プレイアンドリアルはコスモバルク以上の伸びしろを秘めていそうだ
文/編集部(M)、写真/稲葉訓也
年始に
グリーンチャンネルで放映された
「新春BIG対談2014」(吉田照哉氏と岡田繁幸氏の対談)を観た人にとっては、今回の
京成杯の結果は感慨深いものだったのではないか。
対談中、
岡田繁幸氏は
プレイアンドリアルについて触れ、「これしかないと思ってやっている」と話し、
アルゼンチン方式の調教について解説した。
アルゼンチンでは、道中で掛かる馬に対して、スタートして200~300mで馬を完全に止め、そこからもう一度走らせることで、
掛かり癖を矯正するという。
朝日杯FSで掛かって⑦着に敗れた
プレイアンドリアルは、レース後に北海道のビッグレッドファームに戻り、その
アルゼンチン方式の教育を施されているという話だった。
対談中、
岡田氏は
京成杯に出走することを明言し、「馬券は買わないでください(笑)」と冗談めかして話されていたが、今回はその調教が実ったわけだ。
プレイアンドリアルは道中で掛かる面をまったく見せず、戦前に
混戦と言われたレースを
完勝してみせた。
吉田照哉氏は、
プレイアンドリアルが
京成杯に出走予定であることを聞くと、
キングズオブザサンの話に触れた。
同馬は
チチカステナンゴの産駒だが、
吉田氏はその名前に興味を持ち、馬名の由来を尋ねたという。
キングズオブザサンはマヤ文明が題材の映画『太陽の帝王』の英題名で、それは父の
チチカステナンゴ(マヤの文化が残るグアテマラの都市名)から取られたものだった。
吉田氏はその『太陽の帝王』のDVDをわざわざ購入して鑑賞されたそうで、そのために「思い入れが強い」と話されていた。
対談の放映から2週間が経ち、
プレイアンドリアルと
キングズオブザサンは
京成杯に出走を果たし、こうしてワンツーフィニッシュとなった。2馬身差を付けて快勝した
プレイアンドリアルはもちろんのこと、大外枠で終始外を回りながら連対圏を確保した
キングズオブザサンも強い内容だったので、両馬がこのまま
今年のクラシック戦線の主役となっても、まったく不思議ではないだろう。
優勝した
プレイアンドリアルは、
コスモバルクの再来、いや、
コスモバルクも超える逸材と言われる。
コスモバルクは3歳時に
百日草特別→
ラジオたんぱ杯2歳S→
弥生賞と連勝し、
04年皐月賞では1番人気に支持された。
しかし、結果はご存知の通り、②着。大外枠で外を回り、早めに進出を試みたものの、先に抜け出た
ダイワメジャーに1馬身1/4差を付けられた。
ダイワメジャーは社台ファームの生産馬で、当時は1勝馬(芝は未勝利)だった。
コスモバルクは
弥生賞優勝時のタイムが2分0秒5(良)で、
皐月賞はそれよりも1秒7も速い1分58秒8(良)で走破した。それでも
ダイワメジャーには0秒2差を付けられたもので、これは
高速馬場に負けたというより、
サンデーサイレンス産駒の驚異的な伸びしろに屈した格好だろう。
プレイアンドリアルの今回の勝ち時計は2分1秒1(良)で、クラシック制覇へ向けてはやはり
時計の短縮が求められそうだ。ただ、
プレイアンドリアルはレコード決着となった
東スポ杯2歳Sでクビ差の②着に好走しているし、
コスモバルクとは違って
サンデーサイレンスの血を内包している(父デュランダルの父がサンデーサイレンス)。まだまだ伸びしろを秘めているのではないか。
今年の
ダービーでは、
コスモバルクから数えれば
10年、
グランパズドリーム(
86年ダービー②着)から数えれば
28年の時を経て、
岡田繁幸氏の悲願が成されるか、注目が集まりそうだ。
そういえば、現3歳の牡馬で芝1800m以上の重賞を制した馬は3頭いるが、いずれも
悲願のダービー制覇がかかった馬だ。
プレイアンドリアルは
岡田繁幸氏の、
東スポ杯2歳Sを制した
イスラボニータは
蛯名正義騎手の、
ラジオNIKKEI杯2歳Sを勝利した
ワンアンドオンリーは
橋口弘次郎調教師の、それぞれの悲願がかかっている。今年の
ダービーも、見ごたえあるレースになるに違いない。
ちなみに、「新春BIG対談2014」の中で
吉田照哉氏は、現3歳世代から夜間放牧をスタートさせたことにも触れ、馬が丈夫になって成果が上がったことを話されていた。「アルゼンチンでも何でも、良いと思ったら取り入れる(笑)」と明言されていた。社台ファーム生産の3歳馬からも、まだまだ
クラシック路線に乗ってくる馬が現れるのだろう。