メルボルンCの考え方
メルボルンCはフルゲート24頭の
ハンデ戦で、フレミントン競馬場の
芝3200mで行われる。
昨年は超人気薄だった
プリンスオブペンザンスが優勝したが、同馬は
ゲート番号1番で、②着の
マックスダイナマイトは
ゲート番号2番、③着の
クライテリオンは
ゲート番号4番だった。
これだけの多頭数だと
外枠は不利という印象があり、近10年では
馬番14番より外枠で優勝した馬は1頭だけ(09年
ショッキング・ゲート番号21番)だ。ゲート番号13番以内の馬がワンツーを決めたことが近10年で6度あり(06年、07年、08年、10年、12年、15年)、信頼度が高いのは
馬番13番以内の馬たちだろう。
勝ち馬の前走を見ると、近10年はすべて
同年の10月以降だった。オーストラリアの競馬らしく、間隔は物凄く詰まっていても問題なく、間隔が空いている馬と分けて考えたい。
過去10年の勝ち馬は
前走が同年10月以降で、10頭中9頭は
ゲート番号が13番以内だ。例外年でもそのようなタイプが②着に入っているから、今年もまずはそのタイプをピックアップしたい。
昨年の①~③着馬は内側のゲートだったことを前述したが、優勝した
プリンスオブペンザンスと③着の
クライテリオンは前走が
②着、②着の
マックスダイナマイトは前走で
勝ち鞍を挙げていた。
メルボルンCは、かつては前走で大きく負けていても巻き返して好走するケースがよく見られたが、近年は様相が変わっている。09年以降に優勝した7頭のうち6頭は
前走で④着以内に走っていた。前走④着以内の馬が①~③着を占めたケースは昨年だけに限らず、10年、11年、13年にも起こっている。
近10年の勝ち馬は
6歳以下で、6歳以下で
前走が④着以内だった馬は10年中9年で連対し、例外年でも③着に入っている。そのような馬が近7年中6年で優勝しているから、前走着順も重要だろう。
過去の好走馬の
血統を見ると、実にバラエティに富んでいるが、近4年では父か母父に
Monsunを持つ馬が連対していて、これが近年の
メルボルンCのトレンドだろう。そして、父か母父に
ノーザンダンサー系を持つ馬の好走例がやはり多い。
ただ、過去10年の好走馬の血統をよく見てもらえば分かると思うが、父も母父も
ノーザンダンサー系という馬は好走例が少ない。近10年で優勝したのは12年の
グリーンムーンだけで、連対圏に入ったのも同馬だけ。他に③着に入った馬が09年
ムーリリヤンと10年
ソーユーシンクだけで、これは気になると言わざるを得ない。
Monsunを持つ馬には注目するとして、それ以外では、父か母父のどちらかが
ノーザンダンサー系という馬が過去10年のうち6年で優勝していて、9年で連対圏に入っているから、そのような血統馬を評価するようにしよう。
以上の3点を
メルボルンCの好走ポイントとして、出走馬を評価すると、次のようになる。
[1]
前走が同年10月以降で、ゲート番号が13番以内の馬(過去10年中9年で勝利し、10年すべてで連対)
[2]
6歳以下で前走が④着以内の馬(近7年中6年で勝利し、過去10年中9年で連対)
[3]
父か母父がMonsunの馬(近4年で連対)。
父か母父のどちらかがノーザンダンサー系の馬(過去10年中6年で優勝し、9年で連対)
| G |
馬番 |
馬名 |
[1] |
[2] |
[3] |
|
1 |
16 |
ビューティフルロマンス |
|
○ |
|
|
2 |
10 |
ギャラントゥ |
○ |
|
○ |
|
3 |
12 |
ジャメカ |
○ |
○ |
|
|
4 |
22 |
ペンタスロン |
○ |
|
○ |
|
5 |
4 |
ボンダイビーチ |
|
○ |
|
|
6 |
2 |
アワーアイヴァンホウ |
○ |
|
○ |
|
7 |
1 |
ビッグオレンジ |
|
○ |
|
|
8 |
24 |
