香港マイルの考え方
香港マイルには、日本から
サトノアラジン、
ネオリアリズム、
ロゴタイプの3頭が参戦する。勝てば昨年の
モーリスに続いての日本馬の連勝となるが、
日本馬3頭以外の11頭のうち10頭は
香港馬。このレースは、「
日本馬 vs
香港馬」という図式になっている。
昨年の
香港マイルは前走で
マイルCSを制していた
モーリスが優勝し、一昨年は前走で
ジョッキークラブマイルを勝っていた
エイブルフレンドが制覇した。
ジョッキークラブマイルの勝ち馬は近5年のうち3年で連対していて、それ以外の2年でも前走を芝1600mで勝っていた馬が連対している。
前走の芝1600mで勝っている馬は評価を上げるべきと思われるが、今年は前走で
ジョッキークラブマイルを制した
ビューティーオンリーしか該当しない。他に前走で③着以内を記録しているのは、同レース②着の
ロマンチックタッチ、同レース③着の
サンジュエリー、
マイルCS③着の
ネオリアリズムだけだ。
昨年の優勝馬
モーリスは
グラスワンダーの孫で、
グラスワンダーの母父は
ダンチヒになる。一昨年の勝ち馬
エイブルフレンドは母父が
ダンチヒ系で、一昨年と3年前に②着となった
ゴールドファンも母父が
ダンチヒ系だ。
4年前は勝ち時計が1分34秒台だったが、
1分33秒台の決着時は4代血統表内に
ダンチヒを持つ馬が連対していて、
グッドババが1分32秒71というタイムで制した08年も父
ダンチヒ系の
エイブルワンが②着となっている(
エイブルワンは5年前に1分33秒98で優勝)。
今回も
ダンチヒを4代血統表内に持つ馬を評価すると、
エイブルフレンド、
コンテントメント、
ビューティーオンリー、
ヘレンパラゴン、
ビューティーフレーム、
クーガーマウンテン、
サンジュエリー、
ジョイフルトリニティが当てはまる。
昨年の
モーリスは
ゲート番号が11番で、
香港マイルは
ゲート番号がふた桁だった馬が7年連続で連対している。ゲート番号がふた桁だった馬が2012年以降は4連勝中で、逆に、ゲート番号が5番以内で優勝した馬は10年前(2006年)の
ザデューク(ゲート番号4番)まで遡る。ゲート番号がふた桁の馬もマークしておきたい。
以上の3点を
香港マイルの好走ポイントとして扱い、該当馬を整理すると次のようになる。
[1]
前走の芝1600mで勝っていた馬(近5年すべてで連対)
[2]
4代血統表内にダンチヒを持つ馬(1分32~33秒台の決着となった6年すべてで連対)
[3]
ゲート番号がふた桁の馬(近7年すべてで連対して4連勝中)
| G |
馬番 |
馬名 |
[1] |
[2] |
[3] |
|
1 |
8 |
パッキングピンズ |
|
|
|
|
2 |
3 |
ロゴタイプ |
|
|
|
|
3 |
13 |
サンジュエリー |
△ |
○ |
|
|
4 |
11 |
ロマンチックタッチ |
△ |
|
|
|
5 |
6 |
ヘレンパラゴン |
|
○ |
|
|
6 |
2 |
コンテントメント |
|
○ |
|
|
7 |
10 |
クーガーマウンテン |
|
○ |
|
|
8 |
12 |
サトノアラジン |
|
|
|
|
9 |
7 |
ネオリアリズム |
△ |
|
|
|
10 |
4 |
ジャイアントトレジャー |
|
|
○ |
|
11 |
14 |
ジョイフルトリニティ |
|
○ |
○ |
|
12 |
9 |
ビューティーフレーム |
|
○ |
○ |
|
13 |
5 |
ビューティーオンリー |
○ |
○ |
○ |
|
14 |
1 |
エイブルフレンド |
|
○ |
○ |
※表中Gはゲート番号。
[1]については前走で②~③着の馬を「△」とした。それを含めれば、
エイブルフレンド、
サンジュエリー、
ジョイフルトリニティ、
ビューティーオンリー、
ビューティーフレームの5頭が複数で該当し、
ビューティーオンリーがフルマークとなった。
ビューティーオンリーは
ジョッキークラブマイルを外から差し切った馬で、今年に入ってからは9戦連続で⑤着以内を記録している(その間は[2.2.2.3]。
外から差すのに
ゲート番号13番は悪くない印象だが、今年
モーリスが制した
チャンピオンズマイルでは④着までで、昨年の
香港国際競走は
カップに参戦して
エイシンヒカリの⑧着に敗れている。
ビューティーオンリーはこれまでの
国際G1では⑧④③④着という成績だけに、この舞台でワンパンチを利かせられるかがポイントではないか。
エイブルフレンドは一昨年のこのレース覇者で、昨年は
モーリスの0秒15差の③着。昨年は外を回ってのもので、強い内容だった。そこから前走の
ジョッキークラブスプリント(④着)まで間隔が空いたのは、右前脚に
屈腱炎を発症したため。今回は長期休養明け2戦目になる。
休養が長かったのでひと叩きでどこまで状態が上がっているかだが、前走は
エアロヴェロシティ(③着)と0秒08差で、走破時計(1分8秒61)は昨秋に復帰初戦で
プレミアボウルを勝った時(1分8秒35)と比べても0秒26劣るだけ。今回のレーティングは
