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香港ヴァーズの考え方

香港ヴァーズには、日本からサトノクラウン、ヌーヴォレコルト、スマートレイアーが参戦する。

このうち、シャティン競馬場で出走経験があるのはヌーヴォレコルトサトノクラウンで、ヌーヴォレコルトは昨年の香港Cで②着、今年のクイーンエリザベス2世Cで⑥着(いずれも芝2000m)。サトノクラウンは今年のクイーンエリザベス2世Cで⑫着だった。スマートレイアーは初の海外遠征となる。

一方の海外勢は、昨年の香港ヴァーズを制したハイランドリールが今年も参戦。昨年は前走がコックスプレート③着からの臨戦だったが、今年は2走前の凱旋門賞で②着に入り、前走のBCターフを2分23秒00という好タイムで制していて、4歳となってますます充実してきた印象も受ける

一昨年の勝ち馬フリントシャー、13年②着馬ザフューグはともに前走がBCターフで②着、11年の勝ち馬ドゥーナデンは前走がメルボルンC勝ちからの連勝だった。唯一前走③着以内の馬が馬券圏内に入らなかったのが12年だが、この時の勝ち馬レッドカドーは同年のコロネーションCで②着に好走している。

つまり、過去5年では[1]前走が芝G1で③着以内に入っているか、同年に芝2400mG1で②着以内に入っている馬が連対しているということになる。これに該当する馬は評価に値するだろう。

今回のメンバーのうち、[1]に該当するのはハイランドリール、シルバーウェーヴの2頭となった。

過去5年のうち、[2]欧州調教馬は4勝を挙げていて、5年すべてで②着以内に入っている。フランス調教馬は5年すべてで馬券圏内に入っており、特に注目といえそうだ。

血統傾向を見ると、昨年の勝ち馬ハイランドリール父Galileo(サドラーズウェルズ系)×母父デインヒル(デインヒル系)、②着馬フリントシャー父Dansili(デインヒル系)×母父Sadler's Wells(サドラーズウェルズ系)という血統を持っていた。フリントシャーは14年の勝ち馬で、13年はフリントシャーと同じ父と母父を持つザフューグが②着に入っている。

そして、近3年の香港ヴァーズの連対馬は、いずれも[3]父か母父にサドラーズウェルズ系デインヒル系を持っている馬だった。

以上3つの条件をまとめ、表にしたものが次の通りとなる。

[1]前走が芝G1で③着以内に入っているか、同年に芝2400mG1で②着以内に入っている馬(近5年すべてで連対)

[2]欧州調教馬(近5年すべてで②着以内、5年中4年で勝利)※◎はフランス調教馬

[3]父か母父にサドラーズウェルズ系デインヒル系を持っている馬(近3年の②着以内馬はすべて該当)

G 馬番 馬名 [1] [2] [3]
1
2 シルバーウェーヴ
2
11 イースタンエクスプレス
3
12 アンティシペーション
4
7 ワンフットインヘヴン
5
9 フレイムヒーロー
6
5 ヘレンハッピースター
7
3 ビッグオレンジ
8
6 ガルリンガリ
9
4 サトノクラウン
10
1 ハイランドリール
11
10 ベンジニ
12
13 ヌーヴォレコルト
13
14 スマートレイアー
14
8 ケシュア
※表中Gはゲート番号。

3つすべてに該当したのはハイランドリールのみ。ふたつに該当したのは4頭で、このうちフランス調教馬がシルバーウェーヴ、ガルリンガリ、ワンフットインヘヴン英国調教馬がビッグオレンジとなった。

ハイランドリールは昨年のこのレースで出入りの激しい展開となって勝負所でポジションを下げたが、終始マイペースを保ったことが奏功した感じで、直線で差し返して①着。今年も芝2400m路線で④②①②①着と安定していて、今夏はキングジョージ、前走はBCターフを制し、凱旋門賞では②着に入っている。

今回のハイランドリールは人気が予想されるだけに、マークも厳しくなりそう。ポストポンドに早めに来られて④着に敗れた今年のドバイシーマクラシックのように、マイペースを崩されると脆い面も見受けられるだけに、今回も展開がカギを握るだろう。昨年もコンビを組んだR.ムーア騎手のペース配分に期待か。

シルバーウェーヴは前走の凱旋門賞で⑬着に大敗したが、前残りの展開の中で中団からの競馬になっていた。今年のサンクルー大賞では後に凱旋門賞で④着に健闘したシルジャンズサガを③着に下しており、展開が合えばこのメンバーでも上位を争う力はありそう。

