「外枠」「牝馬」のキーワードはずっと健在だった
文/編集部(T)
アイビスサマーダッシュを予想する上で、
「牝馬」と
「外枠」が外せない要素といえる。
「牝馬」については、01年の創設から11年まで、G1馬となった
カルストンライトオ以外の勝ち馬は全て牝馬だった。ところが、
パドトロワが制した12年以降、牡馬が3連勝していて、
少し風向きが変わりつつあった。
人間の世界でも馬の世界でも、近年は特に女性が強い。自分は男なので、そんな流れに抗うように(?)このレースを勝っていく牡馬勢を、どことなく
頼もしく見ていた気もする(笑)。
一方で
「外枠」は、ふた桁馬番の馬が1頭も馬券圏内に入らなかったのは12頭立てだった第1回のみ。ただ、昨年は2枠2番の
セイコーライコウが制している。今年はどうか。
「すでにやってるよ」という方も多いとは思うが、自分も最近になって土曜の結果を分析し、それを日曜に活かす試みを始めた。結果に出るかどうかは別にして、
なにもやらないよりはマシ……と自分では思っている。
アイビスサマーダッシュが開催されるのはご存じ新潟芝直1000m。土曜にこのコースで開催されたレースは
閃光特別のみなので、要素として使えるのはこのレースのみ。13年と14年も開幕週の土曜に
閃光特別、翌日に
アイビスサマーダッシュが開催されているので、その比較も含めて振り返ることにした。
すると、ひとつ共通点が見えてきた。13年
閃光特別の勝ち馬は馬番15番、
アイビスサマーダッシュは馬番13番でともに
ふた桁馬番、14年
閃光特別は馬番8番、
アイビスサマーダッシュは馬番2番でともに
ひと桁馬番の馬が制していた。
そして、今年の
閃光特別は馬番11番の馬が勝利。すると今年は
ふた桁馬番の馬を信頼していいのでは? と考えられた。
このレースで
ふた桁馬番の牝馬はベルカントのみ。かつての
アイビスサマーダッシュならばこれだけで飛びつきたくなるが、個人的には
ベルカントが1番人気に推されたのは
少し驚いた。
というのも、重賞2勝の実績は認めても、7戦連続で馬券圏内がなく、しかも今回は
CBC賞を挫創のために出走取り消し明けで、約4ヵ月ぶり。しかも
ベルカント自身も鞍上の
M.デムーロ騎手もこのコースが初ときた。
8枠13番という枠は絶好だが、
「これは牡馬にも付け入る隙がある……」と考えた。
一方で昨年の覇者
セイコーライコウは大外枠。昨年比で1kgの斤量増は気になるが、こちらの方を信頼したくなったのは、
自分が男だからという理由ではないはずだ(笑)。
結果、勝ったのは
ベルカント、
セイコーライコウは④着。ワイドすら当たらない結果に、
「いつものアイビスサマーダッシュだよなあ……」とレース後に思わされた。
思えば昨年も7枠11番の牝馬
フクノドリームが②着に入っており、
「外枠」だけでなく
「牝馬」というキーワードも
創設以来ずっと健在だったのだろう。見失っていたのは、自分だけだったようです……。
今後、
ベルカントは
サマースプリントシリーズ制覇を目指すとのこと。前走はダートを使われるなど、路線を模索していたようだが、
この勝利で再び自分の道を見つけ出した形。08、09年を連覇し、
サマースプリントシリーズも連覇した
カノヤザクラに続けるだろうか。
サクラバクシンオー牝馬という共通点もあるだけに、不可能ではないはずだ。
余談だが、昨年の
閃光特別は
ミラクルアイドルが制し、同馬は今年の閃光特別で④着。
セイコーライコウも
アイビスサマーダッシュで昨年①着、今年④着となった。これに気づいた時、
「そっちかよ!」と独り言を呟いたのは言うまでもありません(笑)。