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頑張っていれば良い馬に巡り会えると信じて、これからも頑張っていこうと思います
2012.7.26

先週は、お話をさせていただいたヴェルデホが見事に新馬勝ちを収めてくれました。滞在競馬で直接携わっていないこともあり、実感が湧いてくるのに間があったりもするのですが、やはり新馬勝ちというのは格別です。どんな良血馬でも、新馬戦を勝てるわけではありませんからね。

今回はダートでしたが、芝の適性についても可能性がありますし、先々に向けて良化の余地を多く残していますので、本当に楽しみです。

さて、今回で、チョンマゲ先生こと高橋義博先生との対談が最終回を迎えます。それではどうぞ。

西塚信人調教助手(以下、西)今春のクラシックにおいては、先生が「ディープ産駒だけではつまらないでしょう」とコメントされたことも印象に残っています。このコーナーでも「頑張ってください」というメッセージが届いていましたよ。格好良過ぎますよ(笑)。

高橋義博調教師(以下、高)あの発言は配慮が足りなかったと反省しています。家内にも「まずいことを言ってしまった」と言ったんですよ。

[西]そうは言っても、先生の厩舎にもディープインパクト産駒がいますからね。

[高]ディープインパクト産駒は素晴らしい子供たちが多い、というのは間違いありませんし、調教師として手掛けたい思いも当然のことながら持っています。ただ、そうではない産駒も頑張っているということを言いたかったんですよね。

[西]ディープインパクト産駒じゃない馬たちも頑張ってこそ、競馬が盛り上がるんじゃないか、という思いがあったということですよね。

[高]その思いはあります。

[西]今年のダービーに出走した馬の中で、サンデーサイレンスの血を引かないのはコスモオオゾラ1頭だけだったということですからね。

[高]そうでしたね。

[西]これだけサンデーの血が支配する形となって、当歳や1歳馬のなかにはサンデーサイレンスの3×3、あるいは2×3というクロスを持つ馬もいると言われていますよね。

[高]いや、掛け値なしで、もし手掛けられるのであれば、ディープインパクト産駒は手掛けたいですよ。でも、そのなかで、亜流の血統背景の馬も頑張っていることを知っていただきたかったですし、それも競馬の面白さだと思っていますから。


[西]確かにそう思います。そのような先生の発言に対して、ファンの人たちからも支持する声があったようですよ。

[高]そうなんですかね。ところで、西塚さんのなかでのモンストールは、どのような印象をお持ちなのですか?

[西]モンストールについて僕自身のなかで特に印象強いのは、完成度の高さと手先のしなやかさ、キレ味を感じさせる動きなんですよね。

[高]なるほど。

[西]モンストールは入厩してきた時からとにかく完成度が高かったのです。トモの緩さとかは2歳ですのでありましたが、ハミ受け、ゴーサインに対する反応、そして怒られた時のリカバリーの仕方など、すべてにおいて古馬と錯覚させられるくらいでした。


[高]そうだったんですね。

[西]いろいろな素質を秘めた馬たちに携わらせていただいていますが、そのなかでもあの完成度の高さはなかなか感じさせられることはありません。ただ、春の3戦でも良化していっていますし、肉体的にも成長しているんですよ。

[高]そうなのですね。

[西]これからは1600メートル前後で、速い時計となる舞台なら、活躍できると思っています。ということですから、これから先はコスモオオゾラと戦うことはなくなるのかもしれません(笑)。

[高]確かにお話をうかがっていますと、路線は離れていくことになりそうですね(笑)。

[西]先生ご自身は、コスモオオゾラのいちばんの良さをどこだと思っていらっしゃるのですか?

[高]タフさでしょうね。今回、骨折してしまいましたが、本質的にはタフガイですよ。

[西]なるほど。そういえば、読者の方々も気になるところだと思うのですが、コスモオオゾラの活躍で商売繁盛となったのでしょうか?

[高]うははは(笑)。いまのところ、変化はございません。

[西]えっ、そうなんですか。

[高]そうですよ。いまのところは、特に変わりませんね。

[西]そうなんですね。では、もしこれを読んでいる方のなかに馬主さんがいましたら、よろしくお願いします、ということで(笑)。

[高]営業をしていただきまして、ありがとうございます(笑)。

[西]いえいえ。先生、オオゾラは秋に向けて楽しみですよね。

[高]そうですね。どういうローテーションになるのかはまだ決まっていませんが、さらにたくましくなってくれると僕自身も期待しています。

[西]最後に、春のクラシックシーズンを戦ってみて、正直、どんな感想をお持ちか、聞かせていただけますか。

[高]ホッとしたというのは、正直な気持ちです。やはり、神経が研ぎすまされていく感覚を覚えましたし、胃が痛くなるくらいの感覚も覚えました。無事にダービーに送り出せた時の感覚はいまでも鮮明に残っています。でも、それが醍醐味なんですよね。何事もそうですが、大変なことがあって、楽しいことがあるわけで、本当に良い経験をさせていただきました。

[西]そうですよね。いやぁ、先生、ありがとうございました。ぜひまたG1で、そしてクラシックで、一緒に戦えるように頑張ります。

[高]モンストールとオオゾラは路線が異なるようですが、ぜひまた一緒に戦えるときが来るように、お互い頑張りましょう。

[西]ぜひ秋にG1を勝ってもらって、2度目の断髪式が行われることを願っております。髪がだいぶ長くなったようですし、ぜひ楽しみにさせていただきます(笑)。

[高]うははは(笑)。

[西]本日はありがとうございました。

[高]こちらこそ、ありがとうございました。


いかがでしたでしょうか。

高橋先生というと、毎朝調教に向かう馬たちの横を一緒に歩きながら、騎乗する人たちに指示をしている姿が思い浮かびます。

この世界は、ブッチゃけさせていただくと、数字だけで判断されてしまうケースが往々にしてあります。努力がそのまま結果に結びつかないことも多くあるものですが、その中で、数字的には決して稼いでいるとは言えない高橋先生が、G1戦線で主役の1頭とともに戦っている姿に、僕自身、励まされました。頑張っていれば、良いことがあるんだと思ったのですよね。

良い馬を連れてくることと、良い仕上げをすることは、似て非なる仕事であると改めて感じさせられました。良い馬に巡り会えるチャンスが大切であり、一生懸命頑張っていれば、そういうチャンスに巡り会えるんだと思って、僕自身も頑張ります。

個人的にも、コスモオオゾラは菊花賞での走りが楽しみなので、注目しています。みなさんにも、ぜひ応援していただければと思います。また、機会があれば対談もお願いしたいと考えていますので、その際はどうぞよろしくお願いいたします。

ということで、最後はいつも通り「あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞ、よろしくお願いいたします」。