G |
馬名 |
父名(系統) |
母父名(系統) |
1 |
ヴェデヴァニ |
Dubawi(ミスタープロスペクター系) |
Unfuwain(ノーザンダンサー系) |
2 |
ザグレーギャツビー |
Mastercraftsman(デインヒル系) |
アントレプレナー(サドラーズウェルズ系) |
3 |
シルジャンズサガ |
Sagamix(リファール系) |
Saint Cyrien(クラリオン系) |
4 |
シルバーウェーヴ |
Silver Frost(グレイソヴリン系) |
River Mist(リヴァーマン系) |
5 |
タリスマニック |
Medaglia d'Oro(サドラーズウェルズ系) |
Machiavellian(ミスタープロスペクター系) |
6 |
ハーザンド |
Sea The Stars(ダンチヒ系) |
ザール(ミスタープロスペクター系) |
7 |
ポストポンド |
Dubawi(ミスタープロスペクター系) |
Dubai Destination(ミスタープロスペクター系) |
8 |
ニューベイ |
Dubawi(ミスタープロスペクター系) |
Zamindar(ミスタープロスペクター系) |
9 |
ワンフットインヘヴン |
Fastnet Rock(デインヒル系) |
パントレセレブル(ヌレイエフ系) |
10 |
サヴォワヴィーヴル |
Alderflug(サドラーズウェルズ系) |
Monsun(ブランドフォード系) |
11 |
ハイランドリール |
Galileo(サドラーズウェルズ系) |
デインヒル(デインヒル系) |
12 |
ファウンド |
Galileo(サドラーズウェルズ系) |
Intikhab(ロベルト系) |
13 |
ミグワール |
Sea The Stars(ダンチヒ系) |
Kingmambo(ミスタープロスペクター系) |
14 |
マカヒキ |
ディープインパクト(サンデーサイレンス系) |
フレンチデピュティ(デピュティミニスター系) |
15 |
レフトハンド |
Dubawi(ミスタープロスペクター系) |
Singspiel(サドラーズウェルズ系) |
16 |
オーダーオブセントジョージ |
Galileo(サドラーズウェルズ系) |
Gone West(ミスタープロスペクター系) |
※表中Gはゲート番。
■有力馬分析
ポストポンド昨年7月の
キングジョージから6連勝中で、R.ヴェリアン厩舎に転厩してからは4戦4勝。連覇がかかっていた
キングジョージは呼吸器系疾患で回避したが、2走前の
コロネーションCでは
ファウンド(②着)に4馬身半差、前走の
英インターナショナルSは直線で外に膨れる場面がありながら
ハイランドリール(②着)に1馬身1/4差をつけている。
マカヒキルメール騎手とは3戦3勝、芝2400mは2戦2勝。前走の
ニエル賞は道中で落鉄するアクシデントがあったとのことだが、超スローペースの中で折り合いをつけて差し切り1番人気に応えた。過去10年の
凱旋門賞で、同年の
ニエル賞で1番人気①着の馬は[1.0.2.1]。
ファウンド今年は芝G1で5戦してすべて②着。芝2400mのG1は[1.2.0.1]で、唯一の馬券圏外が昨年の
凱旋門賞(⑨着)だが、この時は直線で前が詰まって騎手が立ち上がるような場面があり、満足に追えなかった。前走・
愛チャンピオンS②着からの臨戦は昨年と同じとなる。
ハーザンド前走の
愛チャンピオンSは道中で他馬と接触して脚に外傷を負った影響もあってか、中団から伸び切れず⑧着。今年の
英ダービー(芝12F10Y)、
愛ダービー(芝12F)を制しており、距離延長は好材料か。過去10年の
