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ジャスタウェイ、ハープスターに匹敵する末脚に期待が高まる
文/編集部(T)、写真/稲葉訓也


今年の新潟2歳Sには、いろいろと驚かされた

まずはレース内容。マツリダゴッホ産駒ロードクエスト32秒8という末脚を繰り出し、②着馬に4馬身差をつけて差し切った。

しかも、出遅れて後方から直線に入ってほぼ馬なりで前に並びかけ、軽く仕掛けられただけでこれだけのタイムを叩き出したのだから恐れ入る。

ロードクエストの前走(東京芝1600m)は、出遅れて後方からの競馬になり、スローペースで掛かり気味になるところをM.デムーロ騎手になだめられ、直線でムチを入れられることなく一気に突き抜けている。

今回、ロードクエストの単勝オッズは3.6倍。前走の勝ちっぷりをディープインパクト産駒がやっていたとしたら1倍台必至だっただろうが、自分も含めてファンは「重賞でも大丈夫だろうか!?」と頭を悩ませたことがオッズからも窺える。自分もそうだが、ファンも半信半疑だったのだろう。

これまでのマツリダゴッホ産駒といえば、昨年の朝日杯FS②着馬アルマワイオリ、昨年のラジオNIKKEI賞を制したウインマーレライのように、上がりのかかるレースをしぶとく伸びて好走、というパターンが多いように感じていた。

調べてみると、それもそのはず。マツリダゴッホ産駒が芝で32秒台の上がりを記録したのは今回が2回目。1回目は今年の飛竜特別(マイネパシオーネ・32秒9)だが、これは上がりが速くなりやすい直線競馬なので、コーナーがあるコースで記録されたのは今回が初めてとなった。しかも今回は稍重だったということも価値を高める。

外回りコースでの開催となった新潟2歳Sにおいて、メンバー最速で32秒台の末脚を繰り出した馬は3頭。この3頭の中にはジャスタウェイ(11年②着)、ハープスター(13年①着)の名前がある。それだけの実力がなければ繰り出せない末脚と言うこともできそうだ。

これはもうひとつの驚きなのだが、そんな中でも鞍上の田辺騎手はレース後に「アクシデントがない限りは負けることがない手応えだった」とコメントしていた。

本誌連載「一鞍専心」でもそうだが、田辺騎手はいつも率直なコメントをする騎手なので、これは本音だろう。18頭立てで最後方追走となると不安にも感じそうだが、この勝負度胸には改めて恐れ入った。次にお話を伺うときが今から楽しみだ(よければ本誌の連載もお楽しみに!)

ところで、ロードクエストの血統を見ると、なかなか面白い血統構成をしている。曾祖母ダイナクレアーサクラチトセオー、サクラキャンドル兄妹を出したサクラクレアーの全妹。それにリアルシャダイというステイヤーの血を入れ、チーフベアハートを挟んでマツリダゴッホを配合されたのがロードクエストとなる。

今回はマイルで抜群の切れを見せたが、母系の血を見る限り距離が延びても面白そう。父が得意とした中山での走りはどうか。血統表を見ていて、これほど想像をかき立てられる2歳馬もそうは多くないように思う。今後どのような戦績を積んでいくか、非常に楽しみになった。

ちなみに、新潟2歳Sが新潟芝外1600mの開催となって今年で14回目となるが、前走が芝1400~1600mで連対していた馬が14連勝、前走でメンバー2位以内の上がりを使っていた馬が13勝目となった。毎年該当馬は多く出走してくるが、これだけ明確な傾向が出ているだけに、来年以降も注目したい。