしたら、6頭立てで、みんなが抜けにしようと思っていた馬が出走をやめてしまっていたのですよ。それに気が付かず、ウチともう一社は、すべての馬が上から下まで印が並んでしまったということがありました(笑)。

[西]そういうことがあったんですね。昔と言えば、メジロマックイーンとトウカイテイオーが対決した天皇賞・春で、印がふたつしかない新聞があったと記憶してます。

[黒]あったかもしれませんね。ただ、個人的には、それはしたくないかな。競馬は何があるか分からないですからね。でも、印を4つぐらいしか打たない時もありますよ。

[西]そうですか。いやぁ、もっとお話をお聞きしたいのですが、明日から5時なので。

[黒]そうですよ。今週からは5時なので、少しは寝れるかな(笑)。

[西]また機会がありましたら、よろしくお願いいたします。

[黒]こちらこそ。また、よろしくお願いします。

いかがでしたでしょうか。これまで対談に登場していただいた方々は、直接馬に触れている人たちばかりでしたが、今回の黒津さんはトラックマンということで、同じ競馬産業で働いていても馬とは少し距離があるポジションで、僕自身は話を聞いていて、とても面白かったです。

競馬新聞の知られざる一面を知ることができましたし、これからは新聞を見る時の意識が変わります。黒津さんの予想をぜひチェックさせていただきたいと思います。(笑)

そして、一見華やかそうに見えるトラックマンという職業ですが、毎日のようにトレセンに来て、調教を見て、厩舎に行って取材をするということを淡々と続けていらっしゃることがよく分かりました。

その積み重ねが、いまの黒津さんの土台と言いますか、トラックマンとしての地位を確立させたのだと思いましたし、ローマは1日にしてならずという諺ではありませんが、継続していくことの大切さを感じさせられました。

対談の中休みとなる来週は、現在、現場で変更が進んでいる厩舎制度についてお話をさせていただこうと思います。武士沢さんとの対談はその後になりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

ということで、最後はいつも通り『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞ、よろしくお願いいたします』。