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『かもしれない予想』も必要だったか……
文/編集部(M)、写真/稲葉訓也


ユニコーンSが6月開催となった01年以降、前走をダートOPで走って勝ってきた馬は13年連続で馬券に絡んでいた。今年の該当馬は前走で端午Sを勝ったメイショウパワーズだけで、過去の傾向を考えれば、軸馬は同馬が相応しかったのかもしれない。ただ、メイショウパワーズはそのレースぶりが気になり、評価はあまり上げなかった。

メイショウパワーズは過去に4連対を記録していたが、それは逃げてのもの(3連対)と外枠で馬群の外を回ってのもの(1連対)。砂を被って好走した経験がなく、今回の5枠9番という枠順だと対応しきれるのか、不安に感じたのだ。

好スタートを決めたメイショウパワーズは外目の3~4番手を追走し、砂を被らずに直線に向いた。これを見た時には「やられたか」と思ったが、追い出されてから伸びが見られず、結局、⑨着に敗れてしまった。

道中のペースは前走の端午Sとほとんど変わらず、事実、前走で②着に破ったコーリンベリーが今回も②着に踏ん張ったのだから、メイショウパワーズの敗因はいまいち掴みかねる。間隔が空いていた(中6週)影響でもあったのだろうか。

「メインレースの考え方」では、◎をアジアエクスプレス、○をバンズーム、▲をレッドアルヴィスにして、結果、▲が①着、○が③着となったが、肝心のアジアエクスプレスどこさもない着順(⑫着)に沈んでしまった。

考えようによっては、アジアエクスプレスメイショウパワーズ以上に危ない枠順だったのかもしれない。アジアエクスプレスはダートが2戦2圧勝だったが、砂を被った経験はなく、1枠2番という内枠で大丈夫なのか?と考えることもできたと言える。

ただ、メイショウパワーズは過去にダートで砂を被って敗れたことがあったので、危ない予感がしたが、アジアエクスプレスはそういった過去がなく、芝での近3走が強く印象に残っていて、なんとなく「大丈夫だろう」と思ってしまった。芝G1馬というタイトルを目にして、メガネが曇ってしまったか……。

車の教習所では、「人が飛び出してこないだろう」とか、「対向車が曲がってこないだろう」といった【だろう運転】ではなく、「飛び出してくるかもしれない」、「曲がってくるかもしれない」といった【かもしれない運転】を心がけるように指導された。単勝オッズが1倍台の馬がいるレースでも【かもしれない予想】をするべきなのだろうか。内で包まれるかもしれない……、砂を被って嫌気を差すかもしれない……。JRAのダート重賞で単勝1倍台の1番人気が馬券圏外に沈んだのは、12年フェブラリーSトランセンド(⑦着)以来となった。

優勝したレッドアルヴィスは近2走で⑥④着と敗れていて、巻き返しての重賞制覇となった。ただ、前走(三浦特別)は古馬相手でレコードタイムが樹立されるような展開で、先行して0秒4差に粘っていた。2走前のヒヤシンスSは出負けして後方からとなり、先行決着になって届かなかったもの。スムーズに走れれば、3歳トップクラスの実力があることを証明してみせた。

戦前は、アジアエクスプレス以外はもしかしたら同日の9R(青梅特別)に出走する3歳馬たち(グレナディアーズアナザーバージョンフィールザスマート)の方がレベルが高いのではないか?とも思っていた。ところが、その青梅特別は3歳馬・フィールザスマートが制したものの、勝ち時計は1分36秒3ユニコーンS1分36秒0で、こちらの方が斤量も背負っていたのだから、決してレベルが低かったとは言えない。レッドアルヴィスは、いち早く古馬と対戦し、経験を積んで強くなった面もあったのだろう。

もし今回のレースでアジアエクスプレスが圧勝していれば、3歳ダート路線は一強という評価になっていたかもしれないが、群雄割拠という表現が当てはまりそうな様相を呈してきた。地方競馬にはハッピースプリントという大物もいて、今後はいろいろなレースで実力馬が激突するケースが出てきそうだ。

3歳ダート重賞は、7月9日(水)に大井競馬場でジャパンダートダービーが行われ、8月にはレパードSが予定されている。アジアエクスプレスもこのまま引き下がるわけにはいかないだろうから、どこで巻き返してくるか。ダート路線は戦国時代を迎えることになるのかもしれない。