シルバーウェーヴ自身は父も母父もノーザンダンサー系ではなく、[3]に非該当となった。父も母父もノーザンダンサー系でない馬は11年①着、13年③着のドゥーナデンがいて、同馬もフランス調教馬だから、そこまで評価を下げる必要もない印象ではあるが。

ガルリンガリは今年に入って②②①①③②⑤④③④着と⑥着以下がない。ただ、G1は③⑤着で、いずれもシルバーウェーヴに先着を許している。前走もG2で④着ではあるが、4頭立てのレースでシンガリ負けだった。このメンバーでどうだろうか。

また、ワンフットインヘヴンは芝2400mが[4.0.0.3]だが、G1に限ると⑥⑥着で、今年のサンクルー大賞(⑥着)ではシルバーウェーヴ、ガルリンガリに先着を許している。ガルリンガリ、ワンフットインヘヴンシルバーウェーヴと比較すると上位の評価はしづらい印象もあるが、相手候補として考えるかどうかではないか。

ビッグオレンジ芝2400mで①③①③着と安定していて、今年のプリンセスオブウェールズSではザグレイギャツビー(昨年のドバイターフ②着馬)を下している。芝G1は過去2年のメルボルンCで⑤⑩着と好走歴がないが、この距離でどこまで巻き返せるだろうか。

日本から参戦しているサトノクラウン、ヌーヴォレコルト、スマートレイアーは○がつかなかった。ただ、牝馬ながらレーティング115を得ているのがヌーヴォレコルトで、4ポンドの性差をプラスすると119で、これはメンバー中2位となる。

そのヌーヴォレコルトは昨年の香港C②着馬で、シャティンの馬場適性も証明済み。芝2200~2400mは①②⑤②②①着で、芝2400mはハープスターを下したオークス以来となる。ゲート番号12番と外枠に入ったが、これをどうこなすかが焦点になりそう。

サトノクラウンは昨年のダービー③着馬だが、それを含めてもG1では[0.0.1.5]。前走は天皇賞・秋で⑭着に敗れており、今回はどこまで変われるだろうか。

スマートレイアーは国内の牡牝混合戦は①①⑥①①着という馬だが、過去8勝を芝1800m以下で挙げていて、芝2200mはエリザベス女王杯で⑩⑤着。今回は初の芝2400mとなる。初の海外遠征&初距離という条件では評価をアップしづらい印象も受ける。

また、地元香港勢もここがG1初挑戦という馬が多く、○がふたつ以上ついた馬がいなかった

ただ、過去5年を振り返ると香港勢は延べ4頭が馬券圏内に入っているが、その4頭はすべてシャティン競馬場の芝2400mで③着以内がある馬だった。今回のメンバーのうち、これに該当するのはヘレンハッピースター、アンティシペーションとなる。

ヘレンハッピースターはシャティン芝2400mが①③⑤⑤着で、昨年の香港ヴァーズでは香港勢としては最先着となる⑤着に健闘している。前走のジョッキークラブCは差し決着となる中で逃げて④着に粘っており、復調気配を感じさせただけに、ここでも展開が合えば侮れなさそう。

アンティシペーションはこのコースで一戦して②着。前走のジョッキークラブC(⑥着)は中団から伸び切れなかったが、父デインヒル系×母父サドラーズウェルズ系というのは近年のこのレースの傾向にマッチしているだけに、距離延長でどこまで食い込めるかだろう。

なお、フレイムヒーローは前走のジョッキークラブCで②着に好走していて、今回のメンバーの中で最先着馬となる。このコースは一戦して⑨着で、この時はアンティシペーションに先着を許しているが、好調さでどこまでカバーできるかでは。

印は、フルマークとなったハイランドリールを「◎」、フランス調教馬で、G1実績があるシルバーウェーヴを「○」と考える。日本馬については、芝2400mと香港での実績を考慮してヌーヴォレコルトを最上位とする。もし人気がないようなら、同馬を「★」の最上位評価としたい。

穴ぐさ💨的存在の「★」としては、芝2400mで好走歴のある香港馬のアンティシペーション、ヘレンハッピースタージョッキークラブC最先着のフレイムヒーローを推しておきたい。

◎ハイランドリール
○シルバーウェーヴ
▲ヌーヴォレコルト
△ビッグオレンジ
△ワンフットインヘヴン
★アンティシペーション
★ヘレンハッピースター
★フレイムヒーロー

※出馬表、記事内の表は『ゲート番号』の順に表記しています。馬券を買う際は『馬番』での購入となりますので、お間違いのないようにご注意ください。