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2歳戦早期決戦の函館2歳Sは時計面に着目したい
文/編集部(W)、写真/川井博


昨年の函館2歳Sは、好スタートを切ったクリスマスが2番手から抜け出して快勝。函館芝1200mで行われた函館2歳Sでは85年ダイナアクトレスの勝利を最後に1番人気が25連敗中だったが、クリスマスがその連敗を見事にストップさせたのである。

珍しい記録が飛び出したと思ったら、今年は4番人気のアクティブミノル逃げ切りを決め、②着タケデンタイガー(11番人気)、③着トウショウピスト(2番人気)で牡馬が③着以内を占める結果となった。

まず、函館2歳Sで逃げ切りを決めたのは92年マザートウショウ以来で22年ぶり。ただ、この年は重馬場で、良馬場での逃げ切りとなると88年サザンビーナスまで遡らなければならない(ちなみに、松永幹夫元騎手(現調教師)の重賞初制覇でもあった)。

88年と言えば、アクティブミノルを勝利に導いた藤岡康太騎手が生まれた年で、オグリキャップタマモクロスを下して有馬記念を制した年でもある。この年の有馬記念は12月25日に行われていて、藤岡康太騎手の誕生日は12月19日だから、暮れの大一番直前だったという。

話が脱線したが(笑)、函館2歳Sで逃げ切るのは簡単ではないということ。今年もアクティブミノルを含めて前走で逃げていた馬が7頭もいたように、そもそも逃げるのも容易ではないという話もある。

次に、牡馬が③着以内を占めたのはその88年よりもさらに前で、81年(①着ホクトフラッグ、②着イーストボーイ、③着モノローグ)以来で実に33年ぶり。ただ、この年は出走馬11頭中10頭が牡馬で、牝馬はピンザカール(⑪着)のみという状況だった。

今年は16頭中7頭が牝馬だったから、正々堂々(?)と函館2歳Sは牝馬が強い」というセオリーを覆したと言えるだろう。

一昨年から開催時期が7月に早まったことが影響しているのだろうか。その因果関係は定かではないが、開催時期が早まってから函館2歳Sでレアケースが続出しているのは事実だ。

それはそれとして、アクティブミノルの勝利は実力で掴み取ったものであり、称賛されてしかるべきだろう。

前記したように、まず逃げに持ち込むのが難しい函館2歳Sで逃げを打てたこと。藤岡康太騎手がレース後の勝利騎手インタビューで「行く馬がいれば番手からでもいいと思っていましたが、スタートと二の脚が速かったので(ハナへ)行きました」と話していたように、スタートとその後のダッシュが抜群だった。

二の脚が速かったのは新馬戦と同じだが、新馬戦はスタートがひと息だった。それを連闘での2戦目でしっかりと修正してくるあたりはセンスなのだと思う(もちろん、藤岡康太騎手の扶助もあるだろうけど)。

アクティブミノル新馬戦(函館芝1200m、開催9日目)の勝ち時計1分9秒8マイネルエスパス(1分9秒5、開催4日目)に次ぐ2位だったが、開催時期を考えると価値は同等とも判断できる。

いずれにしても、昨年のクリスマス(函館芝1200mの新馬戦1分9秒3で勝利、開催6日目)に続き、函館芝1200mの新馬戦で1分9秒台で勝利していた馬が2連勝したことで、検討材料が乏しく、力関係の比較が難解な2歳戦早期の函館2歳Sでは、「1分9秒台の持ち時計」というのが勝ち馬検討の上でひとつの目安になってくるかもしれない。

また、前走の未勝利戦(函館芝1200m)で前半3F33秒5というハイペースで逃げて押し切っていた②着タケデンタイガー函館2歳Sが厳しいペースになるだけに、テンに速い脚を使えて踏ん張れるというのは適性的に直結しやすい面があるように感じた。「前半3F33秒台」も注目しておく価値はありそうだ。

一方、「1分9秒台」の時計を持ちながら1番人気で⑤着に敗れたマイネルエスパス。スタート直後に隣の馬と接触したせいなのか、それとも本番で初めて控える競馬をしたせいなのか、前半は力み気味で、それが終いの脚に影響した感じだった。

③着トウショウピストは大外枠から馬群の外を回らされたことを考えれば頑張ったと言えるが、展開や枠順など、ちょっとしたことが勝敗を大きく左右するのも函館2歳Sであると再認識させられた。