ローズオブバージニア |
○ |
|
○ |
|
9 |
11 |
グランドマーシャル |
○ |
○ |
○ |
|
10 |
21 |
シークレットナンバー |
|
○ |
|
|
11 |
20 |
オーシャノグラファー |
○ |
○ |
○ |
|
12 |
6 |
ハートネル |
○ |
○ |
|
|
13 |
5 |
エクソスフェリック |
○ |
○ |
|
|
14 |
14 |
サージョンホークウッド |
|
|
|
|
15 |
23 |
キウイ |
|
○ |
○ |
|
16 |
19 |
グレーライオン |
|
○ |
|
|
17 |
17 |
アルマンダン |
|
○ |
◎ |
|
18 |
3 |
カレンミロティック |
|
|
|
|
19 |
9 |
アルムーンクィス |
|
○ |
|
|
20 |
7 |
フーショットザバーマン |
|
○ |
|
|
21 |
15 |
エクセスノレッジ |
|
○ |
◎ |
|
22 |
18 |
アサイン |
|
○ |
○ |
|
23 |
13 |
ハートブレークシティー |
|
○ |
○ |
|
24 |
8 |
ウィックローブレーブ |
|
○ |
○ |
※表中Gはゲート番。
血統項目の[3]では、
Monsun産駒の2頭(
アルマンダン、
エクセスノレッジ)が母父も
ノーザンダンサー系のため、「◎」とした。
複数で該当した馬が15頭と多くなったものの、上位人気が予想される馬でも「◯」がひとつというタイプは存在いて、残念ながら日本から参戦する
カレンミロティックには「◯」が付かなかった。
上位人気が予想されるのは、
アルマンダン、
ジャメカ、
ハートネル、
ビッグオレンジ、
ボンダイビーチあたりだろう。このうち、
アルマンダン(ゲート番号17番)以外の4頭は
ゲート番号12番以内に入った。
上位人気が予想される5頭の中で「◯」がふたつに付いたのは、
アルマンダン、
ジャメカ、
ハートネルの3頭だ。
アルマンダンは[1]で非該当となったように、
ゲート番号17番というのが最大のポイントだろう。ドイツ産馬
アルマンダンはドイツでデビューし、
バーデン企業大賞という芝2200m戦で初めての重賞制覇を果たしたが、その時に②着に破った
プロテクショニストが一昨年の
メルボルンCを優勝したのは有名な話。本馬はその後、オーストラリアに移籍した。
アルマンダンは父
Monsun×母父
Tiger Hill(ダンチヒ系)という配合で、母母父が
ニジンスキー系だから、スタミナ豊富な印象を受ける。6歳セン馬でハンデ52kgというのも悪くないし、
メルボルンC初挑戦というのも好印象だ。
というのも、近年の
メルボルンCはこのレース初挑戦で優勝するケースがほとんどで、3年前の勝ち馬
フィオレンテが前年②着から着順を上げて優勝しているが、それ以外では、一度挑戦して敗れている馬が巻き返して制することは希有だ。
アルマンダンは血統的にも戦績的にも、今回優勝するのにいちばん相応しい存在と言え、最後にして唯一の障害が
ゲート番号(17番)だろう。終始外を回らされると厳しくなるので、どこまで馬群の中に潜り込めるかがポイントだろう。
ジャメカと
ハートネルは[3]で非該当となったが、それは両馬とも父も母父も
ノーザンダンサー系のため。前述した通り、このような配合馬はあまり好走例がないだけに気がかりだ。
ジャメカは
コーフィールドCを制しての参戦となり、
牝馬で54.5kgを背負う。
コーフィールドC→
メルボルンCを連勝することは至難の業で、前走
コーフィールドC組みで優勝したのは06年の
デルタブルース(前走
コーフィールドC③着)まで遡る。過去10年では、
前走コーフィールドC③着以内→
メルボルンCでも③着以内という馬も
デルタブルースだけで、前走で好走するとハンデを背負わされるだけに、前走のように上手くいくかどうか。