凱旋門賞で、同年の
英ダービー馬は⑩①①⑦⑦①着。
ニューベイフランス国内での芝2000m以上は[4.0.1.0]で、シャンティイでは
仏ダービー(芝2100m)を勝ち、昨年の
凱旋門賞は③着に好走している。今年はG1で⑥④着だが、3走前の
イスパーン賞は7ヵ月半ぶり、前走の
愛チャンピオンSは初のフランス国外のレースだった(今回は中2週)。
オーダーオブセントジョージ初重賞制覇を飾った昨年の
愛セントレジャートライアルS(芝14F)以降、芝14~20Fで①①①①①②着。芝8Fで初勝利を挙げた馬だが、重賞での連対はすべて芝2800m以上で、芝2400mは今回が初。
レフトハンド初の芝2400mとなった前走の
ヴェルメイユ賞は好位の外目につけ、直線は先行馬の外から差し切って初のG1制覇。3走前の
仏オークスでは、
凱旋門賞でも上位人気が予想された
ラクレッソニエール(回避)と半馬身差の②着に好走している。過去10年の
凱旋門賞で、前走で
ヴェルメイユ賞を制した3歳牝馬は①⑦⑨①着。
シルバーウェーヴ今年5月以降は②③①①着で、2走前の
サンクルー大賞で初のG1勝ちを飾り、前走は前哨戦の
フォワ賞を制した。
サンクルー大賞の②着馬
イラプトは次走の
キングジョージで
ハイランドリールから4馬身半ほど離れた⑤着に敗れている。過去10年の
凱旋門賞で同年の
フォワ賞勝ち馬は[0.2.0.5]で、②着はいずれも
オルフェーヴル。
ハイランドリール前走の
愛チャンピオンSは直線半ばで先頭に立つも、ゴール前で一気に後続に交わされて⑦着。今年の
キングジョージで逃げ切り勝ちを収めた馬だが、今年は
ポストポンドと2回対戦していて、
ドバイシーマクラシックでは④着、
英インターナショナルSでは②着に敗れている(
ポストポンドはどちらも勝利)。
■凱旋門賞の考え方
今年の
凱旋門賞はロンシャン競馬場が改装のため、95回目にして初めて
シャンティイ競馬場での施行となる。
日本国内で発売される馬券のオッズは日本独自の計算となるが、参考として海外ブックメーカーのオッズを見ると、1番人気は
ポストポンド、2番人気に
マカヒキ、以下、
ファウンド、
ハーザンド、
ニューベイなどが続く形となっている。
過去の
凱旋門賞を振り返ると、前走好走馬の成績が良く、近10年で③着以内に入った延べ30頭はすべて[1]
前走が重賞で③着以内か、前走がG1で⑤着以内だった。これは必須条件と考えてもいいのではないか。
今回のメンバーでは、
シルジャンズサガ、シルバーウェーヴ、ポストポンド、ニューベイ、サヴォワヴィーヴル、ファウンド、マカヒキ、レフトハンド、オーダーオブセントジョージが該当する。
また、過去10年の勝ち馬のうち、9頭は[2]
同年9月に芝2000~2400m(芝10~12F)の重賞で出走歴があった馬で、唯一該当しなかった10年(勝ち馬
ワークフォース)も前走の
フォワ賞(9月12日)で②着となっていた
ナカヤマフェスタが連対(②着)している。
今回のメンバーでは、
シルバーウェーヴ、ハーザンド、ニューベイ、ワンフットインヘヴン、ハイランドリール、ファウンド、マカヒキ、レフトハンドがこれに該当する。
昨年は
英ダービーを3馬身半差で制していた
ゴールデンホーンが優勝したが、近年の
凱旋門賞優勝馬はある程度の着差を付けてのG1制覇があったタイプが多く、近10年のうち9年では、[3]
近1年以内に2馬身差以上をつけてG1勝ちがあった馬が優勝している。例外年でもそのタイプが②着となっており、今年これをクリアするのは、
ポストポンドと
オーダーオブセントジョージの2頭になる。
今年は
