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今週から、ともに今春のクラシックを戦った高橋義博先生との対談です!
2012.7.5

今週から高橋義博先生との対談が始まりますが、先週、福島ジャンプSにバシケーンが出走して、65キロという酷量を背負いながら4着に健闘していましたね。

中山大障害を制して以降、斤量、あるいは脚部不安など、厳しい戦いが続いているものの、それでも4着にきているのですから、改めて力があるなぁと思わせられました。順調にいって、大障害ということになれば、有力候補の1頭になってくるんじゃないでしょうか。

65キロというのは鞍や鉛だけではカバーできないはずですので、(蓑島)靖典(騎手)が重りを装着していたんじゃないかと思っています。そのあたりのことは、また靖典に聞いてみましょう。

それでは、一緒にクラシックを戦ったことをテーマに、高橋先生との対談をお送りいたします。どうぞ。


西塚信人調教助手(以下、西)本日はお忙しいなか、ありがとうございます。そしてクラシックお疲れさまでした。

高橋義博調教師(以下、高)お疲れさまでした。NHKマイルCの分、西塚さんの方が1戦多く走っていますから、西塚さんの方が大変でしたよね。

[西]あ、そうかもしれませんね。今回はそのクラシックを一緒に戦ったということで対談をお願いしました。先生は、助手時代も含めて、春シーズンを通してクラシックを戦った経験は、どれくらいお持ちだったんですか?

[高]調教師となってから、牝馬は桜花賞に3回、オークスに2回ほど出走させていただいています。牡馬はありませんでした。

[西]助手時代はないですか?

[高]以前にもお話をしたと思いますが、障害専用厩舎と言われていた大久保(勝)厩舎が長かったこともありまして、ないのですよ。

[西]3歳牡馬の春のクラシック戦線を戦い抜いて、どのような感想をお持ちですか? 僕自身は、先生と比べるには失礼なくらいの経験で、初めての大変さというのを感じたりしました。

[高]私も同じですよ。


[西]僕自身は、走る馬に乗る機会が決して多くはないのですが、なぜかモンストールには跨がる機会がありまして、新聞等の写真に掲載されることも多かったのですよね。

[高]ギャラをいただきましたか?(笑)

[西]いえ、いただいていません(笑)。むしろ、僕を使っていただいてありがとうございます、という感じですね(笑)。毎日、乗っているわけではないのに、なぜか登場することが多かったですから。

[高]モデルが良いから使われてるとか、内心では思っていませんか?(笑)

[西]うははは(笑)。ありません、ありません。おそらく、追い切りが木曜日に行われることが多くて、前日の水曜日に乗っていることが多かったからだと思います。

[高]なるほどね。

[西]個人的には、モンストールのライバルとして、コスモオオゾラと先生には注目させていただいていたんですよ。


[高]そうでしたか。私も、尾関先生から西塚さんに「速くなるなよ」、「じっくりな」などと、指示が飛んでいるのをいつも聞いていましたよ(笑)。

[西]うははは(笑)。それはありがとうございます。コスモオオゾラは弥生賞を勝ち、そこから皐月賞、ダービーと進んでいったわけですが、その期間というのは、何か違ったものではありませんでしたか?

[高]お恥ずかしい話ですが、うちのスタッフにも、マスコミの方々にも、「平常心です」と繰り返していたのですが、実はあり得ないミスをしでかしたりしていました(苦笑)。

[西]わかります、わかります。普通とは違うんですよね。

[高]同じクラシックでも、女の子の時とはまた違いました。

[西]あっ、そうですか。

[高]最初に桜花賞へ挑戦した時は緊張しました。いまにして思えば、力の差が歴然としていて緊張する必要がなかったのですが、その時はひょっとすると、という思いがあったんですよね。でも、牡馬はまたそれとは違った緊張感がありました。

[西]あの独特の感覚というのは、何なのでしょうか?