ロゴタイプなどと並んでトップタイの119で、鞍上が
モレイラ騎手だから見限れないだろう。
サンジュエリーは
ジョッキークラブマイルが③着までだったが、
1番人気はこの馬だった(2番人気が
ビューティーオンリー)。国際G1は今回が初めてになるが、昨シーズンは
香港クラシックマイル(芝1600m)や
香港クラシックカップ(芝1800m)を勝ち、1800m以下では[4.1.0.0]だった。伸び盛りの存在と言えるだろう。
2走前(⑥着)は復帰初戦で
過去最多体重だったので、今回は休み明け3戦目でさらなる上積みもあるかもしれない。ちなみに、前走の
ジョッキークラブマイルで1番人気に推された馬は、近5年の
香港マイルで③着、②着、②着、①着、③着と好走を続けている。
ビューティーフレームは昨年の
ジョッキークラブマイルの勝ち馬で、その時は
エイブルフレンドや
コンテントメントを下しているが、その後は8戦して勝ち鞍がない。昨シーズン以降の
国際G1では⑥⑦②⑥着で、マイル戦だと⑥⑦⑥着だ。
ジョイフルトリニティは3走前に芝1400mで重賞制覇を飾っていて、その時は②着
ビューティーオンリーや③着
ビューティーフレームを破っているが、ハンデ戦で斤量が軽かった。他馬と同斤量を背負ってのマイル戦となるここでどこまで動けるか。
上表での
日本馬は
マイルCS③着の
ネオリアリズムに「△」が付いただけだが、ご存知の通り、
サトノアラジンの前走は直線で不利を受けたもの。その点は考慮すべきだろう。
サトノアラジンは
モーリスと2度対戦していて、昨年の
マイルCS(④着)は0秒2差で、今年の
安田記念(④着)は同タイム。
ロゴタイプは
安田記念で
モーリスに0秒2差を付けて勝っていて、
ネオリアリズムは
札幌記念で0秒3差を付けているわけだから、
モーリスを軸にして考えれば
日本馬3頭にも大いにチャンスがあっていいはずだ。
香港馬では
ビューティーフレームや
コンテントメントが前に行くと思われるので、
ゲート番号9番の
ネオリアリズムは包まれずにレースをしやすくなりそうだ。逆に
ゲート番号2番の
ロゴタイプはスムーズに走れるかがポイントか。
サトノアラジンは
ゲート番号8番で、差し込むには悪くないところだろう。今年の
安田記念も前走の
マイルCSも直線ではスムーズでなかったので、今回こそは上手く立ち回りたい。
前走で
不利を受けた日本馬が
サトノアラジンなら、その香港馬版は
ヘレンパラゴンで、同馬は前走の
ジョッキークラブマイルが⑦着だったが、直線で前が詰まっていた。
ヘレンパラゴンは
ジョッキークラブマイルの3番人気馬で、今シーズンは⑩⑧②⑦着で勝ち鞍こそないものの、今年7月にはシャティン芝1600mを
1分33秒33で勝っている。鞍上は前走に続いて
H.ボウマン騎手で、上手く捌ければここで好戦しても不思議ないだろう。
コンテントメントは今年の
チャンピオンズマイルで
モーリスの②着になっているが、その後は今年の
安田記念(⑫着)を含めて4戦して③着以内がない。
安田記念以外の芝1600mでの
国際G1は⑤③②着だが、②~③着はゲート番号2番でのもの。
ゲート番号6番で、どれだけロスなく走れるか。
ジャイアントトレジャーは昨年の
香港マイル②着馬だが、ゲート番号1番で内を上手く立ち回っていた。近5走では⑥着以下に敗れていて、
ゲート番号10番となる今年はどうか。
パッキングピンズは今年の
チャンピオンズマイルで③着まで差し込んだ馬で、その後は⑤⑤⑨⑤⑩着という成績。ただ、今回は
ゲート番号1番で、これは
チャンピオンズマイル③着時と同じになる。近3走はゲート番号8~11番だったので、ロスなく立ち回れれば可能性が出てくるかもしれない。
ロマンチックタッチは
ジョッキークラブマイルで②着となった馬だが、10頭立てで最低人気だった。今回も先行馬を見る位置に付けてきそうだが、どこまで粘りを見せられるか。
アイルランドの
A.オブライエン厩舎の
クーガーマウンテンは、前走の
BCマイル(芝1600m)で⑧着に敗れたが、ハイペースで忙しすぎたのだろう。右回りに戻ってペースが落ち着けばレースはしやすくなりそうだが、今年9月の
ジョエルS(芝1600m)勝ちは1分36秒85。決め手勝負となった時に
日本馬や
香港馬とどれだけやれるだろうか。
印は、上表でフルマークとなった
ビューティーオンリーを「◎」とするが、かなり混戦と言えるだろう。
日本馬については、先行勢に厳しい展開になる可能性もありそうなので、差しタイプの
サトノアラジンを最上位とした。
穴ぐさ💨的存在の「★」としては、前走で不利を受けた
ヘレンパラゴン、
チャンピオンズマイルで
モーリスの③着に差し込んだことがある
パッキングピンズ、そして、伸び盛りの
サンジュエリーを推す。
◎ビューティーオンリー
○エイブルフレンド
▲サトノアラジン
△ネオリアリズム
△ロゴタイプ
★サンジュエリー
★パッキングピンズ
★ヘレンパラゴン
※出馬表、記事内の表は『ゲート番号』の順に表記しています。馬券を買う際は『馬番』での購入となりますので、お間違いのないようにご注意ください。