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すべてはここを勝つために敷かれていたレールだったか
文/編集部(M)、写真/森鷹史


最後の直線で先に抜け出しを図ったのがケイアイレオーネ(兵庫ジュニアGP勝ち馬)で、その内から差したのがベストウォーリア(兵庫チャンピオンシップ②着馬)、外から追い込んだのがサウンドリアーナ(端午S勝ち馬)。結局、③着はサウンドトゥルーケイアイレオーネが同着となったが、すでにダートOPで実績のある馬が上位入線を果たす結果になった。

3コーナーを回る時、ベストウォーリア戸崎騎手も、サウンドリアーナ武豊騎手も、同じように折り合いに苦労する感じだった。ただ、ベストウォーリア4枠6番という枠順で、サウンドリアーナ7枠12番。最後は通った位置の差もあったのだろうし、距離を短縮されてきた馬と延長されてきた馬の違いもあったように感じた。

サウンドリアーナは重馬場の東京ダートとはいえ、34秒9というの時のような上がりを使った。ファンタジーSを制した時の上がりが34秒5で、それに近い切れ味を見せながら届かなかったわけで、負けて強しの内容だったと言える。

折り合い面を考えれば、サウンドリアーナは、やはりベストは1400mなのだろう。芝でもダートでも高いパフォーマンスを見せられる馬で、1400m戦の時のようなペースであれば、活躍の場は多いはずだ。

1400mのG1というのは例外的にしか施行されないが、今年はJBCが金沢競馬場で行われ、JBCスプリント1400mで、JBCレディスクラシック1500mで行われる。どちらも馬場を1周するコースなので、距離が合っても流れに乗りにくい可能性もあるが……陣営のみなさん、一考されてはいかがでしょうか?

勝ったベストウォーリアは、折り合い面を考えれば枠順が良かったのだろうし、直線に向いてから前が詰まりかけながら途中から内が開き、上手くいった面もあるのだろう。ただ、このレースに向かうまでが順調で、その時点ですでに良い流れが作られていたようにも思う。

前走の兵庫チャンピオンシップでは、②着に入ったものの、勝ったコパノリッキーには6馬身の差を付けられた。休み明け初戦で序盤に行きたがり、それを抑えるために馬の後ろに入れられ、まったくスムーズなレースではなかった。

しかし、その前走の教訓が今回に活かされたのだろうし、一度使われて、2勝目を挙げた東京ダート1600mに戻る臨戦過程も良かったのだろう。すべてはこのユニコーンSを勝つために敷かれていたレールだったかのようだ。

ベストウォーリアサウンドリアーナと並び、今回の3強の一角と目されたチャーリーブレイヴは、これとは対照的に順調ではなかったことの影響があったのではないか。

中間にフレグモーネを発症して昇竜Sを回避し、今回は約4ヶ月ぶりとなった。チャーリーブレイヴ自身は休み明けでも勝利実績があったが、ユニコーンSが夏季開催になってからは休み明けで優勝した馬が出ておらず、やはり、休み明けで重賞を勝つのは簡単ではないということだろう。

スタートで遅れたので、そこからレースの流れに乗れなかった面もあったのだろうが、ベストウォーリアの臨戦過程などと比べると、チャーリーブレイヴはこのレースに至るまでに流れが作れていなかったように感じる。ただ、逆に言えば、ベストウォーリアがそうであったように、チャーリーブレイヴも今回の教訓が活かされれば、次走以降に巻き返してくるだろう。

チャーリーブレイヴヒヤシンスSを1分36秒6という時計で勝ったが、これは並み馬ができる芸当ではない。ダート戦は、とにかく経験が活きてくることが多いので、今回の敗戦が糧になることも十分に考えられる。

今夏の古馬混合のダート戦では、降級の関係もあって4歳馬が圧倒的な成績を収めていて(35戦中25勝)、特別競走で優勝した3歳馬鷹取特別(6月15日阪神9R)のエーシンゴールドだけだ。現4歳世代はダートでの層が厚く、3歳馬がそれらを打ち破っていくのは並大抵のことではないだろう。

それでも、昨年のホッコータルマエなどがそうだったように、古馬に跳ね返されてもその都度に強くなり、高みを目指していくことを期待したい。ベストウォーリアサウンドリアーナが3歳世代を引っ張り、さらに新しいダート戦線を作り上げていってほしいものだ。