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高橋義博先生に皐月賞までの話を伺いました
2012.7.12

先週は、松岡騎手とのコンビで出走したコスモバルバラが3着となりました。前走は4コーナーで窮屈になってしまうシーンがあり、今回はバルバラにとってはペースが遅く、向正面で引っ掛かるシーンが見受けられました。何かアンラッキーな面があるんですよね。

未勝利戦で掲示板に載る馬たちというのは、展開などによって結果が変わってくるはずです。バルバラは今回も外枠で外を通らざるを得ない状況になり、小回りの福島ということもあって、そういう面に左右される部分が大きくなったのでしょう。

デキも良かったので楽しみだったのですが、こればかりは競馬ですからね。とはいえ、後が少ないこの時期ですので、何とかまずはひとつ勝てるように、全力でできることをやっていきます。ここまできているのですから、何とかしたい。

さて、今週は、高橋義博先生との対談の2回目となります。それではどうぞ。

西塚信人調教助手(以下、西)コスモオオゾラは弥生賞を勝ってクラシックに向かうこととなったわけですが、聞いたところによると、弥生賞を勝った時が道悪で、その後は、逆テルテル坊主を吊るしたらしいですね?

高橋義博調教師(以下、高)某新聞社の方が制作されたのですよ。最初はビニール傘に吊るして、オオゾラと一緒に撮影したいと言われたのですが、馬は傘を嫌がりますので、万が一、ケガをしてしまう可能性も考えてお断りしました。そうしたら、テルテル坊主だけを持って、オオゾラと一緒に撮影させてほしいということになったのです。そして、撮影の後に「どうぞ」といただいたのです。


[西]コスモオオゾラが出走するたびに吊すことになりますね(笑)。

[高]皐月賞は馬場が悪くなりましたので、効果があったと言われるかもしれませんが、ダービーの時は日にちを間違えられてしまいました。

[西]あっ、そうですね。

[高]翌日の月曜日の昼過ぎに空を見上げて、「テルテル坊主め、1日間違えやがって」と内心思いましたよ(笑)。

[西]うははは(笑)。でも、コスモオオゾラは馬場が良くてもやれるという声もありますよね。


[高]そうおっしゃる方もいるようですね。ただ、33秒台の脚を使ったことはありません。

[西]そういうことで言えば、ダービーの時計と着順は走っているのですかね?

[高]走っています、走っています。だから、両前骨折ということになってしまったのですから…。

[西]経過はどうなのですか?

[高]幸い、骨片が飛んだという症状で済みました。

[西]6ヶ月ですか?

[高]いえ、3ヶ月です。

[西]膝ですか?

[高]いえ、第一種骨です。

[西]それなら、立たせたままの手術ですね。

[高]そうでした。僕自身、立ったままでの手術は初めての経験でした。

[西]でも、良いらしいですよね?

[高]それはそうでしょう。全身麻酔ではなく、局部麻酔で済みますからね。人間でもそうですが、局部麻酔は楽ですから。


[西]そうですよね。一気に両方を手術したのですか?

[高]そうです。馬運車を使うことなく、診療所までも普通に歩いていけたくらいです。

[西]局部麻酔で、立たせたままで球節の手術というのは、馬では比較的新しいですが、評判が良いですよね?

[高]そうみたいですね。

[西]体重が掛かった状態の方が骨片が取りやすい、と言われているみたいです。

[高]昔は、それこそ脚を吊って腹這いで全身麻酔で手術していたのですからね。

[西]話は戻りますが、コスモオオゾラの弥生賞は自信があったのですか?

[高]自信はないですよ、競馬ですから。もし、オルフェーヴルの管理者であったとしても、「自信はない」と答えます。何があるかわかりませんからね。

[西]では、手応えとしてはどうだったのですか?

