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今週からは『競馬エイト』の高尾幸司さんとの対談です!
2011.11.24

読者の方からもメッセージが届いていましたが、前回の対談に出ていただいた青木さん(青木騎手)が先々週に新潟での未勝利戦をフクノハツヒメで勝ちました。

日本では久々の勝利ということで、青木さん自身もとても嬉しかったようですが、我々としても嬉しかったです。普段からテンションが高いのですが、いつも以上にハイテンションぶりを発揮されていました(笑)。

これを良いきっかけとして、勢いに乗って頑張っていってもらいたいですね。

さて、今週からは、専門紙『競馬エイト』のトラックマンであり、三浦皇成騎手の番組を担当している高尾幸司さんをお迎えして、対談をお送りいたします。

僕自身、いろいろな発見をさせてもらい、面白かったですので、みなさんにも最後までお付き合いいただければと思います。それではどうぞ。

西塚信人調教助手(以下、西)今回は、『競馬エイト』のトラックマンである高尾幸司さんをゲストにお迎えして対談をお送りします。よろしくお願いいたします。

高尾幸司氏(以下、高)こちらこそよろしくお願いいたします。


[西]高尾さんとは、松岡(騎手)の結婚式で一緒のテーブルになったり、ノビーズのライヴにも来ていただいたりしましたが、実は、仕事上での接点はほとんどないですよね。

[高]そうですね。

[西]僕の場合、西塚厩舎がなくなって、尾関厩舎に移ってからは、トラックマンの方々もそのまま引き継ぎ感じになったのですよね。

[高]そうでしょうね。僕も前任者を引き継ぐ形で北馬場担当となっていますから。

[西]やはりそういうものなんですね。こちら側の言い分となってしまいますが、各社の担当、いわゆる番記者の方々全員と話すのは、時間的に難しいんですよ。だから、誰かひとりに話をして、『○○さんに聞いてください』という感じでお願いしていました。

[高]代表者に話をしたり、あとは一度に全員を集めて話をするというケースが多いですよね。

[西]どうしてもそうなりますよね。高尾さんは、以前から『競馬エイト』のトラックマンだったのですか?

[高]いえ、『サンケイスポーツ』から『競馬エイト』に移ったのです。逆のパターンは多いかもしれません。ウチなら、『エイト』から『サンスポ』、あるいは『ギャロップ』に移った人間は結構います。

[西]そういうものなんですね。凄く初歩的な質問になりますが、同じフジサンケイグループでも、日刊紙と専門紙では違うものなのですか?

[高]ウチは、日刊紙(『サンケイスポーツ』)、専門紙(『競馬エイト』)、週刊誌(『週刊ギャロップ』)とありますので、いちばん分かりやすいかもしれませんね。それぞれ説明させていただきますと、日刊紙は字のごとく毎日発行されていて、その週のG1、あるいは重賞に関する情報がメインとなります。ですから、取材対象が限られるという特徴があります。その週毎に、調教師、いなければ調教助手さんを探して話を聞く感じです。それに対して、専門紙というのは、想定班と時計班に分かれますが、基本的には担当厩舎が決められていて、所属馬を徹底的に取材する感じとなります。


[西]時計班は、それぞれ担当を決めて、調教タイムを取り続けるということで良いのでしょうか?

[高]そうです。想定班というのは、どの馬がどのレースに出走するのかという情報と、各馬のコンディションについて取材をします。

[西]我々にとっても重要な役割を果たしてくれている想定は、専門紙の想定班の方々の情報が元になっているわけですよね。

[高]はい。各トラックマンが水曜日に取材をして、それらの情報を総合して午後に想定ができているのです。その想定を元に、午後、あるいは木曜日の朝にコメントになる情報を取材しているのです。

[西]日刊紙はそういうのはないですよね? G1なら、例えばブエナビスタという見出しが躍る感じですか?

[高]そうですね。しかも、日刊紙はどちらかというと、長い文章を書くという傾向が強いです。

[西]同じような仕事に見えて、内容はまったく違うのですね。


[高]実は、週中だけでなく週末の仕事も違います。日刊紙は、極端な言い方をすれば、メインレースを勝った馬を中心に取材することが主な仕事になります。新馬や特別のレース後のコメントも取材しますが、洒落ではありませんが、やはりメインレースがメインとなります。

[西]面白いですね(笑)。

[高]それに対して専門紙は、『エイト』の場合ですと、全レースについてレース終了後のコメントを全部取材しているのです。

[西]あっ、そうなんだ。どこに掲載するのですか?