[高]言葉にするのは難しいですが、競馬場の雰囲気そのものが違っていますよね。お客さんの数も、圧倒的に違うわけですし。

[西]皐月賞でも、ダービーでも、先生とは言葉を交わさせていただきましたけれど、「頑張りましょう」と言うくらいで、「暑いね」とか「どうですか」といったような普段しているような会話にはならないんですよね。

[高]あっ、そうでしたか。気が付いていないこともあったのかもしれませんね。

[西]緊張していらっしゃるのかなぁと感じて、「先生、緊張していますね」と話かけさせていただいたら、「西塚さん、平常心ですよ」と言われたことがありました。

[高]それは失礼しました。会話をしているのに、会話になっていなかったこともあったはずです。皐月賞の地下道を歩いていた様子がテレビで放映されたらしいのですが、それを見たうちの家内に、「アルゼンチンにいた時のような目付きをしていた」と言われました。前回、お話させていただいた通り、アルゼンチンで移民として働いていたのですが、当時、あちらでは周囲に神経を配っていないといけないという恐怖心があったのですよね。

[西]そういうものなんですね。

[高]その当時の目付きと同じだったと言われた時には、正直、驚かされました。

[西]僕はダービーの本馬場入場の時にテレビに映ったらしく、普段とは違う表情をしていたと言われました。

[高]そうですか(笑)。

[西]でも、あの緊張した雰囲気と高揚した気分、張り詰めた空気は最高ですね。

[高]ニッコリして、リラックスできた方が良いんじゃないかと思います。たぶん、藤沢先生などはそれができるんだと思うんですよね。数多く、クラシックやG1レースを経験されている方々は、平常心でいることができるのだと思います。

[西]そういうものなのですかね。

[高]個人的には平常心で臨めるのなら、その方が良いと思います。人間の緊張感というのは、こちらが思う以上に馬に伝わるものだと感じますから。

[西]そういうものですか。

[高]そう思うから、うちの人間たちにはくだらない駄洒落を言ったりして、何とか平常心を保つように努めていました。

[西]装鞍所で話をされている先生を見て、「先生、ふざけているのか」と思いましたよ(笑)。

[高]オーバーなくらいにやらないと、リラックスしてくれないのではないかと思いました。そうは言いながら、お恥ずかしい話ですが、2週間前に特殊ゼッケンがきて付け替えた時、マイクロチップを付けるのを忘れてしまい、1週前追い切りで坂路をあがってしまったのです。

[西]あっ、そうでしたね。

[高]見ていて、エラーが出たと思ったのです。エラーだと少し遅れて表示されるシステムになっていますよね。それが、そうではないことを把握して、担当者のところに走りました。「おい」と言うと、「すいません」と言われて、マスコミの方々にも「すいませんでした」とお伝えしました。すると、「先生、いいですよ、来週でなければ。来週では困ります」と言われました。

[西]まさに白紙状態だったわけですね。

[高]その時には(柴田)大知騎手が騎乗していて、記者の方々は「いくつぐらいでしたか?」と大知騎手に時計を聞いていました。

[西]なるほど。それが先ほどおっしゃってたミスなんですね。

[高]そうです。

[西]でも、1週前ですから、結構やっていたんじゃないですか?

[高]「終いも追ってほしい」と伝えていました。それが時計が出てこなかったのですから、「申し訳ありません」としか言いようがなかったです。

[西]ニュースとして掲載されていましたよね。「あまりG1に出走することがないので、ICチップ付けるのを忘れてしまいました」というコメントが出ていました。実は、その時に調教スタンドかどこかでお会いしていて、話をさせていただいているんですよ。

[高]あっ、そうでしたか。

[西]すごく落ち込んでいたらどうしようかと思ったりもしていたんです。その話に触れてはまずいのかも、と思ったりして。

[高]言っていただいて構いませんよ。

[西]そうしたら、先生から「ICチップを忘れてしまうくらいだから、ダメですね」という話をされました。

[高]言っていいんですよ。白日のもとに出ていたのですから(笑)。

今週はここまでとさせていただきます。

先週、福島芝1200メートルの新馬戦で5番人気に支持され、4着となったファンアットコートは、入厩してきた時から期待をしている存在です。背中も良く、能力を感じさせられるんですよね。

先々に向けて楽しみだという思いを持っていて、個人的にそれは、アドマイヤマックスの産駒であることもポイントのひとつだったりするんですよ。

モンストールがアドマイヤマックス産駒ですし、1戦で命を落とすことになってしまったアシッドジャズもそうで、能力を感じさせられた存在でしたから。今年、その母の種付け相手を相談された時にも、迷わずアドマイヤマックスと答えさせていただいたのです。トモに独特の緩さみたいなところを感じさせられるのですが、逆にそれがスピードを生んでいるのかと思ったりもするのですよね。

ファンアットコートも、ここから楽しみですよ。もう少し距離があった方が良さそうな印象を受けましたし、変わってくるでしょう。

ということで、最後はいつも通り、「あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞよろしくお願いいたします」。