[高]弥生賞の前の共同通信杯の時は、新聞屋さんたちがけっこう取材に来られて、期待の声が届いていました。結果として5着だったのですが、上位に入った馬たちの末脚が良かったからでもあるのでしょう、弥生賞前になったら、取材に来られる方はほとんどいなかったのです。

[西]あ、そうだったんですか。

[高]そうしたら担当者が「なぜ、取材に来ないのでしょうか?」と言うのですよ。「そんなわけないとは思うけど…」と話していたら、おひとりだけいらしてくださったのです。「なぜ、こんなに評価が低いのか」とおっしゃっていましたが、こちらとしても、そんなに評価が低いかなぁとは思っていました。

[西]その方は見る目があったのですね。

[高]これはぜひ強く伝えていただきたいのですが、決して人気になってほしいということではありません。むしろ、人気にならない方が良いと思っています。人気になれば、騎手も意識しますし、担当者も気にしますし、何よりマークも厳しくなってしまいます。意識したり、気にすれば、ざわざわすると言いますか、動きにも表れてしまい、それは馬に伝わってしまうものです。ですから、極端な言い方をすれば、人気になって良いことはないと思っています。まあ、元来うちは、人気にならないですからね。ただ、冷静に考えて、「そこまで人気にならないくらい力の差があるのかな」とは思いましたし、人気よりはやれる感覚はありましたよ。

[西]馬場が悪くなりましたが、それは歓迎だったのですか?

[高]はい、それはそう思いました。それまでも、2000メートルを2分2秒でさえ走れない感じでしたからね。時計がかかった方が良いという思いはありました。

[西]そう考えると、皐月賞は惜しかったですよね。

[高]皐月賞と言えば、いまでも強く印象に残っているのですが、オオゾラとゴールドシップが並んでいて、装鞍所で気合いをみせているオオゾラに対して、ゴールドシップは悠然と歩いていたのですよ。そして、2コーナー手前で双眼鏡を覗くと、(ゴールドシップは)最後方にいるではありませんか。そこで意識はオオゾラと前にいる馬たちになっていました。ですから、ゴールした瞬間、勝ったのがゴールドシップだとはわかっていなかったのです。「芦毛のあの馬は何だ?」という感じでした。

[西]オオゾラ自身も、勝ち負けのところにいましたからね。

[高]勝てるとまでは思っていませんでしたが、「良い形になっている」と直線入口では思っていました。ゴールした時には、中山の調教師席は見にくいのですが、負けたのはわかりました。ただ、勝った芦毛馬とゴールドシップが頭の中で結びついていなかったのです。

[西]皐月賞と同じ舞台で勝っていて、しかも毎週雨が降って馬場が悪くなっていって、これこそオオゾラのためのお膳立てという印象はありましたよね?

[高]そう、あの時は8週間、毎週雨が降っていましたからね。馬の状態も良くなっていましたし、同じ中山の2000メートルでもありましたので、良い競馬はできるんじゃないかという思いはありました。

[西]弥生賞の時とは違って、マスコミもたくさん来ていたようでしたよね。どうだったのですか?

[高]正直に言うと、ある程度素っ気なく、「うちのは取材しても仕方がないよ。勝つのはディープなんだから」という素振りを見せることで、平常心を保つようにしていました。でも、夢はなんとやらで、期待はありましたよ。

今週はここまでとさせていただきます。

さて、今週は、函館2歳Sにトルークマクトが出走します。抽選をくぐり抜けて出走できることになったわけですが、もしこれが除外だったら、1週間前に北海道へ行っていたことも含めて厳しいものがありました。除外で、そこから他のレースに出走するとなると、小倉、新潟、あるいはその先のレースしか選択肢がないわけですから。

前倒しして新馬戦を始めているわけですから、勝ち上がる馬が増えるのは当然で、今回は新馬勝ち馬が優先ということですが、新馬だけに調整の面からも、できる限り除外のない状況が作られることを望みます。

手綱を取るのは(嘉藤)貴行(騎手)ですが、その嘉藤貴行騎手が次回の対談のゲストになっておりますので、みなさんもぜひメッセージをお寄せください。お待ちしております。

ということで、最後はいつも通り『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞよろしくお願いいたします』。