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ジャパンC史上に残る三冠馬同士の叩き合いだった
文/安福良直、写真/森鷹史


ジェンティルドンナVSオルフェーヴル。素晴らしき叩き合いにただただ拍手! という今年のジャパンCでした。まあ、惜しむらくは審議の時間が長すぎたことでしょうか。確かに揉める場面ではあるけど、名勝負の余韻に浸る時間が審議、というのはもったいない。こういうのは早く決着させるべきですね。

その問題の場面は、最後の直線で、前にいたビートブラックを2頭が交わすときに、オルフェーヴルジェンティルドンナのせめぎ合いで起きたこと。でもここはお互い勝つために譲れないところなので仕方ないでしょう。

それよりも、外に振られても走るフォームが崩れなかったオルフェーヴルのバランスの良さは、改めて凄いと思いましたね。並みの馬ならよろけてしまっていたかも。

とにかく、牝牡の三冠馬同士が、馬体を併せてビッシリと叩き合った数十秒間は「素晴らしい」の一語。ずっとこの叩き合いが続いてほしいと思える、夢のような時間でした。最強馬を決めるジャパンCは毎年こうでありたいですね。

なんだか締めの言葉をもう書いてしまった感じですが、続けましょう。

筆者は久しぶりに週刊誌で予想する機会があって、「ジェンティルドンナ自信の本命!」と言ってしまったので、審議の結果が出るまでドキドキものでしたが、今日は私の想像を超えるジェンティルドンナの姿を見させていただきました。

馬体重はマイナス14キロで、パドックでも少し落ち着きがない様子。この2点は不安材料と呼べるもので、しかもゲートが開くと好スタートを決めて前につける競馬。精神を落ち着かせたいところで前に行ったら、引っ掛かって大敗するんじゃないか、と思ったのですが、そうならないのがジェンティルドンナの強み。

前にビートブラック、外にトーセンジョーダンがいてくれたこともあって落ち着きを取り戻し、折り合いはスムーズ。しかし、直線で外からオルフェーヴルにかぶせられるし、いったんは前に出られているし、で決して楽な展開ではなかったはず。

ずっと3歳牝馬とばかり走っていたので、牡馬に揉まれる形もマイナスでしょうが、それもはねとばしたのだから想像以上の勝負根性。最後はオルフェーヴルより斤量が4キロ軽いのがプラスに働いたとは思うけど、この叩き合いに勝つというのは本当に凄い。今日の勝ちで年度代表馬の座はほぼ手中に収めたでしょうが、今後はさらなる高みへ駆け上ってほしいです。

一方、②着のオルフェーヴル。まともに叩き合って負けた、というのはショッキングなことですが、そこは4キロの斤量差のため、ということにしていいでしょう。元気なように見えていても、どこかに凱旋門賞疲れが残っているのではと思っていたのですが、それを微塵も感じさせない走りでした。

こちらも枠は大外だったし、ずっと外々を回らされる展開で、手応え十分ながらも決して楽な競馬ではなかったはず。それでいて最後までジェンティルドンナを追い詰めたあたりは、さすがオルフェーヴル、という内容でした。

今回はジャパンC史上に残る叩き合いだったと思うし、今後もジェンティルドンナVSオルフェーヴル名勝負を何度も見たいですね。競馬を盛り上げるのは、名勝負がいちばん!

さて、2頭の走りがあまりにも素晴らしくて、他の馬たちについて語ることがほとんどないのですが、今後に(というか有馬記念に)期待を持たせる内容だったのが、逃げたビートブラックと⑥着のトーセンジョーダン

ビートブラックは3コーナーから引き離しにかかるという、あの春天を彷彿とさせる逃げ。コーナーの多い有馬記念ではハマるかも。トーセンジョーダンは、調教もパッとせずまだまだの状態に見えながらも、先行して粘り込む内容。これが上向きのキッカケになるかも。

ところで、外国馬は今年もまったく見せ場なし。今後は、実績が劣っていても日本の馬場には合いそうだという馬を探してくるとか、横山典騎手など日本の名手に騎乗を頼むとか、何か工夫をしないと今後も好勝負は期待できません。日本馬が強くなったと言うけれど、それでも本気で勝ちに来る姿勢を見たい。