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ダービーは自分との戦いに勝てるかがカギに!?
文/石田敏徳、写真/川井博


サトノクラウンVSスプリングS組ドゥラメンテ。大まかに書けばそんな図式が描かれた今年の皐月賞だが、終わってみればただただ、ドゥラメンテ“爆発力”が際立つ結果となった。それにしても何と荒々しい勝ち方だったことか。というわけで早速、関係者のコメントを交えながらレースを振り返ってみよう。

逃げると思われていたスピリッツミノルは鞍上が押しても叩いても反応は鈍く、結局は先手を奪えずじまい。「もともと、出足は速くないので、むしろ外めの枠のほうがよかったかも」とは酒井学騎手の弁である。

こうして包まれてしまった逃げ馬を横目に、キタサンブラックが先頭に押し出されかかったものの、“ならばオレが行く”とばかりに横山典弘騎手クラリティスカイが外から先手を奪う。ただし前半3ハロンのラップの内訳は12秒5-10秒7-12秒0(35秒2)。その後も平均的に緩みのないラップが刻まれ続けたことが伏線のひとつになった。

スタートを決めたリアルスティール福永祐一騎手は、2番手に控えたキタサンブラックを少し前に眺めながら好位集団の内めを追走。一方、立ち遅れ気味のスタートを切ったサトノクラウンドゥラメンテはともに後方で末脚勝負に構えた。とはいえ、前半1000mの通過が59秒2と全体的にレースが“流れた”わりに、先頭から最後方までの隊列は短め。馬群は凝縮する形で勝負どころに差し掛かる。

その4コーナー、外を回して押し上げにかかったサトノクラウンC.ルメール騎手に対し、ほぼ同じ位置にいたドゥラメンテM.デムーロ騎手は馬群をさばくコース取りを選択。ところが最終コーナーをターンする際に突然、ドゥラメンテが大きく外に膨れ、前を横切られる形になった後方待機組が軒並み不利を受けてしまう。「道中はリラックスしていい感じで走れていたけれど、今日は4コーナーでチャンスがなくなってしまった」(ルメール騎手)というサトノクラウンも、斜行の影響を受けた1頭である。

そんなアクシデントを尻目に前方では、懸命に逃げ粘るクラリティスカイキタサンブラックがとらえにかかり、その背後から楽な手応えを保ったままでリアルスティールが襲い掛かる。2頭のレース運びはともに理想的といえるもので、普通ならそのまま決着するところ。しかし“普通じゃなかった”のがドゥラメンテ爆発力だった。

大きく外に膨れて向いた直線の入口、鞍上が態勢を立て直して追い出しにかかると、凄まじいほどの末脚を発揮。先に抜け出したリアルスティールをたちまち呑み込み、デムーロ騎手がゴールのかなり手前でガッツポーズをとるほどの、余裕のフィニッシュを決めた。

レース後の検量室では「お前がもう少し頑張ってくれたらなあ」浜中俊騎手に声をかける福永騎手の姿があった。理想的にレースを運べ、キタサンブラックをあまりにも楽にかわして早めに先頭へ抜け出した結果、馬が少し気を抜いてしまった。そんな意味である。

とはいえ、その福永騎手「並ぶ間もなくかわされてしまったし、今日のところは完敗ですかね」と認めたように、キタサンブラックが“もう少し頑張って”くれたとしても(ちなみに浜中騎手「上位の馬とは決め手の差が出た感じです」とコメント)大勢は覆らなかっただろう。

レースのラスト3ハロンのラップは11秒7-11秒4-11秒6。この上がりタイムを惰性に任せたのではなく、「大きく外に膨れる→態勢を立て直す→そこから加速」という手順で悠々と差し切った末脚の威力にはただただ、目を見張るしかない。

「初めての右回りだったこと、ファンの大声援を馬が怖がったためもあり、4コーナーでは大きく外に膨れてしまいましたが、そこからビックリするような脚を使ってくれました」とは4度目の皐月賞制覇を果たしたデムーロ騎手の弁。一方の堀宣行調教師「他の馬に迷惑をかけてしまいましたし、(ダービーに向けて)これからしっかり矯正していきたい」と課題をあげた。

ちなみに堀調教師によると、「短期放牧を何度か繰り返したためもあり、最近はだいぶ落ち着きが出てきていた」という気性だが、入厩当初から「並足をしているときに突然、立ち上がったりする面があった」とのこと。この日のパドックでもテンションの高さ(前脚を高く振り上げて“行進”するような格好をしていた)が目立ち、爆発力と背中あわせの難しさを感じさせていた。

それだけに“一強”として臨むことになりそうなダービーでは、自分との戦いに勝てるかどうか、要は爆発力暴発の方向に振れないかがカギを握る。蛇足ながら母のアドマイヤグルーヴは、単勝1.7倍と圧倒的な支持を集めたオークスで⑦着。穴党としては付け入る隙がないこともないと思うのだけど、さてどうか?