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今週は「ネックストレッチ」について解説いたします
2012.3.15

今週は馬具の話をさせていただこうと思います。

鞍や手綱などの馬具以外に、矯正を目的とした馬具があります。みなさんもご存じのブリンカーやシャドロール、あるいはチークピーシズなどもそうですし、以前にお話をしたリングバミなども矯正を目的とした馬具です。

そのなかで、今回は、ネックストレッチャーバンドというものをご紹介します。我々はネックストレッシャー、あるいはネックストレッチと呼んでいます。

ネックストレッチは、ゴム製のヒモを頭洛に通して、腹帯と繋ぐという使い方をします。最近では、競馬でも着用する馬たちも増えていますね。


名称や使用方法を聞くと、想像できる方もいらっしゃると思いますが、頭を下げさせる効果を求めて使用するものです。頭が高いフォームで走る馬にも効果を感じることができます。あと、立ち上がった時にブレーキの効果を得られるとも言われています。

僕自身、ネックストレッチの効果を実感していて、もの凄く優れた馬具であると思っていますが、忘れてはいけないこともあると感じています。それは、なぜ頭が上がってしまうのか、なぜ立ち上がるのか、ということも考えることです。

例えば、頭を上げる馬がいたとします。それを矯正するためにすぐにネックストレッチを装着するのではなく、まずはその原因を探るのが先決であるはずです。ハミがあたってしまうために嫌って頭を上げているかもしれませんし、あるいはモノを見て頭を上げている可能性だってあります。あくまでも、頭を上げる要因を考察し、その上で使用することが大切だと思うのです。

では、どのような要因によって頭を上げる馬に対して使用するか。

頭を上げる馬たちの多くは、トモ脚を踏み込めないケースが圧倒的に多いものです。トモ脚を踏み込めない馬の多くは、背中や腰に疲労が蓄積する、あるいは何かの問題を抱えているなどの理由があります。馬体の構造上、背中や腰を上手に動かすことができないと、トモ脚がしっかりと踏み込めず、頭が上がってしまうのです。

頭が上がってしまうと、ハミを受けられない、あるいは受け難くなってしまいます。そのような状態の馬に対して、ネックストレッチを付けることによって頭が下がり、そうなると、トモ脚が踏み込めるようになってきます。トモをしっかりと踏み込むことができるようになれば、歩きやすい、また走りやすいために、より馬への負担は減ることになります。

ただ、より速度が上がれば上がるほど、頭が上がりやすくなるものです。ですから、最初は、なみ脚からネックストレッチをキツメに装着することから始め、しっかりとトモが踏み込めるようになり、ハミを受けることができるようになってから、その延長線上にダグ、軽めのキャンター、そして速いキャンターと、それぞれの段階で同じようにできるようになることを目指すわけです。

言い方を替えれば、頭を上げる馬や立ち上がる馬を矯正するためというのではなく、トモが踏み込めるように、あるいは背中や腰を上手に使えるようにするために使用される馬具でもあるのです。

もちろん、良い面がある一方、気を付けなければならない点もあります。実際、使用してみると、腰が甘すぎる馬には装着し過ぎない方が良いと感じます。時間と強度に気をつけて装着しないと、トモに凄く負担がかかってしまうことになると思っています。

それでも、同じような目的で使用される他の矯正器具よりも、ゴムということで伸縮性もありますので、取り返しのつかない状況までには陥り難いと言えます。矯正力が強過ぎないので使い勝手も良く、人気があるのでしょう。

頭を下げて、トモを踏み込ませて走らせるというのは、本来、乗り手の技術が求められます。しかし、決して簡単ではありません。長い経験を積んできたり、馬術に長けていないと、なかなかできないというのが現実です。

それが、ネックストレッチを装着すると、楽にそうすることができるのです。騎乗者が、前に進む力さえ扶助すれば、頭が下がり、トモを踏み込んで、ハミを受けてくれるのです。僕みたいに、熟練された技術がない人間にとっては、とてもありがたい道具です。

ハミを受けなかったり、頭を上げてしまう馬たちの多くは、口などに要因があることもありますが、実はトモに要因があることも多いのです。

パドックでも装着している馬たちがいますので、ぜひ観察してみてください。競馬でトモが踏み込めるようにと、パドックだけ装着することもあります。

毎度のことながら、長くなってしまいまして、どうもすみませんでした。今週は、スプリングSにモンストールが出走します。ぜひ、良い結果を出して、本番へ向かるように頑張りますので、応援をよろしくお願いいたします。

ということで、最後はいつも通り、「あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞ、よろしくお願いいたします」。