データ派として、今回のトーホウアマポーラの勝利は嬉しかった
文/編集部(T)、写真/川井博
予想をしていて、
「いかにもここは好条件」という馬の取捨に悩むことはしばしばある。自分もそうなのだが、データを重視する人間にとって、予想するたびに突きつけられる至上命題のようなものかもしれない。
そして、そんなときどうするか。大別すると
「信用する派」と
「疑ってかかる派」に分かれそうだが、
「信用している人が多かったら疑ってかかる派(その逆も)」も多そう。自分はというと、
「その日の流れによって変える派」かもしれない?(それが一番良くないのだが)
なぜこんな話をしたかというと、
トーホウアマポーラは今回
「買いたくなる要素」が多かったからだ。
どこまで多かったか、
「おトクな出馬表」で挙げたデータも交えながら振り返ってみたい(データはレース前のもの)。データを重視しない方は
「たまたまじゃない?」と思う話もあるかもしれないが、少しおつきあいください(笑)。
①芝1200mが[4.4.1.1](このコースは1戦して②着)これは一目瞭然。⑩着に敗れた前走の
阪神牝馬Sは芝1400mで、前が詰まる場面もあったが最後は脚をなくしたような感じだった(それでも0秒4差なので、大きくは負けていなかったが)。これを踏まえ、距離短縮は明らかにプラスと思われた。では、芝1200mで唯一馬券圏外に敗れたのはどんな時だったのか?となるわけだが、これは後述。
②斤量53kg以下が[1.1.1.0]トーホウアマポーラは今回の馬体重が496kgで、牝馬としては馬格のある馬だが、それでも斤量が軽いに越したことはない。結果的に今回は
メンバー最速の上がり33秒7を記録したわけだが、これは軽ハンデの恩恵もあっただろう。
③馬券圏外の次走が③③②着馬の調子など敗因はいろいろあっても、
「2戦連続で大負けしたことがない」ということをどこまで重視するかは人それぞれかもしれない。しかし、一度の敗戦でズルズル負けが込むようになる例はしばしば見かける。そういう面がないのは強みと言っていいのでは。
④ふた桁馬番で[2.2.3.0]トーホウアマポーラは今回が
馬番11番。馬混みを気にする馬は多い。逆に
「外枠で前に壁を作れず行きたがり……」というコメントを聞くこともまた多い。これは馬の性格による部分が大きそうだが、本馬は外枠でも問題なく折り合いをつけられるということなのだろう。
ざっと見ただけでも、
トーホウアマポーラにとって今回はこれだけの好条件が揃っていた。これだけ見ると
「馬券を買わない理由がない」とも思えてくるが、当然ながら好条件ばかりではなかった。こちらも列挙してみたい。
①過去の休み明けが[0.2.0.2]トーホウアマポーラは今回が約3ヵ月ぶり。これまでは休み明けで好走歴はあるが、勝ち切れてはいなかった。そして、前述したように本馬は芝1200mが[4.4.1.1]だったが、
唯一の大敗(⑧着)は5ヶ月半の休み明けだった。久々で勝ち切れていないのは自分も少し気になった(なってしまった、かも)。
②血統的なデータこれはいくつかあって、
「5歳以上のフジキセキ産駒は新装後の中京芝2000m以下で[0.2.4.29]」だったり、
「フジキセキ牝馬は芝重賞で前走⑩着以下だと[1.2.2.60]」だったり。特にベテランのフジキセキ産駒が中京で結果を残していないのは気になった。
改めて振り返ってみると、
好材料の方がインパクト大なことは否めない(笑)。そして、結果はご存じの通り。
トーホウアマポーラはマイナスデータを覆し、見事な末脚で勝ち切った。
そして、データ派の自分としては、今回
トーホウアマポーラが勝ち切ったことは
少し嬉しかったのである(馬券が当たっていればもっと嬉しかった)。
データが絶対ではないし、当然ながら競馬には相手がある。いくら好条件が揃っていても、強い相手とぶつかれば負けることはあるだろう。そして、ひとつのレースに出走する馬についてのデータでも、良いものと悪いものがある。それぞれのデータのどれを重視するか、予想する上で取捨選択が重要になるだろう。
普段は
穴ぐさ💨が注目されがちだが、
「おトクな出馬表」では上位人気が予想される馬を中心にデータを示しているので、そちらも予想の材料としてご注目ください、という宣伝でした(笑)。
最後に
トーホウアマポーラについてひとつデータを。同馬は前述したように今回が約3ヵ月ぶりだったが、
過去の休み明け2戦目は③①①着と馬券圏外がない。人気はしそうだが、もし大きな間隔を空けずに出走してきたら注目してみてはどうでしょうか?