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人事面の早急な改革が求められていると感じています
2011.10.13

先日、河野先生の調教師免許取り消しに伴い、河野厩舎が9月26日付けで、いわゆる藤原辰雄厩舎Bになりました。その後、今度は中島先生が勇退されることになり、現在、トレセンではスタッフの動きが話題となっています。

河野厩舎は22馬房でしたから11名の厩務員と3名の調教助手がいて、中島厩舎は14馬房ですので、7名の厩務員と2名の調教助手がいます。合計で23名のスタッフが他の厩舎へ移籍することとなるわけです。

このようなケースにおいて、まずは、基本である20馬房に満たない厩舎に割り振られていくことになります。

現在の状況で言えば、今年開業された大和田厩舎や木村厩舎に、まずは中島厩舎のスタッフ方々から割り振られていくことになります。藤原辰雄厩舎Bとなっている河野厩舎の方々は、今月いっぱいはいまの状態のままで進み、そこから割り振られることになります。

ただ、先に話をした2厩舎以外では、現在、20馬房に満たない厩舎はありません。しかも、新しく開業を待っている新規調教師もいません。

そうなると、これまでは、1厩舎2馬房ずつ、臨時という形で、期間を決めて希望する厩舎に貸付けられるなどの対応が取られてきました。24馬房である厩舎が26馬房になり、それだけ管理馬を入厩させて、競馬に出走させることができるのです。

そうは言っても、現実には廃業する厩舎が出ているように、預託馬の確保が困難と言われている状況のなかで、2馬房を余計に借りたいと思う厩舎がどこまであるのか、という声も少なくありません。

はっきり言えば、20馬房に満たない2厩舎からあぶれてしまった人たち全員が、臨時貸付として受け入れてもらえるかどうか、定かではないということなのです。

このような状況のなか、勇退希望者がさらに出るのではないかという話も流れていて、いま現場では余剰人員についての問題が指摘されています。このままいけば、自宅待機、あるは休職を余儀なくされるケースが出てくる可能性も高くなるでしょう。

その一方で、以前にもお話をした臨時従業員、いわゆる“ピンク帽”といわれる方々の存在があります。

ピンク帽”の方々は、基本的には、1日8000円、有給休暇など福利厚生面の一部以外は、進上金も含めて同じなのですが、正規社員よりも格安で雇うことができるとされています。仕事においては調教で馬に乗ることもできますし、我々とまったく同じように働くことができます。

いまのルールでは、各厩舎必ず1名、それ以外では、ケガ等による欠員の補充、あるいは退職による欠員を補充する時に、ピンク帽の方を雇うことが認められています。

冷静に考えれば、正規スタッフたちに余剰人員が出る可能性がある中で、その一方ではピンク帽と呼ばれる非正規スタッフたちを雇わなければならないというルールが作られていて、相反する状況が生まれているわけです。

何が言いたいのかと言いますと、正規・非正規云々ということではなく、すでに人事の事情が崩壊してしまっているのです。

ピンク帽の方々も、当然のことながら正規採用を目指しているわけです。働いている厩舎で定年退職者が出れば、そのまま正規採用してもらうことができるというルールになっています。

ただ、元々、ピンク帽の方々の存在は、預託料を抑える手段のひとつとして導入されているため、すべての人たちを正規採用する方向に向かうかと言えば、それは可能性が低いと言わざるを得ないでしょう。

ブッチャけさせていただきますと、元々、雇用者である調教師に人事権がなく、すべてが横並びというシステムそのものの限界が来ていると感じさせられるのです。

さらに言えば、授業料なるものを徴収してまで運営されている競馬学校の存在意義さえも疑問であると言わざるを得ないでしょう。

ピンク帽のルールひとつをとっても曖昧なのですが、雇用面のシステムがもう崩壊していると認めなければならないと感じています。人事面における早急な改革が求められていることを痛感しています。

上手く伝えられずに申し訳ありませんが、これからさらに解散する厩舎が増えそうだという噂もあり、現状を伝えさせていただきました。

さて、来週からは青木騎手との対談をお送りさせていただきます。どうぞお楽しみに。

ということで、最後はいつも通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞよろしくお願いいたします』。