独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン


田辺騎手にプライベートの話も聞きました
2012.1.26

2012年がスタートして1ヵ月が過ぎようとしていますが、何人かの方々からご指摘を受ける通り、我が尾関厩舎はいまのところ未勝利。昨年も、あまりスタートが良くなかったと記憶しているのですが、やはり皆さん気になるのでしょう。

ただ、騎手のみなさんもそうだと思うのですが、1年間終わってみたら「このくらい勝っていた」という感覚があるはずです。実際、昨年も年末には「あっ、20勝もできていたんだ」という感覚を持ちました。

相手のあることですし、思うようにいかないことがほとんどですので、年末に向けて、自分たちができることを頑張っていくしかないと思っています。

もちろん良い結果が出ることを望んでいますし、そうなってくれるのが良いのですが、まずはキッチリとした状態で競馬に送り出せるように、厩舎の一員として、自分の仕事に向かうことができるかということを意識しながらやっていくことが大切でしょう。

そういう意味では、先週京都で出走したプボワールベールは考えさせられます。調教に携わっていて、もの凄く素質を感じさせられる存在で、正直、「これは」と思いました。強気なコメントをしたということもあったのかもしれませんが、新馬で1番人気になったのです。

ただ、そこから2戦、まったく結果が出ていません。正直、その結果に対して、どうして走らないのかという思いしかないのです。

走るという手応えを感じる馬が走れない時、その原因がわからないようなケースは、本当に悩みます。それが仕事なのですし、経験が少ないために悩むのかもしれませんが、いやぁ、モヤモヤとした感じがたまらなく重いんですよね。

プボワールベールに関しては、素質は間違いなくあると思っています。個人的には芝に替わるのも良いかもしれないと思っておりますので、注目していただければと思います。

ということで、今週は田辺との対談の第3回をお送りします。それではどうぞ。

西塚信人調教助手(以下、西)去年、結婚したけど、結婚については聞いても良いの?

田辺裕信騎手(以下、田)いいところとダメなところがあります(笑)。

[西]うははは(笑)。じゃあ、いいところを攻めると、まずは小倉で知り合ったんだよね?

[田]正確には博多です。

[西]知り合ってどのくらいだったの?

[田]知り合ったのはかなり昔ですね。4~5年前だと思います。


[西]そういう良さも小倉にはあるということ?

[田]中州の良さです。

[西]中州のね(笑)。

[田]『ナイツ』を見てね。

[西]『ナイツ』って、何?

[田]タウン情報誌ですよ。

[西]あっ、わかった、わかった。飲食店の案内が載っている雑誌ですね。

[田]1回行ってみて、良さそうな女性が付いたら指名しようじゃ、俺たちは時間が足りない。写真を見て、会ったこともないけど、とにかく指名するわけですよ。

[西]うははは(笑)。馬主さんが写真だけで馬を購入するような感じか。

[田]『ナイツ』にはサービス券が付いているんですよ。初回に限り、ボトルサービスという券をビリビリッと破いて、持って行くわけですよ。

[西]サービス券を使うんだ(笑)。普段、マックとかの割引券も使うの?


[田]いや、マックとかは使わない。こっちはボトル1本だからね。初回で行かなくなるかもしれないのに、ボトルは数千円するわけですよ。だから使うんだけど、みんなは使わないね。何でなのか?と思うんですけどね。

[西]田辺は数行くからでしょう(笑)。そう考えると、大きいよね。

[田]経費節減の効果は大きいですし、雑誌代の元は完全に取っています。

[西]それは完璧でしょう。というか、この『ナイツ』話はオフレコ?

[田]別に良いでしょう。

[西]うははは(笑)。田辺、最高ですよ。これ、貴重なインタビューだわ。ブッチャけるけど、他で載ってた好青年のようなインタビューを読んでいたら、悲しくなっていたんだよ(笑)。

[田]敷かれたレールを歩いているみたいでしたか(笑)。

[西]そう。自分たちが待っている答えを引き出すように質問しているんだろうなぁ、って思いながら読んでいたよ。「次の目標はやはりG1ですよね?」的な質問があって、「はい」と答えると、『田辺G1取りを宣言』という見出しになるわけでしょう。

[田]そういう答えを待たれているのが、よく分かるんですよ。

[西]読んでいて、本当にこれ、田辺が言ったのか!?と思う言葉がいっぱいあったよ。新聞とか雑誌とか、取材は全部受けてるの?

[田]受けているよ。話しながら、ちょこっ、ちょこっ、と本音を出しています。しかし、ほとんどがカットされてしまうわけですよ。

[西]うははは(笑)。やっぱりね。そう言えば、オウケンブルースリの追い切りに栗東へ行っていたよね?

[田]行きましたね。でも、遠足気分で行ったら、遠い、遠い。

[西]というか、今度から栗東に攻め馬に行くということにして、調教を休めば?

[田]ダメ、ダメ。ウチは「どの馬に乗りに行くんだ?」って、必ずチェックが入る。そういうところは敏感なんだから。

[西]じゃあ、オウケンブルースリの追い切りは、新聞とか映像を見て、「よし、乗っている」と確認されていたんだ(笑)。

[田]そうだろうね(笑)。

[西]それにしても、あそこまで走るオープン馬というのは違うでしょう?

