7歳でも24戦目というキャリアが若さの秘訣か?
文/編集部(M)、写真/稲葉訓也
開幕週に組まれた新潟芝直1000m戦は、
閃光特別(土曜日9R)と
アイビスサマーダッシュ(日曜日11R)の2レースで、前者は
ミラクルアイドルが逃げ切りで制した。そのタイムは
55秒1で、これは昨年(
55秒0)とほぼ同じ。
今夏の
新潟開催は10月初旬までの
ロングランなので、もしかしたら昨年とは異なる馬場状態なのでは?とも思ったが、そのようなことはなく、
アイビスサマーダッシュの勝ち時計も昨年とほとんど変わらなかった(今年が
54秒3、昨年が
54秒2)。
昨年は
ハクサンムーンがハナを切り、内から追いすがった
フォーエバーマークとの一騎打ちに持ち込まれて③着以下を離したので(②着と③着の差は3馬身半)、
2頭の速さが際立った。今年は①着の
セイコーライコウから⑥着の
ブルーデジャブまでが0秒2差で、着差がつかなかったものの、
時計が遅かったわけではない。全体のレベルが低かったとは言えず、その中で
セイコーライコウは快勝したのだから、
その強さは認めるべきだろう。
セイコーライコウは2枠2番という内枠だったが、それについて鞍上の
柴田善騎手は
「全然気にならなかった」とのこと。
柴田善騎手は新潟芝直1000mの成績が良く、枠はどこでも好成績だったし、何よりこの馬で
韋駄天Sを制した時が内枠(2枠3番)だったので、自信を持って臨んでいたようだ。
過去の
アイビスサマーダッシュでは
7歳以上の馬が③着以内に入ったことがなく、
セイコーライコウは年齢(7歳)が気になったが、長期に渡って休んでいた時期があり、
馬は若いという評判は本当だったようだ。
7歳というのは
パドトロワと同じで、
パドトロワが
2007年4月20日生まれだから、細かいことを言えば、
2007年3月9日生まれの
セイコーライコウの方が年上とも言える。しかし、
パドトロワがすでに33戦をしてきていたのに対して、
セイコーライコウは今回が24戦目。もちろん斤量差もあったのだろうが、今回は
セイコーライコウが
年齢を感じさせない走りを見せた。
セイコーライコウは夏が得意というわけではないとの話もあり、実際に馬体重が
12kgも減っていた(12kg減の484kg)から、
猛暑の影響は少なからずあったのではないかと思う。それだけに、秋の
スプリンターズSに向けては今後のケアがポイントになってくるのではないか。
管理する
鈴木康弘調教師は1976年(昭和51年)開業の大ベテランで、調教師生活は来年2月までとなる。2ヶ月後の
G1の舞台に
セイコーライコウをどんな姿で出走させてくるか。腕の見せ所だろう。
セイコーライコウ以外に掲示板に載った4頭はすべて
6~7枠で、外枠有利の影響も感じられるレースだった。そんな中、昨年②着の
フォーエバーマークは直線で伸びきれず、
⑦着に敗れてしまった。
フォーエバーマークは今年の復帰戦となった
韋駄天Sで②着に入り、力のあるところを見せたものの、その後は
函館スプリントS⑤着、
アイビスサマーダッシュ⑦着と着順を落としている。この2戦は昨年に比べて斤量が1kg増えているが、走破時計も
0秒2~0秒3だけ落としていて、その点は気になる。6歳秋に再び勢いを取り戻すことができるだろうか。
②着に入った
フクノドリームは軽斤量で外枠の利もあったのだろうが、初の直線競馬で
54秒4というタイムで連対圏まで突入したのだから立派だ。
アイビスサマーダッシュでは
サチノスイーティー(06年)と
テイエムチュラサン(05年)という2頭の
3歳ウイナーが出ていて、それには及ばなかったが、
テイエムチュラサンは直線競馬が2度目での優勝だったし、
サチノスイーティーが制した時は雨中で時計がかかっていた(勝ち時計が55秒7)。
ハクサンムーンが3歳で初めて直線競馬に出た時(
12年アイビスサマーダッシュ)は
54秒5というタイムで④着だったし、
カルストンライトオが3歳で初出走した時(
01年アイビスサマーダッシュ)は
54秒2で③着だった。それと比較しても今回の
フクノドリームはよく走っていて、今後の活躍が楽しみになったと言えるだろう。