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今回の驚異的な勝ち時計は、素直に評価すべきだろう
文/編集部(T)、写真/森鷹史

最近、2歳戦の馬券を検討するときは、特に時計に注目するようにしている。

考え方はシンプルに、最初に速く走った実績のある馬をピックアップし、次に時計を詰められそうな馬をピックアップする、というもの。受験生時代に“努力は嘘をつかない”と言われ続けてきたが、これを競馬に置き換えると、“時計は嘘をつかない”となる。

自分は現役時代に一度受験に失敗しているので、“努力は~”というのは眉唾ものなのだが(笑)、そこは努力が足りなかったから、ということにしておこう。競馬は一番速く走れば勝てるので、受験よりも単純なはず(?)だ。

ということで、この時期の2歳OPの場合は、単純な持ち時計だけでなく、新馬戦や未勝利戦からさらに時計を詰められそうな馬を探す必要がある。

そういう視点で見ると、今回の小倉2歳Sを制したマイネルエテルネルはどうだったのか。このコースで行われた新馬戦の勝ち時計は、今回のメンバー中で6位となる1分8秒8前半600mを33秒6のペースでハナに立ち、そのまま後続を寄せつけず②着馬に3馬身半差をつけた。

勝ちっぷりは文句のないものだったが、時計を詰められるかどうかと考えると、自分としては“差して勝ったのならともかく、逃げ切りだったので、大幅に時計を詰めることはできないのでは?”と考えてしまった。

そして、今回のレース。マイネルエテルネルは、前半600mが前走より0秒9速い32秒7のペースを楽々と中団で追走し、4コーナーで②着馬クラウンレガーロに先に抜け出されたが、直線でこれを一完歩ごとに追い詰め、最後にハナ差交わして重賞制覇を飾った。

勝ち時計はタイレコードとなる1分7秒9新馬戦から0秒9速いペースで前半を走り、勝ち時計も0秒9詰める結果となった。要するに、完全に読み違えていたわけだ(苦笑)。

一方で、1番人気④着に敗れたエーシンセノーテは、前走のフェニックス賞、今回がともに1分8秒4で走っている。馬場の差はあるが、現時点での力はしっかり発揮できたと考えられる。

力のある馬がきっちり力を発揮したという点においても、同タイムの②着クラウンレガーロとともに、今回のマイネルエテルネルの勝ち時計は素直に評価すべきなのだろう。まさに“時計は嘘をつかない”だ。

ところで、“マイネル”といえば2歳戦から力を発揮するイメージだが、2歳重賞勝ちとなると10年新潟2歳Sマイネイサベル以来、牡馬としては06年京王杯2歳Sマイネルレーニア以来、6年ぶりとなる。

2歳重賞を勝ってそれっきり、という馬もいる。しかしこの2頭は、4歳となった現在も活躍しているマイネイサベルはもちろん、マイネルレーニアも4歳になってスワンSを制しており、“マイネル軍団”は決して早熟なだけで終わらない奥の深さも持っている。

では、マイネルエテルネルもそれに続けるか。それを推測する要素として、血統に目を向けてみたい。

タマユズ自身は日本では馴染みがない(日本にいる現役産駒はマイネルエテルネルのみ)が、父系はガルチ~ミスタープロスペクターに繋がる。タマユズの父ネイエフは名牝ハイトオブファッションの産駒で、種牡馬として活躍しているナシュワンなどの弟にあたる。近親にはディープインパクトなどもいて、奥の深さを感じさせる血統といえる。

タマユズ自身も、2歳時に2戦2勝の成績を残し、3歳時には後のBCクラシック勝ち馬レイヴンズパスを下してG1ジャンプラ賞、ディヴァインライト産駒で、仏クラシック勝ち馬のナタゴラを下してG1ジャックルマロワ賞を制し、マイルG1で2勝の成績を残している。

また、母父ピッコロは日本でスプリントG1勝ち馬カルストンライトオ、サニングデールを出したウォーニングを父に持ち、自身も5ハロンのG1ナンソープSを制している。

父系、母系ともにスピード豊かな血統といえるが、父系から考えるとスプリンターとは言い切れない印象も受けるし、成長力は父系、母系ともに示している。

ここで時計に話を戻すと、90年以降、芝1200mを1分7秒台で勝った2歳馬はマイネルエテルネルを除くと3頭しかおらず(01年フェアリーSのサーガノヴェル、04年クリスマスローズSのアイルラヴァゲイン、10年2歳新馬戦のブラウンワイルド)、その3頭はいずれも後に重賞を勝っている。

これだけの時計で勝つというのは、実力がなければできないということか。以上を踏まえると、単なる早熟スプリンターとは考えづらいのだが、どうだろうか。

卓越したスピードは今回十分に示した。今後は距離を延ばしていくことが考えられるが、どこまで対応できるかがポイントとなるだろう。