[田]例えば、未勝利馬とオープン馬では違いますよ。ただ、オープン馬になる馬の多くは背中が良かったりするわけです。だから、背中の良さはわかっても、例えばその時に走るかどうかはわからないというのが本音です。高齢になって衰えがきている、逆に若過ぎて走ることに集中できない、というような状況がある時に、精神面の奥底まで把握はできないから。

[西]いまプロっぽいことを言ったね。

[田]何が言いたいかというと、すべての面でわからない、ってことですよ。

[西]うははは(笑)。素晴らしい。長い話をしてきて、最後に「わからない」と言う騎手は、あなたしかいませんよ。

[田]だって、わかんないって。

[西]でも、追い切りの後とかに「良かったよね?」と聞かれて、「ダメだった」とは言えないわな。

[田]ああいう時、「うちの未勝利の方が動く」と言ったら、どうなんだろうね。そういう答えを求めているということなのでしょうけど、「折り合っていたから、本番も大丈夫だよね?」とか聞かれると、「正直、やってみなければわかりません」と言いそうになる。

[西]それはそうだろうなあ。

[田]そういえば、一度、追い切りで「直線で良い伸びをしていましたよね?」と言われて、「えっ、伸びてましたか?」と聞いちゃったことがあった。

[西]うははは(笑)。そこで「はい」と返事していれば、「田辺絶賛」となるわけですよ。

[田]『持ったままS』だね。

[西]そうそう(笑)。

[田]口が硬い馬とか、コントロールが利かず、持っていかれているだけという可能性もあるけど、『持ったままS』(笑)。

[西]そういう可能性もあるということですよ(笑)。でも、これだけ競馬面に大きく出るようになると、逆に大変なのかもしれないよね。

[田]この前も「今年の目標は100勝ですか?」、「今年はいよいよG1勝ちですね」と何人にも聞かれた。そこで「はい」と言ってほしいんだろうけど、こっちとしては勝手に決められているような気分になるんだよね。そりゃ、勝てるなら、勝ちたいですよ。でも、それは強要されることではないよね。

[西]確かにね。あなたが「G1を目指します」と力一杯話しているのかということを聞きたかったんだけど?

[田]もちろん話していませんよ。

[西]うははは(笑)。

[田]どの馬でG1を取るというのか、こちらが聞きたいよ。というか、G1が目標と言って、たとえ勝ったとしても、その年がその1勝だけだったらどうするんですか。現実にはそれじゃ困る。

[西]揚げ足を取っていると言う人がいるかもしれないけど、そうじゃなくて、何が言いたいかというと、自分の言葉が一人歩きしてしまうことはダメだってことだよね?

[田]そう。

[西]でも、そう考えると怖いよね。本意がないことが書かれることもあるし、だからと言って、「わからない」じゃ、紙面にならないんだろうし。

[田]でも、ハッキリ言って、馬はわかんないって。人気になっている時、ゾッとすることがありますよ。

[西]わかるわ。「えっ、何でこれが人気なの!?」っていうことでしょう。

[田]1倍台の人気で、返し馬に行った途端、ゴトゴトで前脚が出ていかない時とかは、「おーい、勘弁してー」と叫びたくなる。

[西]最近は、人気馬に乗ることも多いけど、調教の時計だけで人気になってることってあるよね。でも、坂路もそうだし、ポリ(ポリトラック)なんかも、時計だけじゃ判断できない面はあるでしょ。

[田]ポリだったら、テンから出して行って、途中で速くなりそうだと思って抑えたら、『持ったままS』で好タイムになっちゃうからね。

[西]そうなんだよね。それで、『好タイムで持ったままS』と報道されて、人気になっちゃう。

[田]坂路も、好タイムで人気になって、どこにも来ないという馬がいますよ。

[西]テンから持っていかれて、手綱を動かすことなく好タイムを記録、というのは珍しい話じゃないからね。

[田]また、いまは時計が出やすいからね。「この馬、こんな良い時計が出たことはないから、相当具合が良い」って言われたりするけど、他の馬も良いタイムが出ているんだって。

[西]そういうことですよ。ポリは好タイムが出やすく、65秒とか簡単かもしれない。

[田]そうだよ。だって13-13で走っていれば65秒になるから。ポリなら13―13は楽に出るって。

[西]普通キャンターでも15-15くらいになりかねないからね。

今週はここまでとさせていただきます。田辺との対談は各方面から反響をいただいておりますが、僕自身としてはこのコーナーはこうあるべきだという思いを強くしました。今回の田辺との対談こそ、普段のまま、あるがままの我々の会話ということなんですよ。

ユーザーの方から騎乗停止処分についてメッセージをいただきましたが、普段は意外とそういう話はしません。僕、あるいは周囲だけがそうなのかもしれませんが、そういう話も含めて、競馬の話が話題になることが少ないのですよね。

田辺とも、対談の時に久しぶりに競馬の話をしたくらいです。というか、アイツ、話を変えたがっていたじゃないですか(笑)。まさに、あれが真実です。

一緒にバンドをしている松岡とも、年末のライヴで有馬記念を振り返ったのですが、初めてじゃないかと思うくらい、久しぶりに競馬の話をしたんですよね。他に話すことがあり過ぎるのかもしれませんが、仲が良くなればなるほど、競馬の話は出ません。

もし、皆さんが聞いてほしいと思うことは、メッセージを送っていただければ聞きますので、ぜひお送りいただければと思います。

ということで、最後はいつも通り「あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞよろしくお願いいたします」。