[高]『週刊ギャロップ』を見ていただいている方は分かっていらっしゃると思いますが、成績欄に掲載されている各レース後のコメントになります。

[西]あっ、載ってますね。あれがそうなのですか。

[高]あのコメントは想定班の仕事となっているのです。

[西]そうでしたか。高尾さんとは、仕事上での接点がほとんどないと言いましたけど、日刊紙の記者さんたちとは、もっと関わり合う機会が少ないです。

[高]そうなのかもしれませんね。

[西]失礼な言い方になりますが、どうしても、良い時ばかり取材に来る人たちという印象を持ってしまいます。

[高]おっしゃりたいことは分かります。ただ、求められているモノが違うということをご理解いただきたいです。どうぞ、これからは日刊紙をないがしろに扱わないでいただきたいです(笑)。

[西]もちろんですよ。ただ、それでも普段から話し慣れている人の方が話しやすいということはあります。阿吽の呼吸という感じもありますから。

[高]実際、それは取材する側もあります。前走からの流れという感じで、聞く方としても聞きやすかったりします。

[西]先日も『モンストールどうですか?』と聞かれたのですが、どこから話をしていいのか、分からなかったりするのですよね。

[高]なるほど。そういうことですか。

[西]2歳の新馬についてもそうですね。見たこともない記者さんに、いきなり『どうですか?』と聞かれても、正直、面食らってしまいますよね。

[高]なるほど。

[西]あとは、誘導尋問的に取材する人ですかね。例えばダンスインザダーク産駒であれば『やはり長いところが良さそうですよね?』とか、ゴールドアリュール産駒なら『ダートの方が良さそうですよね?』というように、自分たちが望む答えを引き出そうとされることがあるんですよ。

[高]そういうことはありますよね。日刊紙の時には、やはり取材する前に原稿を思い浮かべておきました。それに沿って取材するということはありますよ。

[西]そういうことなんですね。

[高]日刊紙と専門紙では、当たり前ですが聞く質問も違います。専門紙では、各馬の追い切り時計を把握して、そこに関して質問をしますし、動きの変化や追い切りのコースを変えたことなど、それぞれの厩舎のそれぞれの馬について、実際に見て、把握しておくことが求められるのです。もちろん、日刊紙も取材対象馬に対しては同じような取材をしています。

[西]そういうことですよね。

[高]ありきたりなことばかりを聞いていては、専門紙ではなくなってしまうわけですよね。値段も、スポーツ紙は130円ですが、専門紙は『エイト』なら450円で売っているわけですよ。でも、同じ馬柱が載っていて、コメントも多いか少ないかの差という現状で、450円を出して買っていただけるだけの情報を掲載しなければなりません。もちろん、両方を買っていただくのが理想なんですけどね(笑)。

[西]紙質も違いますから(笑)。

[高]書きやすく、見やすいですよね(笑)。もちろん、『サンスポ』もしっかりした情報が掲載されていますし、他の日刊紙よりも競馬面は充実しているという自負は持っています。

[西]こういう言い方をしたら怒られるかもしれませんが、マスコミと関係者における過去の問題を振り返ると、日刊紙が多かったりしますよね。

[高]そうですね。言われてみれば、専門紙が問題となった事件は聞いたことがほとんどないですよね。

[西]お互いの信頼感じゃないかなあと思いますよ。毎週のように接する積み重ねという部分はあるでしょう。

[高]それはお互いにあると思いますよ。ただ、日刊紙は栗東へも行かなければなりませんので、難しい面があるのもご理解いただきたいのです。

[西]そうですよね。美浦なら美浦専属というのがほとんどの専門紙に対して、日刊紙の方々は栗東へ行ったりしていますからね。高尾さんは日刊紙を経験されて、何か良かったと思う面はありますか?

[高]いま、三浦皇成騎手の番組を担当させていただいているのですが、栗東へ行っていたことで関西の先生方に顔を覚えていただいていた、ということは良かったと思います。

[西]そういう面はあるのでしょうね。知っていれば、頼みやすいはずですから。

[高]ただ、各厩舎には、それこそ専門紙の番記者さんたちがいますので、そこから騎乗依頼をいただくケースもとても多いです。

[西]あっ、そうかもしれませんね。

[高]専門紙ですと、先ほど西塚さんがおっしゃったように、美浦なら美浦、栗東なら栗東というのがほとんどですし、専門紙と日刊紙の交流も、ウチのように両方を所有している会社でもないと、なかなか難しいのが現実です。

[西]そうだと思いますよ。

[高]皇成の番組を担当させてもらうようになって、そういうこともよく分かりました。

今週はここまでとさせていただきます。

先週は、我がノビーズのギタリストである松岡(騎手)にはじまり、小島太一騎手、そしてF・ベリー(騎手)と、ケガが続出してしまいました。そのほかにも落馬があり、ドキッとさせられてばかりでした。

月曜日に宮崎北斗騎手の結婚式が行われ、参列した際に、(柴田)善臣さんとも『こういう時は続いてしまうもの』という会話をしたのですが、何か続いてしまうことってあるんですよね。

もちろん要因などは不確定なのですが、落馬やケガ、さらには騎乗停止なども、続く時には続いてしまうという感覚があります。それと、現場で働いている者としては、朝一番の放馬も、続く時は続くという感じをさせられるんですよね。

1頭落ちると、どういうわけか、続くことが多いんですよ。馬場のなかで放馬すると、サイレンが鳴り響くのですが、鳴り止まない感じになることがあったりします。

ただ、逆に良いことも続いたりすることがあるんですよね。毎週勝ってみたり、馬が良くなっていってみたりというケースもあります。

もちろん、アクシデントについてはないに越したことはありませんので、良い方向に向いてほしいものです。松岡も早く治して戻ってきてくれることを願っています。

ということで、最後はいつも通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞよろしくお願いいたします』。