ハートネルは5戦連続連対中で、前走の
コックスプレートは
ウィンクスにちぎられての②着。近5走はすべて
2040m以下で、昨年の
メルボルンCでは⑮着に敗れている。昨年はゲート番号が17番で、後方追走から外を回っていたから、今年は少しでもロスなく走りたいところだろうが……。
ビッグオレンジと
ボンダイビーチは「◯」がひとつで、この両馬も父と母父が
ノーザンダンサー系になる。前走が③着以内ながら[1]で非該当となったのは、前走が
7月(
ビッグオレンジ)と
9月(
ボンダイビーチ)だからだが、実は近年の
メルボルンCでは、
前走が同年の9月以前だった馬が②着に入るケースが続いていて、11年以降は5年連続でそのような馬が②着となっている。その点では、あまり割り引いて考えない方が良いのだろう。
ボンダイビーチは昨年も挑戦していて⑯着に敗れている。ただ、昨年はゲート番号が18番で、終始、
馬群の外を走らされていた。今回の鞍上は、ご存じ、
R.ムーア騎手で、
ゲート番号5番なら外を回ることはないだろう。
なお、
R.ムーア騎手は一昨年に
プロテクショニストで優勝していて、その時はゲート番号10番だった。
ゲート番号5番の馬は過去10年で③着以内に
4頭が入っていて、この頭数は
ゲート番号11番と並んで1位タイだったりする。
ビッグオレンジも昨年に挑戦していて⑤着となっている。ゲート番号23番という外枠から逃げて粘ったもので、今回の
ゲート番号7番というのは好材料だろう。
ビッグオレンジは馬番1番で、
アワーアイヴァンホウと並んでトップハンデの57kgを背負う。過去10年の勝ち馬は
ハンデ56.5kg以下で、この斤量で先行してどこまで粘れるか。
なお、
メルボルンCは日本の
天皇賞・秋ではないが、逃げ先行型にはそれほど楽なレースではない印象もある。ゲート番号7番の
ビッグオレンジは今回は逃げないかもしれないが、他にも
キウイや
カレンミロティックなど逃げ先行型は複数いて、前に行く馬には厳しいレースになる可能性があるが……。
上表では、
オーシャノグラファーと
グランドマーシャルがフルマークとなった。
オーシャノグラファーは10月29日に
レクサスS(芝2500m)を豪快に差し切った馬で、なんと
中2日での出走になる。状態に問題ないとの判断に出走するようで、父
Sea The Stars(ダンチヒ系)×母父
Contested Bid(リボー系)だから、日本的に考えればかなりパンチのありそうな配合だ。
前述した通り、今回は先行型も揃っているため、
差し追い込み型のこの馬には流れが向く可能性があるが、いかんせん20頭を超えるレースでは出走歴がなく、近1年での3勝は12頭立て以下。
捌き切れるかが焦点だろう。
グランドマーシャルは前走の
ムーニーバレーGCで一昨年のこのレース③着の
フーショットザバーマンを抑えて勝利していてる(
フーショットザバーマンは今年も出走予定)。
グランドマーシャルは昨年も出走して21着に敗れているが、
ゲート番号15番で中団を追走しながら直線で他馬にぶつけられる酷い不利を受けていた。
グランドマーシャルは昨年以降に2500m以上のレースに6回出走し、
③着、
①着、21着、
③着、
③着、
①着という成績。大敗を喫したのは昨年の
メルボルンCだ。父
Dansili(ダンチヒ系)×母父
Doyoun(ミルリーフ系)で、父の母父が
ニジンスキー系だから、とにかくスタミナ豊富な印象がある。スムーズに立ち回れるかどうかだろうが、侮れない存在になってくるのではないか。
今年の
コーフィールドCで③着となったのが
エクソスフェリックで、同④着が
アルムーンクィス、同⑥着が
アワーアイヴァンホウだ。同レースを制した
ジャメカは中1週での臨戦だったが、
エクソスフェリックは
