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3年ぶりの登場! 武士沢騎手との対談がスタートします!
2011.8.4

今週から武士沢騎手との対談がスタートします。

「楽しみにしています」という声を読者の方からいただいていましたが、まず、なぜ武士沢さんなのかということをご説明させていただきたいと思います。

3年以上前に、このコーナーに一度出ていただいているのはみなさんご存じのことでしょう。前々回の西田騎手も2回目だったので、そろそろ相手がいなくなったのかと思われるかもしれませんが、残念ながら(?)違います(笑)。

『下剋上日記』の時代から数えると、このコーナーはなんと5周年を迎えることとなりました。いやぁ、これこそ読者の皆様のワンクリックのお陰なのですが、スタートした当初は僕自身もまさかここまでくるとは正直思っていませんでした。

5周年ということで何か特別なことをやりたいと思いながらも、なかなか実行に移すことができずにいます。そこで、せめて何かと思い、区切りとして以前に出ていただいた武士沢さんにお願いしたということなのです。

あと、もうひとつ、武士沢さんにお願いした理由は、お互い結婚をしてからというもの、以前は毎週のように飲んでいたのがまったく行かなくなったという現実がありました。ゆっくり話をする機会がなくなっていたのです。

お互いに結婚をして、子供も生まれまして、取り巻く環境の変化があるなかで、心境の変化もあるのではないかと想像して、今回の対談に臨んだ次第なのです。

個人的には面白く、興味深い話になったと思うので、皆さんにもぜひ読んでいただければと思います。それではさっそく、初回をお送りします。

西塚信人調教助手(以下、西)今回は武士沢友治騎手をゲストにお迎えしての対談となります。久々の登場になりますね。武士沢さん、よろしくお願いいたします。


武士沢友治騎手(以下、武)よろしくお願いいたします。いやぁ、本当に久しぶりなのですが、随分と続いていますね。

[西]そうなんですよ。お陰様で、読者の方々のワンクリックによって存続することが許されているのです。本当に有難いことです。

[武]本当ですね。前回出させていただいたのは何年前でしたかね?

[西]3年以上前になります。武士沢さんが結婚する前だったんじゃないでしょうか。

[武]そうだ、結婚する前ですよ。長く続いていますよね。

[西]ありがとうございます。武士沢さんとこうして会うのも久しぶりですよね。最近、ラーメン屋さんでお会いしましたが、あの時も一緒に食事をしたわけではありませんでしたからね。あの時、武士沢さんは何の集まりだったのですか?

[武]知り合いの厩務員さんたちと食事をしていたのです。


[西]何かの集まりだったのですか?

[武]トウショウナイトの厩務員さんが亡くなられたのが、ちょうど七夕の日なので、毎年みんなで集まっているのです。

[西]メンバー的にひょっとしたらと思ったのですが、そうだったんですね。武士沢さんとは、厩舎が変わってから仕事で絡むことが少なくなっていましたが、この前、ロックドクトリンで勝っていただいて、ありがとうございました。尾関厩舎では初勝利ですよね?

[武]そうです。こちらこそ、ありがとうございました。

[西]読者の方々に説明させていただきますと、ロックドクトリンは馬場でピタッと止まってしまう馬だったのです。

[武]この前の追い切りでも少し変な格好をしていて、どこへ飛んでいくか分からないような素振りを見せていましたよ。

[西]やっぱり、そうですか。

[武]横にキレるようなところを見せていた。そういうところは徐々に解消されていくとは思いますが、ただ、油断はしない方が良いですね。特に右回りではやるかもしれません。

[西]気を付けます。でも、競馬は大丈夫なんですよね。


[武]大丈夫ですね。

[西]ダートでの走りが抜けて良かったりしませんか?

[武]ダートというよりも、いまはまだ成長途上で、大きい負担を強いることになってしまうので、無理をしない方が良いと思います。しっかりしたら、芝が良さそうな感触があるのですよね。

[西]そうですか。

[武]競馬にいった時に、面白い背中をしているんですよ。

[西]どんな感じなのですか?

[武]ごめんなさい、言葉にするのは難しいんですよね。でも、すごく魅力を感じさせられる背中をしているのです。

[西]そうなんだぁ。僕自身は、そういう感覚は受けていないのですよね。止まるということの方が大きくて。最初の頃は、止まるだけじゃなくて、出がけもあまり良くなくて、ロンギをかけたりしていたのです。脚を使えば止まってしまったので、少しずつ進めていったのですよ。ただ、検査したら膝に骨膜があって、一旦放牧へ行っていたのです。

[武]膝は疼くからなのか、乗っていても気持ち悪さを感じたりはしますよね。

[西]正直、最初はどうなるかと思いましたよ。だから、(デビュー戦を)ダート1200メートルにしたのですから。1分13秒から14秒では走れますので、ブッチゃけタイムオーバーになる確率は低いわけですよ。勝ち馬が1分10秒台ということはまずないですからね。

[武]1200メートルを選択したことは、あの馬にとって良かったはずですよ。ただ、あの脚を使えるとは思いませんでした(不良馬場で36秒3の上がりを計時して、後方から4着まで追い上げた)。

[西]正直に言いますが、攻め馬に乗っていて、あの脚が使えるとはとても思えませんでした。

[武]実戦タイプなのでしょうが、それにしてもまったく想像できませんでした。

[西]直接聞きたいと思っていたんですけど、デビュー戦で若干出遅れてしまって、あの瞬間、タイムショック(タイムオーバー)対策は入っていたんですか?

