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単なる復活ではない、5歳での本格化をも期待される走り
文/浅田知広、写真/森鷹史


昨年「なんで中京の改修は終わったのに、東海Sは京都代替継続なんだ?」と思った方も多いはず。そして同時に「これは来年変わるってことなんだろうなあ」とも考えられたことだろう。

しかし、いったいなにがどう変わるのか。これはちょっと難しい問題で、その答えは、昨年はなかった「1月の中京開催への移動」だった。今年の「第30回」は、99年まで暮れに行われていたウインターS(97~99年は東海ウインターS)から数えてのもの。今回、年明けにはなったものの、それと近い時期に戻ってきた、と言ってもいいだろう。

ただ、実際のところは、昨年までこの時期に行われていたG3・平安Sとの入れ替わり。しかし、G2、G3というグレードまで入れ替えてしまって良かったものか。

両レースの勝ち馬を並べれば、やはり旧・東海Sのほうが旧・平安SよりもG2っぽい名前が多く、過去3年のレースレーティング旧・平安Sは104.25→105.00→106.50、東海Sが109.00→108.25→106.00。昨年の逆転はあるものの、平均を取れば東海Sが上だった。

ともあれ、今年は帝王賞ではなく、フェブラリーSが視野に入る時期に行われるようになった新・東海S。今後のレースレーティング次第では「やっぱりG3だよね」という話になろうというもの。平安SのG3からG2になり、賞金も上がったことでどんな歴史が作られていくのか、その行方を占う今年の一戦だ。

そんな視点で出走メンバーを見渡した最初の印象は「やっぱりG3だよね」ソリタリーキングヤマニンキングリーオースミイチバンといったG2・Jpn2優勝馬の名前も見られたが、いずれも人気薄。人気上位に推されたのは、G3勝ちまでのホッコータルマエに、重賞未勝利のグランドシチーハートビートソングと、将来への期待などはさておき、実績面だけ見ればG3っぽい面々である。

しかしそんな中に、ちょっと違うぞ、という馬が1頭。G1ではなくJpn1、そして3歳馬同士だったとはいえ、一昨年のジャパンダートダービーで頂点を極めた4番人気・グレープブランデーだ。

骨折から復帰後の阿蘇S優勝は「このメンバーだからなあ」という印象ではあったが、その後2戦はJpn1優勝馬として重い斤量を課せられた中でまずまずの競馬。そして前走・ジャパンCダートも4コーナーで前に並びかけようかという場面まで作って⑤着と、確実に復調気配は見せていた。

そして迎えたのが今回の東海Sだった。遅れ気味のスタートでこの馬としてはやや後ろの位置取りだったが、1コーナー過ぎには中団の一角を確保。勝負どころで徐々に前の馬を交わしていくと、直線は1頭違う脚色を見せ力強く抜け出した。それも、他の上位人気馬より重い斤量を背負って②着ナムラタイタンに3馬身差、実力馬の復活と言うにふさわしい圧勝劇だ。

また、すでにジャパンダートダービーを制しているとはいえ、奥手でこれからさらに上も狙えるという陣営の言葉通り、単なる復活ではない、5歳での本格化をも期待される走りだった。

次に控えるフェブラリーSは東京ダート1600m。グレープブランデーは3歳時、ジャパンダートダービーの前走・ユニコーンSで、出遅れや外に振られるロスなどもありながら②着。やや距離不足の感もあるものの、出走すれば十分に対応は可能だろう。

そして秋には、よりこの馬向きの舞台も待っている。来年の今ごろは「やっぱり東海SはG2で良かったね」と言えるようになっているのかどうか、これからのグレープブランデーの走りに注目だ。

最後にひとつ、ちょっとしたデータを紹介しておこう。

実は新・中京のダートコースは、他場のダート以上に520キロを超す大型馬の好走確率が高く、この東海Sも532キロのグレープブランデーと、524キロのナムラタイタン重い馬体重2位、3位の①着、②着だった。そんなデータを先週末に調べておきながら、なぜ自分は馬券を外しているのか……。皆さんは今後、ぜひ馬券作戦にお役立ていただきたい。