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器用さとスピードでロサギガンティアが一枚上手だった
文/編集部(M)、写真/川井博


今年のスプリングSは1~4番人気(アジアエクスプレスベルキャニオンロサギガンティアクラリティシチー)の単勝オッズが10倍を切り、5番人気のモーリスが19.8倍、6番人気のサクラエールが36.0倍で、上位人気4頭が抜けた形だった。そして、その4頭のうち3頭が③着以内に入り、③着クラリティシチーと④着モーリスとの差は1馬身1/4。単勝オッズと似た結果になった。

上位人気4頭のうち馬番が5番以内ではなかったのはクラリティシチー(6枠10番)だけで、同馬は前走で前が詰まって②着に敗れて賞金を加算できなかったので、今回は不利を受けずに外を回って皐月賞への優先出走権を取りに来ることが想像された。

クラリティシチー以外の3頭(アジアエクスプレスベルキャニオンロサギガンティア)は2~3枠で、このうち、どの馬が上手く内を立ち回って脚を伸ばしてくるか? その期待に応えて、快勝したのはフジキセキ産駒ロサギガンティアだった。

ロサギガンティアはもともとスタートがあまり速くない馬で、ただ、道中で行きたがる面があるだけに、道中で急かすことは難しいタイプ。その面をテン乗りのM.デムーロ騎手がどう御すかと思って見ていたが、出遅れたものの道中はまったく掛かるところを見せずに徐々にポジションを押し上げていき、距離ロスを最小限に抑えて勝利した。実にフジキセキ産駒らしい、内を器用に立ち回るレースぶりだった。

アジアエクスプレスロサギガンティアの後ろを付いて行き、直線で脚を伸ばして②着まで上がったが、勝負所でのスピードがロサギガンティアには及ばなかった。これはロサギガンティア叩き2戦目で、アジアエクスプレス休み明け初戦だった違いか。それとも、父サンデー系サンデーの血を持たない馬との差だろうか。

今回のロサギガンティアの勝利を受けて、スプリングS社台グループの生産馬が6連勝となった。社台ファームの生産馬が3連勝で、一昨年はM.デムーロ騎手が騎乗したグランデッツァが勝ち、昨年はC.デムーロ騎手ロゴタイプが優勝、そして、今年はM.デムーロ騎手(ロサギガンティア)だ。

グランデッツァロゴタイプ皐月賞M.デムーロ騎手で1番人気に推されたが(グランデッツァは⑤着、ロゴタイプは①着)、今年はM.デムーロ騎手の短期免許期間が3月末までのため、本番では乗り替わりが予想される。

フジキセキ産駒はJRAの芝G1で7勝を挙げているが、そのうち6勝は騎手が継続騎乗してのもので、鞍上が乗り替わった馬は[1.5.3.56]という成績となっている。果たして、ロサギガンティアの次走は誰が騎乗するのか。鞍上スタート折り合いと、皐月賞では3つの要素に注目が集まりそうだ。

今回のスプリングSを終えて、今年の皐月賞へのトライアルレースはすべて終了した。このまま行けば本番では、弥生賞を制したトゥザワールド共同通信杯で重賞連勝を飾ったイスラボニータ、そして、ロサギガンティアあたりが上位人気を形成する形だろうか。ただ、この3頭に関しては、血統的には不安もある。

イスラボニータロサギガンティアフジキセキ産駒で、同産駒はJRAの芝G1では2000m以上だと勝てていない([0.6.1.63])。トゥザワールドキングカメハメハ産駒なので距離に不安はないが、父ミスプロ系の馬中山芝2000m以上のG1に限ると勝ち馬が出ていない([0.2.6.58])。どちらもけっこうな出走頭数で勝利実績がないので、これは不安と言わざるを得ないだろう。

ならば、ディープインパクト産駒が!? と思う人がいるかもしれないが、こちらはこちらで不安が出てきている。

今週の中山ではフラワーCスプリングSという重賞が2レース行われ、どちらにもディープインパクト産駒が複数出走していながら、1頭も馬券に絡めなかった。スプリングSで5番人気以内に推されながら、唯一、掲示板外となったのがディープインパクト産駒ベルキャニオンで、同馬の走りを見るにつけ、不安が増幅してきている。

ディープインパクト産駒は昨年11月以降の中山芝での成績が良くなく、特別競走に限ると2勝しか挙げられていない([2.4.4.39])。その2勝は昨年12月のもので、朝日杯FSに出られなかったミッキーアイルが圧勝したひいらぎ賞(12月14日)を最後に勝ち馬が出ていないのだ。

大種牡馬に関する不吉なデータは見つけた途端に覆されることが多いので、このディープインパクト産駒のデータも声高に叫ぶ必要はないと考えていたが、今回のベルキャニオンの走りを見て改める必要性を感じた。今の中山芝は、ディープインパクト産駒には重すぎるのではないか。

逆に、今回のスプリングSではアジアエクスプレスが②着に食い込み、中山芝重賞におけるグレイソヴリン系内包馬の連続連対は継続された。昨年11月以降、中山での芝重賞は13レースが行われ、そのうち3代血統表内にグレイソヴリン系を内包している馬が出ていたのが12レースで(例外はフラワーC)、いずれのレースでも連対馬が出ている。

ただ、注意したいのは父がグレイソヴリン系ではない馬の方が良いことだ。中山芝2000m以上のG1では、父がグレイソヴリン系の馬は[0.3.5.52]で勝った馬はいない。今年の皐月賞では、母父や3代目にグレイソヴリン系を持つ馬が狙い目となってくるのではないだろうか。