[武]考えましたよ。ロスないように、リズムを崩さないように、最後に少しでも詰めていこうという作戦にしました。

[西]今度からぜひ、読者のみなさんにも見ていただきたいのですが、よくダート1200メートルとかで、後ろに位置してしまい、可能性が低くなった馬たちが内に切れ込んでいきます。実は、あれはタイムショック対策ですよね?

[武]そうですね。普通は時計対策とか、とにかく無事にという感覚ですよね。ただ、あの馬の場合は、それ以外に1頭になってフラフラしたり、飛んでいってしまったりしないように、という思いもあって、ラチに沿って走っていったのです。それが、4コーナーくらいで手応えがあって、『あれっ、これは脚がありそう』と外に出したのです。みんなも止まっていたのですが、凄い勢いで出ていったのです。

[西]いやぁ、驚きました。

[武]でも、2戦目で勝つというのは能力があるからこそですから(ロックドクトリンは2戦目に1番人気に応えて勝利した)。

[西]そうなのでしょうね。でも、正直乗っていて手応えを感じていないだけでなく、まだ良化の余地を大いに残している。いや、ハッキリ言えば歩様があまり良く感じなくて、初出走で4着というのはまったく想像できなかったです。

[武]そうだと思いますよ。あそこまで走るとは誰も想像しなかったはずです。ただ、僕自身、膝、足首はおかしいし、首も故障していますし、腰も骨折しているというようにボロボロです。歩く姿もバランスが良いとは言えないと思います。でも、それでバランスを取りながら、やっているのですよ。実は、馬もそうで、その歩様や体の使い方が、その馬自身にとっていちばん良かったりするんだと思いますよ。

[西]なるほど。

[武]それを乗っている方が、その馬のリズムとして理解して、乗ることができるかどうかだと思います。感覚が冴えている時に追い切りとかで、『あれ、これはおかしい』という感覚に陥ってしまうことがあるのです。ただ、それは人間が冴えているだけで、馬にとってはそれが普通ということもあります。

[西]いつも通りなのに、過敏に反応してしまうということですね。いやぁ、それにしてもロックドクトリンには驚かされました。2戦目で変わった部分もあったのでしょうか?

[武]いえ、1戦目も2戦目も変わっていません。ゲートだけは出るようにはなりました。ただ、あそこで良い位置に付けて、自ら勝つような競馬をして初戦と同じ脚を使えるかというと、まだそこまでの手応えは感じることができていません。でも、1戦目とは馬場状態も違っていましたから、強い内容だったと思いますよ。

[西]久しぶりに驚かされました。

[武]ひとつ言えることは、競馬と調教はまるで別馬だということです。僕としては、調教で乗っていたのであの馬に関して情報はありましたが、深く知り過ぎていないということも大切だなぁと、最近思うのですよね。

[西]厩舎と騎手との関わり合いということで言えば、一度乗ってみてその感覚でという話はあって良いはずですし、それが良かったりすることはありますよね。でも、深く知り過ぎてしまっているが故に、それが妨げになることもあると。

[武]乗った感覚そのものが人によって違うということですよ。その幅が車で言えばレッドゾーンなのですが、危ないと思ったら一気にレッドゾーンに入ってしまうのですよ。

[西]武士沢さんはその幅がある方ですよね。

[武]でも、危ない馬は危ないと言いますし、危ないと感じれば止めますよ。ただ、ゴール板まで来られる馬を止めるということはしません。無事にゴール板まで来なければ意味がないと思っていますから。

今週はここまでとさせていただきます。

さて、先週、新潟地方を豪雨が襲ったことはニュースでも報道されているので、ご存じでしょう。競馬は通常通り行われましたが、競馬場へ向かう馬運車は通行止めのために迂回したりしていました。

テレビの映像を見ていても、自然の力の前では、人間の力は微々たるものでしかないと痛感させられます。我々が生活の糧としている競馬も、平穏無事であればこそ盛り上がるわけで、このような天災が起こるたびに、自分にできることは何があるのかということを考えます。とにかくできることを頑張りたいと思います。

ということで、最後はいつもの通り『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。