約2ヶ月ぶりで、外を回りながら差してきて、いかにも前哨戦らしい走りだった。
エクソスフェリックはゲート番号13番で、ここならそれほど悪くはなさそう。鞍上の
D.オリヴァー騎手は3年前に
フィオレンテ(ゲート番号5番)で優勝していて、06年には
ポップロック(ゲート番号11番)、07年には
パープルムーン(ゲート番号13番)でそれぞれ
②着となっている。
ジャメカの項で記した通り、
メルボルンCと
コーフィールドC好走馬の相性の点がポイントか。
アルムーンクィスの前走は後方を追走し、
エクソスフェリックよりも内目に進路を採って前が詰まり、捌くのに苦労しながら④着まで上がったもの。こちらも前哨戦としては悪くない印象だが、今年は9戦して
未勝利(②着が1回)で、ゲート番号19番でどこまで差し込めるだろうか。
アワーアイヴァンホウは昨年も挑戦して⑩着に敗れているが、
ゲート番号22番からスタートし、すぐに内ラチ沿い目がけて走り、そのまま内を回ってきたもの。今回の
ゲート番号6番の方がレースをしやすくなりそうで、
アイヴァンホウという馬名で一昨年の
ジャパンCに挑戦した時(⑥着)は、内を回って
ジェンティルドンナや
ハープスターと
0秒1差だった。ハンデ57kgで前走⑥着なので、勝つまではどうかも、上手く脚を溜められれば侮れないのではないか。
フーショットザバーマンは一昨年のこのレースで
③着となっていて、昨年は⑪着に敗れたが、先行馬を見る位置に付けながら直線で挟まれ、躓く場面があったもの。③着となった一昨年(ゲート番号12番)に比べてゲート(20番)が外となったことは気になるが、
長距離路線での安定勢力で気になる存在ではある。
エクセソノレッジは
Monsun産駒で、
ハートブレークシティーと
ウィックローブレーブは前走で
2800m戦を勝ってきていて、鞍上(
ハートブレークシティーが
J.モレイラ騎手、
ウィックローブレーブが
L.デットーリ騎手)も非常に魅力的だが、いずれもゲート番号が21番より外となり、この
外枠がどうだろうか。
ウィックローブレーブは前走で
オーダーオブセントジョージ(その後に
凱旋門賞で③着)に競り勝ったが、4頭立てでの押し切りだった。
ハートブレークシティーは
95年ジャパンCを制した
ランドの産駒で、母父
パントレセレブルという馬は一昨年に①着(
プロテクショニスト)&②着(
レッドカドー)となっているが……。
最後に、出走馬を見渡して気になるのは、5頭を出走させてきている
ゴドルフィンの存在だろう。
先行しそうな
キウイがいて、それ以外の
オーシャノグラファー、
シークレットナンバー、
ハートネル、
ビューティフルロマンスの4頭は
ゲート番号12番以内に入った。
ハートネルと
オーシャノグラファーは前述した通りだが、
シークレットナンバーと
ビューティフルロマンスも前走が準重賞ながら③着以内に入っており、どんなレースをしてくるか不気味だ。
本来であれば、「◎」はゲート番号13番以内から選びたいところだが、前述した通り、その中にそこまで推したくなる馬もいないので、今回はゲート番号17番でも
アルマンダンにしたい。「◯」が
R.ムーア騎手が騎乗する
ボンダイビーチ、「▲」は
エクソスフェリックとする。
穴ぐさ的存在の「★」としては、上表でフルマークとなった
グランドマーシャルと
オーシャノグラファー、そして、
アワーアイヴァンホウを推す。
◎アルマンダン
◯ボンダイビーチ
▲エクソスフェリック
△ビッグオレンジ
△フーショットザバーマン
★グランドマーシャル
★オーシャノグラファー
★アワーアイヴァンホウ
※出馬表、記事内の表は『ゲート番』の順に表記しています。馬券を買う際は『馬番』での購入となりますので、お間違いのないようにご注意ください。※メルボルンCの勝馬投票券のご購入は即PAT会員のみとなります。A-PAT会員はご購入いただけませんので、ご注意ください。