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ダイワファルコンはこの後も変わる力を秘めているのかもしれない
文/編集部(M)、写真/稲葉訓也


惜敗続きだった馬がいともあっさりと勝利し、「これまでのレースはなんだったんだ!?」と思うことはよくあるが、今回のダイワファルコンもまさにそんなパターンだった。

手応え良く抜け出して、2馬身差の快勝福島記念を2馬身以上の差で勝つのは、96年マイヨジョンヌ(2馬身差)以来になる。単勝馬券を持っていた人も、まさかここまでの圧勝を見せるとは、思っていなかったのではないだろうか。

ダイワファルコンが初めて重賞に挑戦したのは、3歳春の弥生賞だった。忘れもしない。穴ぐさ💨だったからです(笑)。

当時の推奨コメントには、こんなことが書かれていた。「前走は500万で競り負けたが、まだ真剣に走っていない感じだった。おじのダイワメジャーはデビューから②着→①着と来て、500万で④着に負けた後のスプリングS③着→皐月賞①着。強い相手と戦う時に真価を発揮するのではないか。」

このコメント通り、レースでは、ヴィクトワールピサ(①着)とエイシンアポロン(②着)という後のG1馬が連対圏で争うなか、ダイワファルコンは内を捌いて伸び、朝日杯FS③着のダイワバーバリアンとの接戦を制した(③着)。

強い馬と戦ってこそ、真の実力を発揮する。そんなイメージだったのに、なぜか古馬になってから再挑戦した重賞の舞台では、押し切れないレースが続いていた。

これまでの重賞では[0.2.1.7]。10度の挑戦で①着がなかった一方で、勝ち馬から1秒0以上離されたことも2度しかなかった。数々の重賞ウイナーたちに先着を果たしてきたのだから、ダイワファルコンタイトルホルダーになっていないことがむしろ不思議なくらいだった。

ダイワファルコンはご存じスカーレットインクの牝系で、前述したおじのダイワメジャーは母(ダイワルージュ)の弟にあたる。

ダイワメジャー6歳時マイルG1を2勝したし、同牝系のヴァーミリアン8歳時Jpn1を勝っている。ベテランになっても成績が落ちづらい系統だが、しかし、気になることがあった。父ジャングルポケット×母父サンデーサイレンスという配合馬が、4歳以上に重賞で勝利するケースが少なかったのだ。

父ジャングルポケット×母父サンデーサイレンスという配合馬は、これまでにJRA重賞で12勝していた。トールポピーアヴェンチュラフサイチホウオーアプリコットフィズなど、2~3歳のG1で注目される存在を多数輩出しているが、その重賞勝利の大半は2~3歳時で、4歳以降だと[2.8.3.59]と勝ち切れないことが多かった。

もしかして早熟になりやすいのか? そう思うようになってからもダイワファルコンが惜敗を重ねたため、すっかりダイワファルコンは重賞タイトルに縁がないのか……」と思うようになってしまった。

今回の福島記念では、その疑念を良い意味で裏切られたわけだが、改めてその血統を見て、膝を打つことがあった。

JRA重賞を5歳以上で制したジャングルポケット産駒は、今回のダイワファルコンで4頭目(のべ6勝)となるのだが、面白い共通点があるのだ。

■5歳以上でJRA重賞を勝ったジャングルポケット産駒
馬名 母父
母母父
クイーンスプマンテ サクラユタカオー
ノーザンテースト
ジャガーメイル サンデーサイレンス
ノーザンテースト
トーセンジョーダン ノーザンテースト
クラフティプロスペクター
ダイワファルコン サンデーサイレンス
ノーザンテースト

おおっ、ノーザンテースト!!

そういえば、父トニービン×母父ノーザンテーストというのはニックス配合で、サクラチトセオーエアグルーヴテレグノシスというG1馬を輩出した。そればかりか、その3頭はいずれも5歳以降JRA重賞を制している。ジャングルポケットはトニービンの産駒だから、このニックスが活力の源となっているのではないだろうか!?

こんなことを書いたらサンデーサイレンス様に怒られるかもしれないけれど、このことに気づいてからは、そんな気がして止まらなくなってしまった。

古い格言で恐縮だが、ノーザンテーストの産駒は3度変わる」などと言われた。成長力が優れていることを言い表したものだが、これは母系にノーザンテーストの血を内包しているジャングルポケット産駒にも当てはまるのではないだろうか。

5歳秋に初めて重賞タイトルを手に入れたダイワファルコンが、今後どんな成績を残していくか。これからも変わっていく=成長していく力を秘めているのかもしれない。