今年、中長距離のG2、G3ではベテラン勢も侮れなくなる!?
文/編集部(T)
中山金杯は、1年最初の重賞として定着している。他にもこういう方は多いと思うが、自分は
「新年最初の重賞で的中できれば、この1年は馬券が好調のはず」とゲンを担ぐ人間なので、
中山金杯は欠かさず買うようにしている。ただし、ハズした場合はその事実をきれいさっぱり忘れないといけないが(笑)。
それは個人的な話だが、今年の競馬を占う上では、
世代のレベル差がどうなのか、という点にも注目していた。
昨年、各世代を比較する際に大勢を占めていた意見が
「3歳馬は強い」というものだった。となると、当然今年に入ると
「明け4歳世代は強い」となるはずだろう。
ただ、今回は
ジェンティルドンナ、
ゴールドシップなどのトップクラスは当然出走していないので、G1戦線は別。今回はこの
中山金杯のような
「中長距離のG2、G3戦線において、明け4歳勢は本当に強いのか?」ということを占うべくレースに注目していたわけだ。
人気を見ると、1番人気に推されたのは4歳馬の
ジャスタウェイ、2番人気に7歳馬の
タッチミーノットを挟み、3番人気も4歳馬の
ダイワマッジョーレが推された。やはり世間の評価も
4歳勢優勢と見ていたようで、自分も4歳勢を中心に馬券を組み立てた。
しかし結果は、中団やや前から差し切った
タッチミーノットが①着、好位から早め先頭に立った6歳馬
アドマイヤタイシが②着。
ジャスタウェイは後方から差を詰めたものの、③着に終わった。
逃げた
ドリームセーリング(6歳)が④着に粘っているように、
ある程度前にいた馬が有利な流れだったとはいえ、
ベテラン勢が4歳勢を抑える結果となった。
予感はあった。昨年開催された芝2000m以上の3歳以上・G2、G3において、実は
3歳馬(=明け4歳馬)は[0.2.0.10](複勝率16.7%)で、
4歳馬[5.5.8.29](同38.3%)、
5歳馬[5.4.4.52](同20.0%)、
6歳以上の[4.3.2.72](11.1%)に対してさえも、抜けて成績が良いわけではなかった。
対して、芝2000m以上の3歳以上・G1では
3歳馬が[2.2.0.6](複勝率40.0%)、
4歳馬が[1.2.2.16](複勝率23.8%)、
5歳馬が[2.1.3.24](複勝率20.0%)、
6歳以上に至っては[0.0.0.22]だ。
G1戦線での
ゴールドシップ、
ジェンティルドンナをはじめとするトップクラスの活躍により、
“(昨年の)3歳は強い”というイメージが定着していた。しかし、もちろん3歳勢の成績が悪かったと言い切ることはできないが、
中長距離のG2、G3戦線においては古馬の方が好成績だったのだ。
今回の
中山金杯を予想する上でも、“明け4歳は強い”という幻想に引きずられてはいないかな……ということは少し頭をよぎったが、前述のデータなどは知らなかったために、個人的な馬券もハズレ。その結果、これからこの事実を忘れなければいけなくなってしまった(苦笑)。
このレースだけで判断することはできないが、少なくとも
「G2~G3戦線においては、明け5歳以上の馬も互角に戦えそう」という視点で予想する方がいいのではないか……と、今回の結果を受けての教訓としたいと思います。
ところで、勝ち馬
タッチミーノットについては、これが7歳にして初の重賞制覇となる。
父ダンスインザダークも今年20歳を迎え、種牡馬としては大ベテランの域に達してきたが、その健在ぶりを見せつける結果となった。
09年天皇賞・秋などを制した
カンパニーをはじめ、高齢馬が大活躍した年があったが、
金杯が今年1年を占うものとしたら、
ベテラン馬、ベテラン種牡馬が復権を果たす年になる……かもしれない?