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阪神JFでも有力、その先の桜花賞でこそ本領発揮!?
文/浅田知広、写真/森鷹史


昨年新設された2歳牝馬限定重賞・アルテミスS。レース名そこ変われど、事実上は500万特別・赤松賞の重賞昇格で、阪神JFへ向けたステップレースとして、明確に位置づけられたことになる。その昨年はここから阪神JFに4頭が駒を進めたが、アルテミスS優勝馬・コレクターアイテムの④着が最高着順という結果に終わった。

しかし翌春には、このアルテミスSでは③&②着だったウインプリメーラアユサンが、チューリップ賞で②&③着に好走。さらに、そのアユサンは本番の桜花賞を制してみせた。一時は失敗かという雰囲気も漂いかけた重賞昇格も、結果的には成功を収めたと言っていいだろう。

来年は2歳重賞に大きく手が加えられることになったが、このレースは1週繰り上がるだけの小さな変更止まり。赤松賞の優勝馬からは、近年だけでも09年のアパパネ(阪神JF①着)や、08年のダノンベルベール(同②着)が出ており、今後はこのアルテミスSも、阪神JFのステップレースとして役割を果たしていくことになりそうだ。

さて、そんなアルテミスSの第2回となる今年も昨年に続くフルゲートの18頭立て。中でも注目されたのは単勝10倍を切った2頭、2.8倍(1番人気)のクリスマスと、3.7倍(2番人気)のマーブルカテドラルだった。

クリスマスは函館芝1200mで新馬函館2歳Sと2連勝。今年は馬場悪化に悩まされた函館だったが、まだ良かった開催前半の新馬で7馬身差のレコード勝ち。そして函館2歳Sも直線入口で先頭に立って2馬身差の完勝と、スピードは存分に発揮していた。

連勝を伸ばすなら来週のファンタジーS(京都芝1400m)に回ったほうが良さそうなタイプだが、阪神JFにメドを立てるならマイル戦のここということだろうか(関東馬でもある)。

対するマーブルカテドラルは東京芝1400mで新馬勝ち。新潟2歳S⑤着を挟んで、前走・中山芝1600mの芙蓉Sでオープン制覇を飾っていた。前走の内容から距離そのものには不安はないものの、新潟2歳Sでは折り合いを欠いて先行してしまっており、直線の長いコーナー2回のコースに戻って、しっかり折り合いをつけられるかがカギになるレースだった。

スタートはかなりばらついたが、互角に出た中では11番クリスマスより内の馬がみなダッシュ良く先行し、これより外の馬は軒並み後方へ。結果、内で出遅れたマイネグレヴィルパシフィックギャルの前は開いたままで、200mほどであっさり巻き返すことが可能だった。

これにより、前では6~7頭がごちゃつき、先行勢の中では最外枠だったクリスマスは終始外を回る競馬を強いらることになった。一方、マーブルカテドラル危惧された通り行きたがる面は見せていたものの、前に先行「集団」が形成されたことによって、中団馬群でなんとか我慢がきいていた。

その差が出たのが、直線で坂を駆け上がってから。楽な手応えで前を射程圏に捕らえていたかに見えたクリスマスが、残り200mで失速して⑦着敗退。かわって大外から脚を伸ばしたのがマーブルカテドラルで、早めに抜け出したパシフィックギャルを一気に差し切って2連勝を飾ったのだ。

ダイワメジャー産駒は父同様に、3歳になってから結果を出し、年齢を重ねてもうひと伸びする馬も多い。その一方で、2歳戦は勝ち上がる馬こそ多くても、重賞ではエピセアローム小倉2歳S(11年)以降24連敗中だった。

その連敗に終止符を打ったマーブルカテドラル。まだ折り合い面に課題を残す感じだが、それだけ成長の余地も残しているということ。阪神JFでも有力ながら、その先の桜花賞でこそ本領発揮という可能性もあるだろう。

そして⑦着に敗れたクリスマス。距離延長が響いたようにも見えるが、道中外を回る展開に加え、今回は休み明けでプラス14キロだった。直線半ばまでは勝ちそうな雰囲気もあっただけに、ひと叩きされた次走、前に壁を作る競馬に持ち込めれば一変しても不思議はないだろう。

また、②着のパシフィックギャルマーブルカテドラル連敗を喫したが、直線強襲の前走から一転して、早めスパートという作戦面で距離に対応してきた。本質的には中距離向きだろうが、この競馬ができれば引き続きマイル戦でも楽しみだ。