シャンティイ競馬場での開催なので、血統傾向には違いが出るかもしれないが、ロンシャン競馬場での
凱旋門賞では、[4]
父か母父にサドラーズウェルズ系かダンチヒ系(デインヒル系)がある馬が近10年のうち9年で優勝していて、例外年でも②着となっている。その2系統を持つ馬にも注目しておきたい。
以上4点を
凱旋門賞の好走ポイントとして扱い、まとめると次の表の通りになる。
G |
馬名 |
[1] |
[2] |
[3] |
[4] |
1 |
ヴェデヴァニ |
|
|
|
|
2 |
ザグレーギャツビー |
|
|
|
○ |
3 |
シルジャンズサガ |
○ |
|
|
|
4 |
シルバーウェーヴ |
○ |
○ |
|
|
5 |
タリスマニック |
|
|
|
○ |
6 |
ハーザンド |
|
○ |
|
○ |
7 |
ポストポンド |
○ |
|
○ |
|
8 |
ニューベイ |
○ |
○ |
|
|
9 |
ワンフットインヘヴン |
|
○ |
|
○ |
10 |
サヴォワヴィーヴル |
○ |
|
|
○ |
11 |
ハイランドリール |
|
○ |
|
○ |
12 |
ファウンド |
○ |
○ |
|
○ |
13 |
ミグワール |
|
|
|
○ |
14 |
マカヒキ |
○ |
○ |
|
|
15 |
レフトハンド |
○ |
○ |
|
○ |
16 |
オーダーオブセントジョージ |
○ |
|
○ |
○ |
※表中Gはゲート番。
3つの条件に該当したのは
ファウンド、レフトハンド、オーダーオブセントジョージの3頭となった。
ファウンドは今年に入って[1.5.1.0]で、前走の
愛チャンピオンS(②着)では
アルマンゾルに敗れたものの、ここに出走している
ニューベイ、ハイランドリール、ハーザンドらに先着している。
昨年の
凱旋門賞(⑨着)は直線で前が詰まってスムーズさを欠いたもので、スムーズに運べればチャンスがあっていいはずだが、この馬自身②着が多いこと、そして
ガリレオ産駒が凱旋門賞で[0.0.2.18]という成績である点がどうか。
R.ムーア騎手とのコンビでは[3.7.1.1]で、名手の腕に期待したいところだろう。
レフトハンドは前走の
ヴェルメイユ賞がG1初制覇だったが、3走前の
仏オークスでは
凱旋門賞でも有力視されていた
ラクレッソニエール(回避)から半馬身差②着に入っている。シャンティイ競馬場では2戦して[1.1.0.0]という成績。
今回の出走馬の中で唯一の3歳牝馬で、
凱旋門賞での3歳牝馬は3年前に
トレヴが、5年前に
デインドリームが制している。
レフトハンドは血統的にも
凱旋門賞で好走があって不思議なく、他馬との斤量差も活かせれば侮れない存在となってきそうだ。
オーダーオブセントジョージは条件[2]に非該当となっているように、これまでは長距離路線で活躍してきた馬で、重賞での6連対がすべて芝14F以上。芝2400mという距離がポイントではあるだろうが、母は
父ゴーンウエスト×
母父ストームバード系(サマースコール)という配合で、日本的に考えると2400mがダメとも考えづらい。
オーダーオブセントジョージの鞍上はなかなか決まらなかったが、最終的に
L.デットーリ騎手に決まった。昨年の
凱旋門賞では
L.デットーリ騎手は外枠から
ゴールデンホーンを優勝に導いており、再び
“神騎乗”があればチャンスもあるのではないか。
[1]を含めてふたつの条件に該当したのは、
シルバーウェーヴ、ポストポンド、ニューベイ、サヴォワヴィーヴル、マカヒキとなった。
ポストポンドは芝2400m前後のG1が3戦3勝で、ある程度先行できる脚質を考えても、安定感がいちばんありそうなのはこの馬だろう。ただ、前走(
