独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン


“ゲート”について、いただいたご質問にお答えします
2013.8.15
✉️応援、質問メッセージを送る

いやぁ、毎日暑い日が続いていますが、みなさん大丈夫ですか。熱中症にかかったりしていませんか?

先週まで4回にわたって大竹先生との対談をお伝えきましたが、今週からまた皆さんからいただいたご質問にお答えしていきます。

今週はPNふだにぃさんから届いたご質問にお答えします。

「ゲートに関する質問です。JRA職員の枠入れ係?ではなく、厩務員さんが付いて枠入れするのは申請などが必要なのでしょうか? また枠の後方に白ロープをつけて枠にうながす馬など、ゲート試験に合格規定とかあるのでしょうか? あとずっと気になってたことで、厩務員さんが自分の馬を枠入れした後、レインコートのみたいなオレンジのズボンを、ゲートが開く前に脱いでる映像がしょっちゅう映っていて、見た目よくないです(苦笑)。スタート切るまで待てないのでしょうか?」

担当者がゲートに付き添うときは、本馬場に入って、馬を返し馬に放すと、ゲート行きのバスに乗り込むことになります。そこで、馬番を告げて、引いてゲートに入れることを告げています。

付き添わない人たちは、バスに乗らずに、スタンドの厩務員席で観戦することとなります。

ゲートを見ると、緑のユニフォームで黄色のヘルメットの人と、厩務員さんに分かれていることがお分かりいただけると思います。緑のユニフォームを着ているのはゲート係で、レース以外にも、普段はトレセンでゲート練習、あるいは試験に臨場している専門家なのです。

ゲートに誘導する人は、乗っている人と同じくらい重要な役割を担っています。もし誘導する人と馬のリズムが合わなかったりすると、ゲートに入らなくなってしまう可能性もあります。

その点、ゲート係の人はとても上手です。普段から担当している厩務員さんたちよりも上手いこともあるくらいです。

ですから、厩務員さんが返し馬の後にメンコを外すような、装備に関する場合だけでなく、馬によっては付き添って、馬を安心させるためにゲートの前に立ち、入れるのは係の人にお願いすることもあります。

誤解のないようにお願いしたいのですが、必ずしもゲートに付き添うことが良いということではありません。馬にもよりますし、その時々の状況によっても付き添わないことが良いときもあります。何よりも係の方々は上手だということです。

また、白いロープでお尻を押してゲートに入れるということですが、これは基本的にはやってはいけないことになっています。

ゲート試験では白いロープは使用しませんし、レースでロープを使ってゲート入りをした馬については再試験、あるいは練習が課せられます。

ときに、ゲート入りの際に長いステッキを使用している姿をみかけるはずですが、なかなか入らない馬に対してゲート入りを促す際に、まずはステッキを使用して、それでも駄目なときにロープが加わっていきます。

次に、ゲート試験の合格基準ですが、入り、駐立、発進、そして加速という4項目について、2回ゲートを出すことで審査が行われています。

「入り」は騎乗者の扶助によって、スムーズにゲートに入れることができるか。「駐立」はゲートの中で静止していることができるか。「発進」はゲートが開くと同時に騎乗者の扶助によってスムーズにゲートを出て、「加速」はスムーズに加速できるかということを発走委員が審査することになっています。

実は、どのくらいゴネたら駄目か、中でどのくらいうるさいと駄目なのか、ゲートから何ハロンを何秒で行かなければならないのか、というような、明確な基準は存在しません。

曖昧といわれれば曖昧ということになるのかもしれませんが、その試験だけを見て判断しているのではないからなんです。

例えば、練習を重ねた結果として、1完歩目は遅くても、そこからその馬なりではあるものの、しっかりと加速できるようになっていた場合、繰り返し練習している姿を発走委員の方々も観察していて、総合的に判断しているということなのです。

実際、発走委員の方々は我々と一緒になって練習に取り組んでいて、すべての馬について、特徴、個性、癖などの話をして、ときには調教について相談もしています。ですから、発走委員の方々はそれぞれの馬について様々なことを把握しています。

↑ゲート練習の様子

試験でできることはもちろん重要ですし、そこでできなければ駄目なのですが、ゲート練習から試験までを点ではなく、線で把握した上で、総合的に判断されていると思います。

ブッチャけさせていただきますが、馬によって差があるのは事実です。どんなに練習しても1完歩目が遅い馬もいれば、加速が他の馬よりも時間を必要とする馬もいるんですよ。

逆に、育成牧場でもそれほど練習していないのに、トレセンで少し練習しただけで簡単に出来てしまう、センスの良い馬もいます。

話を戻しますと、1完歩目が遅い馬、あるいは加速に時間がかかる馬が競馬に勝てないかというと、決してそうではありません。

もちろん、あくまで皆と一緒にゲートを出ることが求められている以上、できる限り同じように発馬しなければならないのですが、それぞれの持つ“差”について考慮されることは必要なことだと思います。

また機会を見つけて、ゲートについてはお話をさせていただきたいと思いますが、練習することで反応が良くなったり、あるいはトモの踏み込みが良くなって、スムーズに発進できるようになったりということはあります。

ただ、センスに負うところが大きいということは、これまで僕自身の決して多くはない経験のなかでさえも感じます。1週間に3回も4回も練習したからといって、すべての馬がロケットスタートをできるようになるということではないということなのです。

最後に、厩務員さんたちがオレンジのズボンを脱ぐのを、発走するまで待てないのかというご指摘ですが、難しいというのが正直なところです。

ゲートが開くと、すぐにバスに乗り込み、ゴールを駆け抜けた馬たちを迎えにいかなければならないのです。実際にやってみると、時間ギリギリというか、騎手に待ってもらってしまうこともあるくらいタイトな時間なんです。

レースはバスのなかで流されているラジオで確認していますが、地下道を通ると聞こえなくなってしまったりして、馬が引き上げてきて着順を知るということもあるくらいなんですよね。

そのくらい時間がないということで、ゲートが開く前にズボンを脱ぐことはご理解いただければと思います。馬券を買われた後、ゲートで厩務員さんたちは結構忙しいんだなぁ、と思いながら見ていただければと思います。

※あと数回、皆さんからいただいたご質問にお答えする回を予定しています。西塚助手への「指令」、質問、西塚助手へのメッセージなどは、上部リンクからお送り下さい!