英インターナショナルS①着)が8月で、前走が9月ではなかった馬は近10年で
ワークフォースしか勝っていないし、近年は5歳以上の馬も勝利しておらず、父も母父も
ミスプロ系という馬は優勝した過去がない。
ポストポンドはゲート番号7番と良いところを引き当て、能力的には今回の出走馬の中で優勝にいちばん近い存在であるのだろうが、過去の傾向で見ると
「◎」を打ちづらいのが正直なところ。今年はシャンティイ競馬場での開催で、傾向が覆されるだろうか。
マカヒキは前走の
ニエル賞を1番人気で制していて、過去10年の
凱旋門賞で、前走
ニエル賞で1番人気①着だった馬は[1.0.2.1]という成績。決め手は出走馬の中でも最上位であることを信じたいが、血統的には
母父フレンチデピュティ(デピュティミニスター系)というのが凱旋門賞においては
“軽い”ように映る。その点がどうか。
ニューベイは
A.ファーブル厩舎の所属馬で、同厩舎の馬は過去10年の
凱旋門賞のうち6回で馬券圏内に入っている。今年は芝G1で⑥④着だが、⑥着(
イスパーン賞)は7ヵ月半の休み明けで、④着(
愛チャンピオンS)はフランス以外でのレースだった。芝2400mでは①③着で、名門厩舎がこの舞台を狙ってきた可能性もありそうだが……。
シルバーウェーヴは今年5月以降が[2.1.1.0]で、芝2400mでは2戦2勝。前走
フォワ賞③着以内の馬は過去10年の
凱旋門賞のうち5回で馬券圏内に入っている。昨年の
凱旋門賞は⑩着に敗れたが、17頭立ての大外枠で後方追走を余儀なくされていた。今年はゲート番号4番を引き当て、過去に
凱旋門賞を2勝している
C.スミヨン騎手が鞍上なので、位置取り次第で侮れないのではないか。
サヴォワヴィーヴルは前走の
ドーヴィル大賞(G2、8月29日)が重賞初制覇で、[2][3]に非該当となった。2走前の
ドイツダービー(②着)が不良馬場で走破時計が2分45秒9、前走は4頭立てでスローペースでの逃げ切り(勝ち時計は芝2500mで2分51秒73)だった。父が独ダービー馬
アドラーフルク×母父
モンズンという重厚な血統を持つ馬で、近走内容からは時計がかかる展開がベターだろう。
英&愛ダービー馬の
ハーザンドは上表では「○」がふたつ。前走の
愛チャンピオンS(⑧着)はレース中に脚に外傷を負うアクシデントがあったようだが、近10年では前走で⑥着以下だった馬は③着以内に入れていないだけに、どこまで巻き返せるか。前走から約1ヵ月の間隔で、回復具合がポイントになりそう。
ハイランドリールも前走の
愛チャンピオンSが先行失速の⑦着で、[1]に非該当となった。今年は
ポストポンド不在の
キングジョージを制したが、
ドバイシーマクラシック(④着)では
ポストポンドから4馬身1/4差、
英インターナショナルS(②着)では同馬から1馬身1/4差に敗れている。このメンバー相手にどこまで?
上記の理由から、「◎」は
レフトハンド、「○」は
ポストポンド、「▲」は
マカヒキ、としたい。以下、「△」一番手が
ファウンド、「△」二番手が
ニューベイで、
「穴ぐさ💨」的存在の「★」として、
シルバーウェーヴと
オーダーオブセントジョージを指名しておく。
レフトハンドが人気薄であれば、同馬を
「穴ぐさ💨」的存在の筆頭格として考えたい。
◎レフトハンド
○ポストポンド
▲マカヒキ
△ファウンド
△ニューベイ
★シルバーウェーヴ
★オーダーオブセントジョージ
※出馬表、記事内の表は『ゲート番』の順に表記しています。馬券を買う際は『馬番』での購入となりますので、お間違いのないようにご注意ください。